戦場における老人の活用方法について
"Older men declare war. But it is youth that must fight and die." Herbert Clark Hoover
「年寄りの男たちが戦争を宣言する。しかし戦って死ぬのは若者である。」
アメリカ合衆国第31代大統領フーヴァーの言う通り、ジジイが始めた戦争で、若者が死ぬ。
戦場で若者が死ぬだけでなく、女性や子供も被害者になる。
好戦的なメンタル5歳男子はどうにかならんもんか。
なんてことを幾度となく考えていて、過去には「老人・子供を戦場へ」(2008年)とか「『軍と性』問題の究極的解決法」(2013年)とかいった記事を書いている。
老人にパワードスーツを着用させたり、サイボーグ化したりして戦場に投入すれば、有益な若者という資源の浪費を防げるのでは、という提案である。
しかし、2024年の現在、儂自身が高齢者になってみると、10年前以上の提案には無理があるなぁ、と思えてきた。
目がよく見えないし、体のキレは悪い。
反応は鈍いし、すぐ疲れて眠くなる。
これでは、パワードスーツを装着したところで戦士としては役に立つまい。
脳だけ取り出してサイボーグ化したとしても、反応が鈍かったり忘れっぽくなったりした脳では、役立たずである。
だいたい、パワードスーツにしてもサイボーグにしても、コストパフォーマンスが悪すぎる。
ということで、昨今のAIの進化を反映して、新たな提案を行う。
この方法なら、余っている老人を戦場で有効活用できるだろう。
自律AIの研究は進んでいて、AIを搭載した自律型致死兵器システム(LAWS: Lethal Autonomous Weapons Systems)による戦争遂行も検討されているが、AIに殺人を行わせてよいのか、という倫理的な問題がある。
AIが間違って民間人を殺害してしまった場合の責任問題もある。
ということで、LAWSに老人を乗せるのだ。
そして、有人の兵器や施設を攻撃する際には、搭載した老人に、AIが問うのである。
「敵の無人戦闘車両はすべて撃破しました。続いて有人車両を攻撃してもよいですか?[キャンセル][OK]」
もちろん、老人が間違えて、というかボケたり苛ついたりして病院の破壊を承認してしまうこともあるかもしれない。
そういう場合には、承認した老人に責任を取ってもらえば良い。
どうせ先は長くないしね。
LAWSの部分は頑丈に作っておいて、老人搭載部分はスカスカにしておけば、兵器のコストパフォーマンスも相当に良いものとなるだろう。
まずは戦争大好き、お国大事、権威主義の御老体から戦場に行ってもらおう。
国会とか公共団体とか企業の役員会とかに置いておくより、よほど役に立つと思うよ。