イルメナイト争奪戦勃発?
中国の無人探査機が月に着陸した。
国威発揚だとか軍事目的とか資源確保とか、いろいろな目的が取りざたされているが、なんだかSFで描かれた世界が現実化しているようだ。
世界初の恒常的月面基地を建設したのは中国だった、という話は、小川一水が『第六大陸』で書いている。
月面から見れば地球上のすべての場所が「眼下の低地」であることを利用して、リニア加速器から発射した岩の塊で「爆撃」する話は、ハインラインが『月は無慈悲な夜の女王』で書いている。
そして、幸村誠の『プラネテス』では、核融合発電が人類の主要なエネルギー源となった時代を描いているが、その原料は月面のチタン鉱物イルメナイトに吸着されているヘリウム3である。
願わくは、地球上のゴタゴタを月に持ち込むことなく、資源にせよ「高地」という立地にせよ、平和裏に利用して欲しいものである。
宇宙技術は軍事技術に転用できる。
だからこそ、冷戦下のアメリカとソビエトがロケット開発にしのぎを削り、その結果アメリカは1969年に人類初の月面着陸に成功したわけだ。
「はやぶさ」や「かぐや」のことを考えると、日本の宇宙技術もいい線行っていると思うのだが、そうした技術が「軍事機密」とならないことも、切に望む。
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