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2011/07/31

「本当は」誰のための原発なのか?

今朝の朝日新聞の記事、「原発への攻撃、極秘に被害予測 1984年に外務省」を読んで、やっぱりと思うとともにガックリというか、なんだか真面目に納税するのがイヤになるような、そんな気分になった。

外務省が1984年、日本国内の原発が攻撃を受けた場合の被害予測を極秘に研究していたことがわかった。原子炉や格納容器が破壊された場合に加え、東京電力福島第一原発の事故と同じ全電源喪失も想定。大量の放射性物質が流出して最大1万8千人が急性死亡するという報告書を作成したが、反原発運動の拡大を恐れて公表しなかった。

5月に「想定外? 想定内?」という記事に、「まさか、面倒くさいから考えない、お金がかかることが「想定」されるから考えない、という思考停止に陥っていたのではあるまいね」と書いたが、原子力の管理担当とは別の役所が、テロを想定していたわけだ。
しかし、「「反原発運動への影響を勘案」するとして部外秘扱い」にしちゃったのだから、いったいどこを向いて仕事をしているのか、ワケがわからない。
誰の払った税金で飯食ってるんだ!

原発はなぜ胡散臭いか」と考えたとき、電力会社や役人や政治家が寄ってたかって、無理やりに推進しようとしている(してきた・今なおしようとしている)ことが不思議だ。
事故時のリスクが段違いに大きく、廃棄物の処理方法も決まっておらず、廃炉までを勘案すればコストの高い発電方法を、なぜ推進したがるのか?

「核兵器が欲しいから」ではないのか?という「イヤな思い付き」については、すでに書いた。
だが、本当に核兵器を欲しいと思っている「人」が居るのか?
居るとすれば、それは「誰」なのか?
その「糞野郎」(汚い言葉を使って失礼)の「権力」を剥奪することができれば、誰も原発が欲しいと思わなくなるだろうか?

まぁ、そういうハリウッド映画的な解決は、実社会ではあり得そうもない。

そもそも、本当に特定の「誰か」、邪悪な権力者が居るのだろうか?

九州電力の「やらせメール」問題で、役員からの明確な指示がなかったが「そう望んでいるだろう」と思って関連会社に協力要請をした、という話があった。

いちばん怖いのは、邪悪な権力者よりもこういう「気遣い」かも知れない。

本当は望んでいないのに、「立場上、賛成しとかないとマズイかもなぁ」と考えてしまうような「気遣い」が、邪悪な権力者に匹敵する、悪い結果を招くのではないか。

原発推進の立場に立っている人も、ちょっと立ち止まって考えて欲しい。
本当に本心から、原発がなければやっていけない、原発は(対策をとれば)安全だ、とそう思っているのか?
仕事上まずいんじゃないか、などと上司や親会社、元請けに「気遣って」そういう立場に立っているのだとしたら、それは変だ

ことは、数万年にわたる子孫の健康と環境にかかわる問題である。
ここは、タテマエではなく、本音はどうなのか、よくよく考えてから、発言するなり投票するなりして欲しい。

……と、そんな風に思うのだが、ブログに書く以上の元気は、いまのワシにはないのである。

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