サクラの花びら舞い散る道で
サクラが散り始めた。
サクラがあれだけたくさんの花を咲かせることは、サクラにとってどんな利点があるのだろう。
花を咲かせることは、それだけコストを要するので、コストに見合った利益がないと、継続することはできないはずだ。
生物の生存の論理、つまりエコロジーの論理は、経済学の論理、つまりエコノミーの論理なのである。
たくさんの花を咲かせることで、そのうちの何割かが昆虫によって受粉して果実を付け、鳥類や哺乳類の腸管を経由して種子が遠く運ばれる。
そして新しい土地で芽吹いて花を咲かせることができれば、「たくさんの花を咲かせる」遺伝子が生き残る。
ふーむ。
サクラは動物がいなくなったら、絶滅するね。
それはさておき、サクラの花びらが散るころ、新入学など新しい生活がスタートする。
ワシ自身は変わりばえのない会社通いの日々だが、真新しいランドセルを背負った1年生が歩道を走っているのを見かけたりすると、何となく微笑んでしまう。
車道を走られると青ざめるのだが。
小学1年生も、サクラが6回咲くと卒業し、さらに8回咲くと成人してしまう。
そう考えると人生なんてあっという間に過ぎていくものであって、めぐる季節に哀しみさえ感じる。
自分はあと、何回サクラを見ることができるのか……。
人生は、短い。
そんなことを考え始めると、これは是非とも有給休暇を消化して、山へ行ったり外で飯を食ったりしなければ、という想いが強くなる。
ところが、そういう想いを抱いて会社に着き、ポメラを開いてスケジュールを確認すると、休もうと思ったあたりに会社の会議や町内会の用事が入っていたりするのだった。
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