2026/01/15

北伊豆・玄岳に登った

公園を散歩していると、東から南に箱根と伊豆の山々が連なっている。
箱根と天城の間に見えるなだらかな山が玄岳(くろだけ)で、その山頂のすぐ下を道路(伊豆スカイライン)が通っている。

3年近く前にカミさんと登ろうと思ったのだが、ちゃんとした登山靴を履いていなかったのと強風が吹いていたのとで断念した。
ガイドマップに「山頂まで15分」と書いてあったので大したことなかろうと甘く見たら、そこそこ登りにくい道だったのだ。

ということで、よく晴れて風もさほど強くなかった昨日(1月14日)、一人で再挑戦した。

ウチを10時過ぎに出て、伊豆スカイライン「西丹那駐車場」に着いたのが11時過ぎ。
伊豆スカイラインをもう少し北に行くと「玄岳駐車場」があるが、登山口に近いのは「西丹那駐車場」のほうである。

次の写真は登山口から駐めた車を振り返ったところ。
もう駐車場からこの展望である。

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補助ロープの張られた道をちょっと登って笹原に出ると、相模湾が見えた。
中央の建物は旧玄岳ドライブインで、現在は廃墟になっている。
1970年までは熱海高原ロープウェイの駅舎だったそうだ。

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山頂にはコースタイム通り15分で着いた。
国土地理院の地図によると、玄岳の標高は798.4mとなっているが、山頂看板の表記と違う。

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北側の眺め。
箱根と富士山。
10万歳程度の「若い」火山たち。

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西側の眺め。
富士山の手前に愛鷹連峰。
沼津アルプスの向こうに駿河湾、そしてその向こうに身延山系、さらに遠く南アルプス。

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南に達磨山など伊豆半島の山々。
その手前に葛城山などの山と沼津アルプス。
……あれだけ上り下りに苦労したのに、ここから見ると低いなぁ、沼津アルプス。
これらの海底火山の残骸が地上の山になったのは、伊豆半島が本州に衝突したとき、つまり50万年くらい前だろうか。

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南東に伊豆大島と初島。
伊豆大島は海上に顔を出した海底火山、初島は隆起した海底。

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東側には相模湾。
真鶴半島の向こうは三浦半島で、よく見ると江ノ島が見える。
横浜や東京の市街は霞んでいる。

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弱い風が吹いていたが、危険はないと判断してガスストーブで湯を沸かし、カップヌードルを食べた。
山頂には10人ほどの登山者がいたが、ここで昼飯を食べたのは儂だけ。
この展望を独り占めである。

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昼食中に遠くから昼のチャイムが聞こえてきた。
沼津アルプスでは、昼のチャイムだけでなく、工場の音や建築現場の槌音、犬の吠える声など、下界の生活音が常に聞こえていた。
玄岳では、昼のチャイム以外の下界の音は聞こえなかった。
東富士演習場に向かう自衛隊の双発ヘリの音が少々耳障りではあった。

山頂に居る間に、Android アプリ PeakFinder で山座同定してみた。
ちょっと位置がズレているのは、儂の調整ミスである。
しかし、南アルプス間ノ岳は見えなかったと思うが……。

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箱根の向こうに顔を出している山頂に見覚えがあるなぁと思ったら、やはり丹沢大山だった。

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昼食後、山頂をあとにして氷ヶ池(こおりがいけ)に向かう。
ロープだけでなく、鉄パイプで作られた梯子まである急坂を下り、伊豆スカイラインの下のトンネルをくぐって樹林を抜けていく。
後ほど地図で示す通り、けっこうぐにゃぐにゃと進む向きの変わる道である。

氷ヶ池は、ここしばらく雨が降っていないためか水が少なく、風も吹いていたので逆さ富士は見られず。

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氷ヶ池を巻くように進む道をそのまま進むと、丹那へ下りてしまうので、途中の分岐で玄岳へと向かう。
背丈を超す高さのスズタケとネザサの間の細い道が、背の低い笹原の急登に変わる。
腿を上げるのがしんどくなったころに傾斜が緩くなり、展望が開ける。

西丹那駐車場に着いたのは13時半だった。

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……ということで、短時間のご近所ハイクだったが、天候と展望に恵まれた良い山旅であった。

それだけでなく、人類の活動など屁でもないようなタイムスケールの地殻変動を「眺める」ことができたのが面白かった。

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(伊豆半島ジオパーク「伊豆半島の成り立ち」から引用)

玄岳は多賀火山という巨大火山の火口壁の名残りだそうだ。
そこで、氷ヶ池は蔵王のお釜のような火口湖なのかと思ったら、そうではないとのこと。
氷ヶ池は渓流が断層で断ち切られてできた、せき止め湖らしい。

多賀火山は伊豆半島が本州に激突する前(50万年以上前)に活動していた火山だから、箱根のほうが後から噴火して、多賀火山(と同時期の火山群)の裾野を覆ったのだろう。
伊豆半島が本州をぐいぐい押して盛り上がった丹沢は、多賀火山と同時期に生まれたと考えてよいだろうか。
伊豆半島の衝突の影響は南アルプスにも及び、100万年で3000m隆起した(現在も隆起し続けている)。

押された本州(ユーラシアプレート)と伊豆半島(フィリピン海プレート)の裂け目から噴き上がった溶岩により、愛鷹山と富士山ができるのは、「ごく最近」ということになるだろうか。
なんか、たかだか数万年の人類文明って何なんだろうなぁ、と考えてしまう。

『悲しき熱帯』(じつは未読)のレヴィ・ストロースの言葉を思い出す。

世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう。

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2026/01/09

なぜ原発は非科学的になってしまうのか

表題の件、結論を先に書いておくと「政治が絡むから」である。
本来、科学を応用しているはずの原子力発電事業が非科学的になるのは、社内政治を含めた「政治」が原因だ、と儂は考える。

本題の前に、一昨日の話をする。

次の3枚の写真は、いずれも散歩の折に撮ったカワセミである。
記録することが目的なので、写りはよくない。

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写真の背景(というか周囲の状況)からわかる通り、カワセミがいる場所はそれぞれ異なっている。

散歩を終えようかという頃、顔見知りに「今日はカワセミを見ましたか」と訊かれたので、
「3羽見ました。1羽はメスで、2羽はオスです」
と答えた。

最初の写真のカワセミは、下の嘴が赤いのでメス、あとの2枚の写真のカワセミはオスである。
これを元に、
「門池公園に生息するカワセミの個体数はメス1、オス2の計3羽である」
と言ってしまうと、嘘になる。

2羽のオスは、見た場所(撮影した場所)は異なるが、時間が異なる。
20分以上空いているので、同一個体が移動したのかも知れない。

2羽のオスが縄張り争いをしていたことなどの過去の観察結果から、別個体の可能性が高いとは思う。
しかし、この日に関しては決め手がない。
だから確認の手助けになるのではないかと思って写真に記録しているのだが、以前にも書いた通りカワセミの個体識別は難しいのだ。

では、どうすれば「門池公園に生息するカワセミの個体数」を明らかにできるだろうか?

根気強く観察を続けるのはもちろんだが、限界がある。
同時に多人数で観察する、他の人の観察記録(縄張り争いをしていた地点)など、儂以外の人の手(と目と頭)を借りるほかあるまい。

そのためには、前述のような会話(「3羽見ました。1羽はメスで、2羽はオスです」)ではなく、科学的に正確な言い方をする必要がある。
だいたい、次のようになるだろう。
「合計3羽のカワセミを別の地点で確認。うち1羽はメス(嘴の色で確認)。残る2羽はオスだが、同一個体かどうかは不明」

簡単に言えば、「3羽見たけど、ほんとうは2羽かもしれない」と正直に言うのである。
正直に言わなければ、他者の助けを得ることができないからね。

科学的であるために必要なことは、何よりも「正直であること」なのである。

ここで、本題に戻る。

中部電力の浜岡原子力発電所の再稼働の可否を審査するための資料の不正が発覚した。
つまり中部電力は「正直でない」ということである。
データの取扱いに関して非科学的なのである。

ウチは静岡県東部なので中部電力管内ではないが(東京電力管内)、テレビでは中部電力のCMが流れる。
若い女性の歌声をバックに、遮水壁の確認などの作業に勤しむ作業員の映像が流れ、「再稼働に向けて頑張ってます」的なメッセージが表示される。
このCMが流れると腹が立つので消音にして「地震から数分後には津波が来ちゃうから、ハッチなんかのろのろ締めてないで、逃げたほうがいいよ」とか毒づいてしまうのである。

そのCMも、不正問題発覚以降、パッタリ流れなくなった。

データの改竄・捏造は、科学にとって壊滅的な、最もやってはならない行為である。
データ取得の失敗や、意図的でない事実誤認は仕方がない。
公表したデータが、間違っていても構わないのだ(正直ならば)。
誤りを修正しつつ進むのが科学だから。

どうしてこう、原発は非科学的になってしまうのだろう。

どうしても、原発には政治的意図が絡むからだろう。

投資を回収したいとか、(当面の)電気代を安くしたいとか、(ひょっとすると)核兵器の原料となるプルトニウムが欲しいとか。
何しろ、再稼働させたい人たちからは「今だけ、金だけ、自分だけ」の気がムンムンと立ち上っている。

今だけ:とりあえず稼働中に大地震が起こらないほうに賭け(福島第一原発は賭けに負けた)、保管期間10万年の核廃棄物(核のゴミ)については真面目に取り上げない、とか。

金だけ:金をかけたくないから耐震偽装し、補助金が欲しいから再稼働を認める、とか。

自分だけ:周辺住民に被害が及ぶ可能性は無視し、孫・子の世代(どころか10万年)に禍根を残す可能性は考えない、とか。

あーやだやだ。
浜岡原発でデータ不正があるのなら、浜岡以外の原発のデータにも不正があるのではないかと疑いたくなるよね。
実際、都合の良いデータだけ採用して、不都合なデータはなかったことにするなんてこと、やってませんか?現場の人!

事故後の保証や核廃棄物の処理などを含めると、原発というものは再稼働するより廃炉にするほうが安上がりではないのか?
とくに中部電力は、原発は浜岡だけなのだから、無理に再稼働しないで廃炉にしたほうが経営的にも助かるのではあるまいか。

社内の立場などの政治的な思惑は置いといて、正直なところ、どう思います?現場の人!

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2026/01/04

よく晴れた日が続いている

午前中から掃除やら買い物やらで、年始らしさはあまりない。
毎日よく晴れるので、布団を干す。
昼食後に布団を取り込んで、15時頃に散歩に出かける。

公園を散策する人は多いが、カワセミに気付く人は少ない。

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100mmで撮った上の写真、右下にぼやけたオレンジ色のものが写っている。

これを400mmで撮ると、次のようになる。

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このカワセミ、鳴き声がするなぁと思ってあたりを見回したら、びっくりするくらい近くにいた。

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これが昨日(1月3日)のこと。

元旦にもかなり近くにいた同じ個体だと思う。

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池の反対側でライバルが鳴く声が聞こえると、耳をすませる。

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水面にダイブして餌を捕る様子は見られなかった。
水面下を窺っていたが、ゴミが多くて見にくいのかもしれない。

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今日(1月4日)は、カワセミは声を聞いただけで、姿は見なかった。

その代わりというわけではないが、オオバンの喧嘩を見た。

足で蹴ったり翼で打ったり、なかなか激しい。
そして、ちょっかいを出す奴や、野次馬も居るのだった。

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2025/12/31

21世紀も四分の一が終わってしまう

12月に入ってからいろいろあって、山歩きができなかった。
熊の出没が収束しなかったり、雨の日が続いたり、買い物などの用事があったり、両親の顔を見に行ったり……。

そこで天気がまずまずの日は、望遠レンズを抱えて門池公園散歩。

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カワセミが間近で撮れた。
よく見ると、下まつげがある、なんてことにも気付いた。

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じつは上の写真はトリミングしてある。
実サイズは次の通りで、手前にある柵が写っている。
焦点距離は400mmだが、マイクロフォーサーズシステムなので、35ミリ換算では800mm相当である。

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撮ってから気付いた写真。
目がほとんど瞬膜で覆われてる。

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撮ったのは昨日(12月29日)で、ときおり冷たい風が吹き、日が陰るとカワセミも寒そうだった。

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なんてことをやっているうちに、21世紀も四分の一が終わってしまう。
来年は(ということは明日以降は、ということだが)山歩きや焚き火をもっとしたいぞ。

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2025/12/21

カワセミの個体識別

この一年ほど、他に用事があったり雨が降っているとき以外は、夕方散歩に出かける。
出かける先は近所の門池公園である。
公園ではボディバッグから100−400mm超望遠ズームレンズを取り出してカメラに装着し、さらにモノポッド(一脚)に取り付けて、抱えて歩く(2025年4月15日のイラスト参照)。
まぁ、ダンベルを持ってウォーキングする代わりで、体力維持を兼ねているのである。

9月頃からはほぼ毎回、カワセミを見かける。
2025年12月現在、門池公園には、おそらく3羽のカワセミが常駐している。
オスが2羽、メスが1羽と思われる

断定できないのは、個体識別ができないからだ。

オスとメスの区別は容易である。
メスは、下の嘴が赤い。

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オスは、上下ともに嘴が黒い。

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上の二つの写真を見て、メスは緑色っぽくて、オスは青っぽいのでは?と思った方、残念でした。
次の写真では、左がメス、右がオスである。
写真に撮って拡大して嘴の色を確認するまで、この2羽が雌雄であることを確信できなかった。
色では区別できないのである。

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じつはこの写真の2羽は、30分以上、互いの周囲を飛び回ったりしていた。
最初はオス同士の縄張り争いかと思ったのだが、それにしては長いな、と確認したら、オスとメスだったのだ。

カワセミの羽の色が緑色っぽかったり、青っぽかったりするのは、光の当たり方が違うからだ。
カワセミの羽そのものは茶褐色で、羽根の表面の微細構造によって反射・干渉した光が、緑色や青色に見える。
このような発色は「構造色」と呼ばれる(3月の記事「翡翠(カワセミ)について」参照)。

次の2枚の写真は、同一個体を10分ほどの間をおいて撮影したものである。

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光が当たっているか、いないかで、これだけ違ってしまうのでは、色を頼りに個体識別するのは不可能であることがわかる。

次の2枚も同一個体で、数分の間をおいて数メートル移動したところを撮ったもの。

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さて、ではどうやって個体識別しようか……。
頬や喉の白い飾り羽の大きさや位置で、識別することはできないだろうか?

そう考えて、写真を撮り溜めているが、どうもはっきりわからない。
喧嘩っ早い2羽のオスが、近くに並んで止まってくれる機会は滅多にない。

じつは、昨年の10月27日に、2羽のオスが対決する場面に遭遇した。

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このときに撮った写真が、まぁ役に立たないのだ。
なぜか?

カワセミたちが興奮していて、羽を逆立てたり寝かせたり、伸び上がったり縮んだりしていたので、飾り羽の大きさや位置が普段と違って見えるのである。

そしてもう一つの疑問がある。
今年見ている2羽のオスは、昨年と同じ個体なのだろうか?
それを言うなら今年見ている1羽のメスも、昨年見ていた個体なのだろうか?
繁殖期(夏)の見かけない間に入れ替わっているのではないか?

そんなこんなで個体識別に挫折し、
「あぁ、カワセミが居るねぇ、綺麗だねぇ」
「格好いい写真、可愛い写真が撮れるといいなぁ」
くらいの心持ちで双眼鏡を覗き、カメラを構える日々である。

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2025/11/27

沼津アルプスちょっとだけ尾根歩き

昨日(11月26日)、沼津アルプスの最高峰鷲頭山の登山口として何度か車を駐めさせてもらった御前帰(ごぜがえり)を起点に、志下山(しげやま)あたりの尾根を歩いた。

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今年の秋は各地にクマ出没注意情報が出ていて、例年紅葉を楽しみながら歩いている愛鷹山周辺も危なそうである。
静岡県のクマ目撃情報を「静岡県のツキノワグマ」のページで見ると、愛鷹山と富士山の間の十里木にも出没している。

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愛鷹山ではクマの目撃はないし、まぁ出会ってもなんとかなるだろうとは思うのだが、なんとかならなかった場合に申し訳が立たないので、沼津アルプスに行くことにしたのだ。
上の地図で「国道414号」のマークのあたりが沼津アルプスである。

よく晴れて気持ちの良い日だが、部屋と風呂の掃除をしてから家を出たら、山麓の駐車場に着いたときには11時を回っていた。
そんなこともあって、ちょっとだけ稜線を歩くことだけを目的にした。

なぜか今回はよくわからない写真を何枚も撮ってしまった。

御前帰から馬込峠に至る登山道では、音を立てて落ち葉が散っていた。
次の写真にも、何枚か落ち葉が写っている。
面白いので動画も撮ったのだが、上空を飛ぶヘリコプターや東富士演習場の砲撃訓練の音で落ち葉の舞い落ちる音がかき消されてしまったので、没。

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志下山の山頂で、眼の前の駿河湾を眺めながら湯を沸かし、カップラーメンを食べた。
カヤトの山頂と展望を独り占め。
登山者が来たら邪魔かもなぁと思い、ちょっとだけ通路を残しておいたが、誰も来なかった。

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ピンぼけの梢(枝先)の写真、ではなく、沼津〜富士の市街と、その向こうの南アルプスの山並みを撮ったもの。
左端が聖岳、梢の向こうが赤石岳。

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鷲頭山と小鷲頭山。
よーく見ると、小鷲頭山の中腹には大きな岩場があり、ツタか何かが紅葉している。

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志下山から南へ、志下峠に至る尾根道。
展望はないが、気持ちの良い、思わず鼻歌が出てしまいそうな道である。

普通に撮ると逆光で明暗差が大きいため、明るい部分は飛び、暗い部分は潰れてしまう。
そこで、OM-5 の「HDR撮影」機能を使い、露出を変えて撮った4枚の写真を合成して1枚にした。

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志下峠で、そのまま下山するか、小鷲頭山まで登るか、ちょっと考えた。
小鷲頭山まで登れば富士山が見えるはずだが、何しろ険しい道なので、とりあえず富士山が見えるかどうかだけ確認しようと、登ることにした。

中将岩を過ぎてロープにすがりながら登っていくと、木々の間から愛鷹山と富士山が見えた。
しかし、富士山には雲がかかり、宝永山から上が見えない。

それならもう、ここまででいいか、と思って下山することにした。
久々の急な岩場で、けっこう膝がガクガクしたからだ。

下る前に、ウバメガシの林越しに、志下山の山腹の紅葉(と黄葉)を撮った。
背景の紅葉に露出を合わせ、前景のウバメガシは黒く潰してみた。
ステンドグラスみたいだなぁと思って撮ったのだけれど、どうでしょう。

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2025/11/21

カワセミの飛翔

前回、カワセミが水面スレスレを飛ぶときの飛跡を撮りたい、という話を書いた。
その二日後の昨日夕方、散歩の折にその飛跡を撮ることができた。

手前左側の石の上に止まっているときにピントを合わせたので、カワセミはちょっとピンぼけである。
その石から水面近くにダイブし、画面右端から左端へとループを描いて飛んでいった。
カワセミが打ち下ろした翼によって生じた気流が、水面に波紋をつくる。
その波紋が連鎖して、カワセミの飛翔の経路を示す。

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プロキャプチャー機能を使って連写したので、カワセミが飛び、飛跡ができる様子をGIFアニメにした(次の画像をクリックすると、別画面でアニメーション表示する)。

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同日、同じ池の別の場所で、飛び立つ瞬間を撮った。

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翼や尾羽を広げて飛ぶ姿はとても格好良いが、飛び立った直後はちょっとユーモラスである。
丸いお尻が愛らしい。

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最後に、夕日を浴びて立つ、落ち着いた姿を載せておく。

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カワセミが飛翔する姿を捉えるのはなかなか難しく、じっと待っている間に撮ったこういう写真ばかりが溜まっていく。

もちろん、無理に追い回して「良い写真」を撮る気はないし、あくまで散歩が主で写真撮影は従なので、またいずれ面白い写真が撮れるといいなぁ、くらいの感覚でいようと思う。

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2025/11/18

鳥三題

これは昨日夕方、1時間ほどの散歩中のできごとである。

(1)オオバン

カワセミを探して双眼鏡を覗いていたら、バタバタと動く黒いものを見つけた。
近づいてみると、頭が石の間に挟まってしまったオオバンであった。

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仲間と一緒に餌を探しているうちに、石が転がって挟まってしまったのだろうか。

野生動物が窮状に陥っているとき、手を出すのは自然の摂理に反するのでやめたほうが良い、という議論もある。
ドジな個体は死んだほうが種の優秀さを維持できるので良い、ということだろうが、まぁここは儂の気分の問題で助けることにした。

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次の写真は、昨年同時期に撮ったオオバンの姿。
陸に上がっているところをけっこう見かける。

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(2)エナガとシジュウカラ

ヒサカキの樹の下を歩いていたら、頭上からエナガの声がした。
実を食べに集まったらしい数羽のエナガが、鳴き交わしながら枝から枝へと飛び回っていた。

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どういうわけか警戒する様子もなく、ジュリジュリ言いながら目の前で実をつついたり、頭を掻いたり。

そこへシジュウカラが飛んできた。
「なになに〜、ヒサカキの実、おいしいかなぁ〜」という感じで枝に止まったのだが、次の瞬間、儂に気付いて警戒の声を発して飛び去った。

この、エナガとシジュウカラの、儂に対する感覚の違いはなんだろう?

(3)カワセミ

散歩ルートでカワセミを見かけるポイントは、だいたい決まっている。
カワセミの個体ごとに、お気に入りの餌場があるのだろう。

昨日もいつもの場所にいたので、「今日もいたよ」という記録代わりの写真を、標準ズームレンズで撮った。

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いつもなら、超望遠ズームレンズに交換して、カワセミが飛び立つのを待つ。
カワセミが水面スレスレを飛ぶとき、飛跡が見える。
それを撮りたいと思っているのだが、なかなかうまくいかない。
タイミングが合わなかったり(水面だけが写っている)、ピントが合っていなかったり。

この日は強い風のため、池の水面が波立っていたので、カワセミが飛んでも飛跡は見えない。
だから、またの機会を待つことにして、遠くからカワセミの所在を確認しただけで良しとした。

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2025/11/16

秋の色

何やらバタバタしているうちに11月も中旬、秋の色が濃くなってきた。
地球温暖化に伴って夏と冬だけの「二季」になってしまうかと危惧していたが、どうにか夏と冬の間に秋が挟まっている。

とはいうものの、Tシャツで大汗かいていた状態から急にフリースを羽織る状態になったりして、どこかしら異常ではある。
全国の山や里ではクマの出没が相次ぎ、例年楽しみにしていた愛鷹山のブナ帯の紅葉も、今年は諦めた。
一人でカップラーメン食べていてクマを呼び寄せる、なんていう状況に陥ったら目も当てられない。

ということで、晴れの日は近所の公園を散歩。

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ハゼノキも綺麗に色付いた。

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黄葉して葉を落とし始めたケヤキの梢をエナガが鳴き交わしながら飛び回る。

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黒と白が基調のエナガだが、翼の背に近い部分(雨覆い)が薄紅色だ。

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エナガやシジュウカラと一緒に「混群」を成すコゲラ。
コゲラはモノトーンだねぇ。

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池の端に生えているナンキンハゼの茂み越しに、カワセミを捉えた。

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茂み越しだと警戒が薄いようなので、少し寄って撮ってみた。
左右のぼやっと黒っぽいものは、手前の笹や木の枝。
カワセミはふとんかご(石を詰めた金属の籠)の上に止まっている。
現在、ため池の水が抜かれていて、普段は水面下にあるふとんかごが見えているのだ。

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露出した池の底の石の上で、コガモのメスが休んでいた。
メスのカモは地味……という印象があるが、「翼鏡」という金属光沢の羽を持っている。
次の写真では、日が傾いていることもあって、緑色に光っている。
もちろんこれも、カワセミの羽と同様、色素によるものではなく構造色だ

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上のカワセミやコガモの写真は、ズームレンズ(100−400mm)で撮ったものだが、どうも鮮明さに欠ける。
ピントは合っているし、ブレているわけでもないのになぜだろうと思ったら、ノイズが出ている。
このズームレンズは重さ1.3kgで手ぶれ補正機能があって、とても使い勝手は良いのだが、解放F値が5.0−6.3で、ちょっと暗い。
1.4倍のテレコンバーターを付けるとF9になってしまう。
鳥が相手の場合、シャッタースピードを遅くとも500分の1秒にしたいので、ISO感度が3200とか6400とかになってしまい、その結果ノイズが発生するという具合。
もっと光を、もっと明るいレンズを、と思ってしまうが、明るいレンズは高くて重い。
年金受給者には高嶺の花で物理的にも重荷だ。

さて、コガモのほか、キンクロハジロやヒドリガモなど、この池で越冬する水鳥たちが増えてきた。
カンムリカイツブリも3羽見かけた。

ふだんは数羽、カップルごとに別々の場所でしか見かけないカルガモも、数十羽の群れを作っている。
それでも、移動するときはカップルごとと決めているらしく、2羽連れ立って旋回しているところを撮ったら、うまい具合に富士山が背景に入った。

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富士山の手前に、愛鷹連峰の位牌岳から東に伸びる稜線が見えている。
稜線のブナはおおかた葉を落としただろう。
行きたいなぁ。
早く冬眠してくれないかな、クマ。

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2025/10/25

身近な金属錯体

ノーベル化学賞受賞のニュースを聞いて、MOF(金属有機構造体)って何だっけ?と一瞬戸惑った。
ニュース記事などの解説図を見て、あぁ、金属錯体か、と腑に落ちた。
金属錯体なら、勉強したことがあるので馴染みがある。

ノーベル賞を受賞した MOF の研究により、有機物と金属が規則的に配置されたスポンジ状の構造物を設計し開発することができるそうだ。
MOF は CO2 や PFOS のような厄介な物質の貯蔵や、CO2 をメタノールなどに変換する触媒としての機能が期待されている。

MOF は金属錯体の一種だが、構造が規則的で、目的に合わせて設計できる人工的な物質である。
ざっくり「金属錯体」と言うと、生物由来の様々な物質が含まれる。
たとえば……。

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クロロフィル、つまり植物の葉に含まれる「葉緑素」も、金属錯体だ。
ポルフィリン環という有機化合物の輪っかの中に、金属イオン(マグネシウム)がはまっている。

クロロフィルは、光のエネルギーを利用して、水を酸素と水素に分解するという、光合成の最初の段階で重要な役割を果たしている。
触媒の働きをする金属錯体と言えるだろう。

クロロフィルがなければ、儂らが吸う酸素も、食物にする有機物(糖類や脂質やタンパク質)もできない。
非常に重要な金属錯体なのだ。

もっと身近な金属錯体もあり、誰もが毎日使っている。
というか、使わないと死んでしまう。

その金属錯体は「ヘム」というもので、血中色素のヘモグロビンの中核をなす。
クロロフィルと似た有機化合物の輪っかの中に、マグネシウムではなく鉄を含んでいる。
血の色、血の匂いは、ヘモグロビン中の鉄イオンに由来するのだ。

ヘムは、酸素を取り込み、運搬する金属錯体である。
ヘムに酸素が結合すると、ヘモグロビン分子は鮮やかな赤色、動脈血の色になる。
ヘムから酸素が離れると、ヘモグロビン分子は暗い赤色、静脈血の色になる。

なんだかこのところ急に寒くなり、一昨日の木曜日(10月22日)には富士山の初冠雪を観測した。
昨年より15日早いが、平年よりも21日遅いそうである。
もっとも、ウチから見たところ、六合目付近まで白くなっていたので、例年の初冠雪とは様子が異なる。
例年は、山頂付近がちょこっとだけ白くなり、すぐに雪が溶けてしまうことが多い。

富士山の手前に見える愛鷹山も、稜線のあたりには紅葉の気配がある。
もう少し待てば、ヒメシャラやドウダンツツジやイロハモミジやハゼノキが真っ赤になるだろう。

紅葉の赤色は、ヘムの赤色とはまったく関係がない。
紅葉の赤色は、アントシアン(アントシアニン)という赤紫色の色素によるもので、これは金属錯体ではなく、糖類が変化してできたものだ。
秋になると緑の葉のクロロフィルが分解され、もともと葉に含まれていた黄色や橙色の色素(キサントフィルとかカロチノイドとか)と、アントシアンにより赤くなる。

木々の葉に含まれる金属錯体が分解されるのを待って、山へ行こう(面倒くさい言い方だなぁ)。

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