「ほとけのざ」だらけの早春
2月29日、たまたま閏日の今日、玄関ドアの交換工事。
冬は結露、夏は(開けられないので)風通しが悪いことに悩まされてきたドアを、断熱・通風対応のドアに交換中。
効果の程は、この冬と夏を越えてみないとわからないが。
ドアクローザーの動作が変になってバタンと勢いよく閉まったり、油が漏れたり、鍵が閉めにくくなったり等々、あれこれあった不具合も解消されることになる。
さて一昨日、快晴で雪を冠った富士山と愛鷹山がよく見えたが、用事がいろいろあって山歩きはできず。
庭ではホトケノザが咲き始めた。
葉にも花にも蕾にも、短い毛がぽやぽやと生えていて可愛らしい。
茎が長く伸びると邪魔くさいし、うどんこ病で枯れることもあるので、鑑賞に耐えるのは早春のうちだけである。
茎の上部では、向かい合って付いた葉が重なっていて、仏の座、つまり蓮華座に見えることからホトケノザという。
しかし、このシソ科オドリコソウ属のホトケノザは、春の七草の「ほとけのざ」ではない。
ホトケノザは茎の筋が固くて、食えたものではない(儂は食ったことがあるのだ)。
春の七草の「ほとけのざ」は、キク科ヤブタビラコ属のコオニタビラコ(子鬼田平子)である。
コオニタビラコを「ほとけのざ」と呼ぶのは、地べたに広がった葉を蓮華座に見立てたことによる。
じつは、この写真は「タビラコ」ではあるが、コオニタビラコではない。
果実ができてから確認しないと確定できないが、おそらくキク科オニタビラコ属のオニタビラコ(鬼田平子)である。
コオニタビラコは無毛で果実にとげがあるが、オニタビラコは茎や葉に毛が生えていて、果実には冠毛がある。
地べたに葉を広げて冬を越す「ロゼット葉」を持ち、そこから茎を伸ばして花を咲かせるという生活形態は、どちらの「タビラコ」にも共通している。
だったらどっちも「ほとけのざ」だよなぁと思ったが、それを言うと、ユウゲショウ(上の写真のオニタビラコの左右のロゼット)もタンポポもハルジオンもノゲシもキュウリグサも、みんな「ほとけのざ」になってしまうから、早春の庭は「ほとけのざ」だらけなのである。