小泉首相に爪の垢を
10年ほど前、PC用ソフトウェアの開発を担当していたことがあって、ユーザーサポートも仕事のうちだった。
サポートセンター(いわゆる「サポセン」)を設けるほど大規模に販売していたわけでもないので、開発者が片手間に、ソフトのインストール手順なんぞをお客さんに伝えるわけだ。
もちろん、苦労はいろいろあった。
「どうやってもハード(訳注:ハードディスクのことらしい)が見えなくて、インストロール(訳注:インストールのことらしい)できないのです」
などと訴えるお客さんに、MS-DOSコマンドや、ディレクトリの概念を伝えなくてはならないのだ。
まぁ、当時は Windows のような GUI(Graphical User Interface)がなかったので、その分、やりやすかったりした。
ユーザー側の画面がどのような表示になっているかが想像できるし、ユーザーに要求する操作も、「Yキーを押してください」とか「SETUP と打ってリターンキーを押してください」というように明瞭に指示できたからだ。
未だに会社でも自宅でも(仕事ではなく)ユーザーサポートをやらさせるが、ユーザー側の画面がどうなっているのかまったく想像できなくて困る。
何種類のアプリケーションが起動していて、何が悪さをしているかすら、わからないのだ。
……というわけで、現在、コンピュータやソフトウェアのメーカー、プロバイダなどでサポセン業務をしている皆さんには頭が下がる。
日々、さぞかしご苦労のことでしょう(まぁ、抱腹絶倒のエピソードにも事欠かないと思いますが)。
さて先日、国会中継を見ていて、呆れ返ってしまった(ちなみに、日本国憲法第41条によれば、「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である」)。
もちろん、小泉首相の言い草に、である(「答弁」とは言い難い)。
「これだけ判りやすく説明しているのだから、わからないほうがおかしい」だと?
サポセンの人間がコレ言っちゃったらクビだよ、クビッ!
まったく、日本中のサポセンの人たちの爪の垢を集めて煎じて10年くらい毎日飲ませたほうがよいのではないだろうか?
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