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2024/06/24

戦場における老人の活用方法について

"Older men declare war. But it is youth that must fight and die." Herbert Clark Hoover

「年寄りの男たちが戦争を宣言する。しかし戦って死ぬのは若者である。」

アメリカ合衆国第31代大統領フーヴァーの言う通り、ジジイが始めた戦争で、若者が死ぬ。
戦場で若者が死ぬだけでなく、女性や子供も被害者になる。

好戦的なメンタル5歳男子はどうにかならんもんか。

なんてことを幾度となく考えていて、過去には「老人・子供を戦場へ」(2008年)とか「『軍と性』問題の究極的解決法」(2013年)とかいった記事を書いている。
老人にパワードスーツを着用させたり、サイボーグ化したりして戦場に投入すれば、有益な若者という資源の浪費を防げるのでは、という提案である。

しかし、2024年の現在、儂自身が高齢者になってみると、10年前以上の提案には無理があるなぁ、と思えてきた。

目がよく見えないし、体のキレは悪い。
反応は鈍いし、すぐ疲れて眠くなる。

これでは、パワードスーツを装着したところで戦士としては役に立つまい。

脳だけ取り出してサイボーグ化したとしても、反応が鈍かったり忘れっぽくなったりした脳では、役立たずである。

だいたい、パワードスーツにしてもサイボーグにしても、コストパフォーマンスが悪すぎる。

ということで、昨今のAIの進化を反映して、新たな提案を行う。
この方法なら、余っている老人を戦場で有効活用できるだろう。

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自律AIの研究は進んでいて、AIを搭載した自律型致死兵器システム(LAWS: Lethal Autonomous Weapons Systems)による戦争遂行も検討されているが、AIに殺人を行わせてよいのか、という倫理的な問題がある。

AIが間違って民間人を殺害してしまった場合の責任問題もある。

ということで、LAWSに老人を乗せるのだ。

そして、有人の兵器や施設を攻撃する際には、搭載した老人に、AIが問うのである。

「敵の無人戦闘車両はすべて撃破しました。続いて有人車両を攻撃してもよいですか?[キャンセル][OK]」

もちろん、老人が間違えて、というかボケたり苛ついたりして病院の破壊を承認してしまうこともあるかもしれない。

そういう場合には、承認した老人に責任を取ってもらえば良い。
どうせ先は長くないしね。

LAWSの部分は頑丈に作っておいて、老人搭載部分はスカスカにしておけば、兵器のコストパフォーマンスも相当に良いものとなるだろう。

まずは戦争大好き、お国大事、権威主義の御老体から戦場に行ってもらおう。
国会とか公共団体とか企業の役員会とかに置いておくより、よほど役に立つと思うよ。

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2024/06/23

カッコウの巣はない

先日、愛鷹山でカッコウ類4種全部の声を聞いた

それぞれの声は何度も聞いたことがあるのだが、姿を見ることは稀だ。
というか、姿を見ても区別できる自信がない。

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カッコウ(郭公)は「カッコー、カッコー」と鳴く。
オオヨシキリ、コヨシキリ、モズ、ホオジロなどに托卵する。

ホトトギス(時鳥、不如帰、杜鵑、子規 etc.)は「テッペンカケタカ」「特許許可局」などと鳴く。
ウグイス、ミソサザイなどに托卵する。

ツツドリ(筒鳥)は「ポンポン」あるいは「ポッポッ」といった木の筒を叩いているかのような鳴き声を立てる。
センダイムシクイ、メジロなどに托卵する。

ジュウイチ(十一)は「ジュイチー、ジュイチー」と鳴く。だんだん早くなったりする。
コルリ、オオルリなどに托卵する。

ジュウイチだけは他のカッコウ類と違って腹が赤いので、見れば区別できそうに思うが、むしろ小型の猛禽と見間違えるかもしれない。

カッコウ類のどうにも不思議な習性は、他の小鳥の巣に卵を産んで雛を育ててもらう「托卵」だ。
自分で子供を育てないので、カッコウ類は巣を作らない。

『カッコーの巣の上で』という映画があるが、これは鳥の話ではなく、人間の話。
題名はマザーグースの詩の一節から採ったものだ。

托卵に話を戻す。

カッコウ類は、いったいどんな偶然から、他の鳥の巣に卵を産み、育児を代行してもらうなんていうことをするようになったのだろう。
進化というやつは、こういう「なんでそうなった?」と思わせる習性や生態や形態をもたらすから面白い。

もちろん、進化を否定して神とかそういったものが生物を設計し製造したという考え方もあるだろうが、そうすると、托卵する鳥を創造するなんて、なんて底意地の悪い臍曲がりの神なんだろうか。

カッコウ類はハトや小型の猛禽ほどの大きさがあるのに、托卵される小鳥のほうは、ウグイスやメジロである。
巣いっぱいに羽を膨らませたカッコウの幼鳥の上に乗って、餌を与えているウグイスの写真などを見ると、なんとも複雑な気分になる。

ウグイスは自分の巣の中で大きな口を開けるものは、どんなに大きくても自分の子供であると認知する。
これも進化の結果であり、ウグイスには自分の子供を大きさや匂いで判別するような機能は備わっていないのだ。
たぶん、そういう機能を実装するとコスト(脳容積や栄養資源やエネルギー)が余分にかかるので、カットされているのだろう。

進化には善悪も優劣もない。
ただ、日々変化し、新しい生態(個体間・種間の関係や行動や形態)が生まれたり、消えたりする。

カッコウやツツドリの声が響く山の道を歩くとき、そこいらの木の葉の上や沢の水の中で、人知れず進化の一歩が進んでいるのかもしれない、などと思うのである。

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2024/06/15

つるべ落としの滝往復

昨日(6月14日)、梅雨入り前の最後の晴れ間かも、と思って愛鷹山に登った。

黒岳・越前岳方面へ、富士山を眺めに行こうかとも思ったが、朝、掃除をしているうちに、富士山と愛鷹山の間に雲が湧いてきたようだった。
そこで、つるべ落としの滝あたりで昼食を摂ることに目的を変更した。

10時ごろ水神社の駐車場に車を駐め、通い慣れた山道を辿った。
しかしまぁ、昨年あたりから道が荒れている。
降れば大雨なので、崖が崩れたり、植林木が倒れたりしているのだ。

そして、沢に水がない。
水神社から「龍のウロコ」と呼ばれる侵食された節理のあたりまでは流れていたが、「千畳岩」や池の平分岐の小滝などは、カラカラだった。
愛鷹山は火山なので、雨量が少ないとき、沢は伏流水になってしまうのだ。

つるべ落としの滝もてんで迫力なし。
滝壺も干上がりかけていて、別名の「幻の滝」になりかけの状態だった。

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動画のほうがわかりやすいかも。
近くでミソサザイが鳴いている。

5月10日に登ったときには、滝の音がうるさいので、ここで昼食を摂るのを諦めたくらいだったのに。

今回は滝のすぐ近くの大きな岩の上で湯を沸かし、カップラーメンを食べた。

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40年近く使ってきたキャンピングガスのポケットコンロは引退となったので、今回が SOTO ST-350 の山デビュー。
思ったより湯が早く沸いたので、ドリップコーヒーも淹れて飲んだ。

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滝の音を聞きながら、木漏れ日の下、湯を沸かし、カップラーメンを食い、シェラカップでコーヒーを飲む。
眼の前の枝にオオルリの夫婦がやってきたり、ミスジチョウが近くを舞っていたり。

こういうことをやりたくて、ヒーヒー言いながら登ってきたわけである。

やめられないね。これは。
またひと月も経たないうちにソワソワするのだろうが、それまでに梅雨は明けているだろうか?

今回も熊鈴を鳴らしながら歩いたのだが、ニホンジカに遭遇した(なんか視線を感じたのでそっちを見ると、目が合った)。
カッコウとホトトギス、それにツツドリとジュウイチも鳴いていて、カッコウの仲間すべて一同に会しているかのようだった。
通い慣れている山でも、毎回おもしろいもの(こと)を見つける。
これもやめられない理由のひとつだ。

最後にクイズ。
次の写真は、何を撮ったものでしょう?

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答えは、沢の水面に写った樹冠。
よく見ると、水底の石がわかる。

次の動画では、沢の岸辺を見ている状態からカメラを下へ振っていって、足元(橋の下)の沢に映る樹冠が見えるようになるまでを示しているので、状況がわかるかな?

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2024/06/13

梅雨入り前の晴れ間の活動など

昨日(6月12日)、よく晴れた昼食後、洗濯物を取り込んでからカミさんと西伊豆スカイラインに出かけた。

カミさんはめまいなどの不安のため急な山道を歩けない。
そこで、開けた穏やかな稜線歩きのルートを求めて、下見したかったのである。

昨年10月に達磨山高原レストハウスから金冠山付近を歩いたが、割と起伏がある割に展望がなかった。
今回は、戸田峠から小達磨山や達磨山付近の稜線と、その起点・終点とする駐車場を探った。

修善寺から達磨山高原を経て戸田峠へ。
峠の駐車場に車を駐めて、小達磨山へと続く稜線に上がると駿河湾が見えた。
手前には戸田港、向かいには三保の松原が望めた。

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小達磨山付近の稜線の道は穏やかな笹原の中のアップダウンで、快適に歩けそうだった。
ただし、夏は暑そうだし、草の露で濡れそうである。
秋から冬、冬から春にかけてが適当かもしれない。

駐車場も複数あったが、達磨山の南側で登山道と接しているあたりがよさそうだ。

帰路は戸田峠から北へ、沼津市民の森キャンプ場の横を通って西浦へと下ったが、なかなか暗くて淋しい林道だった。

今日(6月13日)、午前中は曇りだったので庭の手入れ。
昼過ぎには少し雨が降ったりしたが、昼寝しているうちに晴れてきた。

ということで散歩。

ムクドリが騒いでいるのでなんだろうと思ったら、チョウゲンボウが飛んできて、電線にとまった。

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しばらくするとカラスまでやってきて騒ぎ出したので、チョウゲンボウは飛び立ち、カラスに追われるようにして工業団地の向こうへ消えた。

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門池公園のネムノキが花盛りだった。
例年、この時期には梅雨入りしているため、ネムノキの花を青空を背景に撮る機会は珍しいように思う。

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ネムノキはマメ科の木本だが、花はまったくマメ科っぽくない。
マメ科の花は、木本であってもフジのように、おおむね蝶状花なのだが。

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もっとも、花のあと、果実になるとまるきり「豆」なので、妙に納得してしまうのだが。
と書いたものの、ネムノキの果実の写真はありません。すみません。

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2024/06/11

初夏の赤とんぼ

庭のブラックベリーが実り始めた。
赤や紫の状態では酸っぱくて美味しくない。
真っ黒に熟すと甘いのだが、ほろりと落ちてしまうし、鳥や虫に食われてしまい、なかなか人の口に入らない。
ジャムにするなんて、とてもできそうもない。

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ブラックベリーは隣家との境のフェンス際に地上茎(ランナー)を這わせていて、刈った芝や剪定した小枝を覆い、庭の美観の維持に貢献している。
ただし、ランナーの節から根を出して簡単にクローンを作るので、ぼーっとしているとどんどん増殖して庭木の根元や芝生に進出してくる。
容赦なく刈り込む、クローンを掘り返すなど、管理する必要がある。

写真の館林の狸の焼き物も、うっかりするとブラックベリーに埋もれてしまうので、適宜ランナーを刈り込んで、この状態にしている。

さて、夕方散歩していると、真っ赤なトンボを見かけた。
この時期、秋によく見る赤とんぼはまだ赤くなっていない。
いわゆる赤とんぼ、つまりナツアカネやアキアカネが真っ赤になるのは、夏を越して秋口になってからである。

ということで、羽や腹部の様子から、ショウジョウトンボのオスだろう。

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ちなみに、ショウジョウトンボ(猩々蜻蛉)はトンボ科ショウジョウトンボ属に分類されるので、赤とんぼではない。
というか、前にも書いたが「アカトンボ」という名前のトンボはいないのである。

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2024/06/06

さらばキャンピングガス

6月に入ったが、まだ梅雨入りしていない。
といっても、一日中晴天というわけでもなく、山には雲がかかっていたりするので山歩きに行く気にもならない。

……ということで、昼前に庭の手入れをする。
だがその前に、庭でコーヒーを飲む。

カツラの木陰にキャンピングチェアを置き、登山用のガスストーブ(コンロ、バーナー)で湯を沸かす。
コーヒーは、パックに入ったものをドリップする。

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そんなことを二日続けて、昨日、手持ちのカートリッジのガスをすべて使い切った。

このガスストーブは、フランスのキャンピングガス(CampingGaz)社の軽量タイプの「ポケットコンロ」で、1986年か1987年に買ったものだ。
37年または38年前の代物である。

もちろん、昨日使い切ったガスカートリッジはその後買い足したものだが、それでも20年以上前のものである。
カートリッジの寿命は10年くらいで、スチールの本体が錆びたり、パッキングのゴムが劣化したりしてガスが漏れる危険があるそうだ。
ガスを使い切ることも、わざわざ庭で湯を沸かした理由の一つだ(最大の理由はもちろん、気分の問題である)。

ポケットコンロを買った当時、登山用のガスストーブはキャンピングガスかイギリスの EPIgas の二択だった。
キャンピングガスのほうが小型軽量だったので、こちらを選択した。

山に登り始めた大学生のとき、最初に買ったストーブは、スウェーデン製のオプティマス00だった。
ケロシン(石油)ストーブなので組み立てとプレヒートに時間がかかる上に重かったので、就職してからガソリンストーブに買い替えた。

MSR(アメリカ製)のガソリンストーブは燃料ボトルをそのまま使えるが、やはり組み立てに時間がかかるし、プレヒートが必要である。
そこで、簡便なストーブが欲しくなって買ったのがポケットコンロだった。

カミさん用にも1台買って2台体制にして、山歩きやクロスカントリースキーの際にお茶を沸かしたり、食事を作ったりした。
冬には寒冷地用のガスカートリッジを使い、丸い風防を付けた。

ランタンも買った(キャンピングガスと EPI はカートリッジに互換性がないので、キャンピングガス製品を買うしかなかった)。
ちなみに、ガラス系の火屋(ほや)を割ってしまったので、ほぼ同じサイズのプリムス社(スウェーデン)の火屋を買ってはめてある。

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……ということでキャンピングガス製品を長年愛用していたが、いつの間にかガスカートリッジの規格が変わっていて、ポケットコンロやランタンに使えなくなってしまった。

そもそもガスカートリッジの国内での取り扱いがなくなってしまった(在庫限り)。
キャンピングガス製品はいつからかコールマンが取り扱っていたが、終了した。
コールマン「キャンピングガス取り扱い終了のお知らせ

……ということで、手持ちのガスカートリッジのガスを使い切った昨日の時点で、キャンピングガスとはさよならすることとなった。

後継として、SOTO の ST-350 を購入した。
初めての国産(日本製)である。

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まだ試運転中で、山歩きにはデビューしていない。

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