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2024/04/01

植物由来成分の逆襲

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近所の公園でもようやくソメイヨシノが咲き始めた。
植物の発芽や開花が相次ぐ季節となった。

さて、エイプリルフールネタとして、次のようなものを考えた。

最新サプリメント情報!

ダイエットに最適なソラニン!
肌を劇的に変化させるウルシオール!
ときめきのアルカロイド!
植物由来成分だから安心です‼

小林製薬のサプリメントで死亡者が出ているので不謹慎だとは思ったが、以前からサプリメントとか機能性表示食品とか「植物だから安全です」とかいった「体に良さそう」みたいなモノが好きではないのである。

小林製薬の紅麹サプリメントからは、本来は含まれないはずのプベルル酸が検出されたという。
プベルル酸はアオカビ類が生産する有機化合物で、ペニシリンのような抗生物質の類と考えればよかろう(初めて聞いた物質名なので、後ほど詳しく調べようと思う)。

もちろん、プベルル酸が腎障害から死に至る被害の原因物質かどうかは、まだわかっていない。
……なんていうことを報道しているニュースショーのCMが、機能性表示食品だったりするから、そっちのほうが不謹慎な気がする。

なお、プベルル酸にしろペニシリンにしろ、植物由来成分ではない
コウジカビもアオカビも、菌類だから植物ではないからだ。

昭和の古い教育では、生物は動物と植物の二つの界(キングダム)に分けていたが、現在では五つかそれ以上の界に分ける(細胞の構造などの着目点によって、界の数は異なる)。
割とわかりやすいホイッタカー/マーギュリスの5界説によれば、モネラ(細菌など)、原生生物(アメーバなど)、菌類(カビ・キノコ)、動物、植物、という分類になる。

無機物から有機物を合成する能力をもつ植物に対し、植物の生産した有機物を利用して生きてるという点において、菌類と動物は近い関係と言えるだろう。
昭和の教育を受けた人は、カビやキノコは植物ではない、ということを再確認しておくと、余生が豊かになるかもよ。

植物が生産する有毒成分には、菌類や動物に「食われる」ことを防ぐ機能がある。
菌類が生産する有毒成分(抗生物質)には、他の菌類や細菌類や動物に「食われる」ことを防ぐ機能がある。

植物由来、または菌類由来の成分には、このような有毒な物質が含まれているわけだから、「植物由来成分だから安全です」とか「自然由来成分で安心」とか言う宣伝文句はである。

こういう嘘は「エイプリルフール!」と言って済ませられるものではないよね。

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