2022/07/22

文明崩壊・人類絶滅のシナリオ

スティーブン・ウェッブ著『広い宇宙に地球人しか見当たらない75の理由』を再読した。
定期的な通院の待ち時間には Kindle を持って行って読んでいる。
Kindle にダウンロードした書籍の中で、2年前に読んだ本書の内容をあまり覚えていなかったので、もう一度読むことにしたのだ。
「もし宇宙人が存在するなら、いったいどこにいるのか」というフェルミのパラドックスへの回答は、もちろん、判断材料が少なすぎて確定できない。

さて、フェルミのパラドックスへの回答の中には、「文明の存続期間は短い」というものがある。
いくら宇宙に生命と知性があふれるほど存在していても、宇宙へ出ていくような文明を数百年、数千年しか維持できなとすれば、他の文明と接触することはないだろう。

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昨今の国内や世界の情勢を見ていると、文明の崩壊、人類の絶滅の日近いかもなぁ、などと考えてしまう。
SFなどでよく見る(よく読む?)人類絶滅のシナリオに書かれているような出来事が、現実世界でもお起こりそうだからだ。
それも、小惑星の衝突のような、そう滅多に起こりそうもない、稀な出来事が原因ではなくて。

カルト
反知性主義的なカルト教団が各国政府を乗っ取り、科学を「黒魔術」と断じて文明を崩壊させる。宇宙へ出ていくことなど論外(というSFを読んだ記憶がある)。

核戦争
核兵器が使用されて「核の冬」となり、文明は崩壊、悪くすれば人類を含む多くの生物種が絶滅する。
大国間の全面核戦争でなくも、限定的な核兵器の利用でも核の冬になりうることを、カール・セーガンが指摘していた気がする。

温暖化
温室効果による地球温暖化が進み、異常気象と海水面上昇により食糧危機となる。
文明は崩壊、悪くすれば人類を含む多くの生物種が絶滅する。

氷河期の到来
温室効果による地球温暖化の影響で深海の海流が変化し、氷河期が到来する。
映画『デイ・アフター・トゥモロー』がそんな話だったね。

太陽フレア
太陽フレアにより、通信インフラなどが途絶し、脆弱な科学技術文明が崩壊。
原発のメルトダウンや核廃棄物の飛散が起これば、生活基盤が破壊されるだけでなく、人類を含む多くの生物種が絶滅する。

地殻変動
地殻活動の活発化により火山噴火・地震・津波の影響で文明のライフラインが分断・崩壊。
とくに原発のメルトダウンや核廃棄物の飛散が起これば、生活基盤が破壊されるが、これは地域が限られるだろうか。

パンデミック
パンデミックを甘く見て、終息前に感染予防策を解除したために感染者が急増。
感染時あるいは後遺症による男性不妊が増加し、人口は激減。文明が維持できなくなる。

小惑星の衝突のような天変地異ではなく、現在の生活と地続きのところから文明崩壊・人類絶滅に至るシナリオは、まだまだあるだろう。
星から星へ旅するような高度な文明まで発展することは、この広大な宇宙でもなかなか難しいことなのかもしれない。

そうすると、異星人の侵略だけは心配しなくてもよいかな。

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2022/07/15

カメムシを進化させちゃってるかもしれない

今年も緑のカーテンとして、勝手に生えてくるリュウキュウアサガオを利用していて、先週から花が咲き始めた。

リュウキュウアサガオは病気にもならず、伸びすぎたつるを切るぐらいで手間がかからないのだが、カメムシが付くことだけが厄介だ。

ホオズキカメムシというナス科やヒルガオ科の植物に付く厄介な害虫で、このたぐいの昆虫は駆除するのが難しい。

ワシは8年前に「効果的カメムシ駆除法」を編み出して、今年もこの方法で駆逐している。

毎朝、食後に駆除しているうちに、気づいたことがある。

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初日は10匹近くシャボン玉液をくっつけて退席願ったが、二日目はあっさりシャボン玉液にまみれたのは2匹だけで、のこり6匹はパラパラと落下して逃れた。

三日目は何匹いたのかわからないが、全部落下して逃げた。

ひょっとして、危険を感じたら直ちに逃れるような性格?の個体だけが生き残るように、選択圧をかけてしまったかもしれない。

これで逃れたカメムシが繁殖して、進化しちゃうと困る。

そこで落下してきたカメムシを水を入れた容器で受け止めて確実に仕留めるようにした。

約一週間でリュウキュウアサガオにつくカメムシは激減した(1日に1〜2匹)。

しかしまぁ、なぜゼロにならないのか? 毎日どこかから飛んでくるのだろうか、と考えて、ハタと気づいた。

庭の隅でサツマイモを栽培しているのだが、サツマイモもヒルガオ科だ。

慌ててサツマイモの葉をかき分けて見ると、……つるの上に十数匹のカメムシがいた。

これで朝のルーチンワークが増えてしまうことは決定だが、サツマイモの辺りはヤブカが多いのである。

まったく、虫どもときたら。

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2022/06/11

異星人による地球侵略の可能性

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散歩のたびに泣きそうになってしまう毎日であるが、それはさておき(写真は2020年10月の香貫山にて。以下の文章とは、まったく関係がない)。

アメリカ国防総省がUFO(未確認飛行物体)を調査しているという(https://www.bbc.com/japanese/59411997)。
もちろん、UFOが異星人の乗り物である可能性は限りなく低い。
レーダーの画像に残された異常な運動をする「物体」は実体ではなく、妨害電波などにより生成されたものなのかもしれない。
もちろん、ペンタゴンは妨害電波の発信元は異星人ではなく、ロシアか中国だと考えているだろう。

異星人が地球にやってくる可能性はあるのか?
そしてその異星人は友好的だろうか?敵対的だろうか?

映画『コンタクト』では、地球人が発している電波(意図的に宇宙に向けたものではなく、漏れ出たラジオやテレビ放送の電波)を聞いた異星人が、信号を送り返してくる。その信号を受信するシーンにはドキドキするし、受信した内容にはビックリするのだが、ここには書かない。映画をご覧いただきたい。
もちろん、この映画の原作者はカール・セーガンだから、異星人は善意の存在である。

だが、異星人が存在するとして、善意の存在であるとは限らないのではないか。
SF小説『三体』では、宇宙に向けてメッセージを発信したことから侵略が始まってしまう。その侵略の方法がまた奇想天外なのだが、ここには書かない。小説をお読みいただきたい。

おそらく「UFO=空飛ぶ円盤」と思っている人は、こう考えるのではないか。
恒星間の深淵を超えてやってくる異星人は、地球人よりもはるかに技術的に進んでいるのだから、きっと倫理的にも高潔で、友好的なはずだ、と。

だけどねぇ。
環境汚染や資源の枯渇、地球温暖化、パンデミックなどの危機に対して、世界中の国々が結束して立ち向かわなければならない21世紀なのにねぇ。
曲がりなりにも「大国」とされる国が、国連の常任理事国が、隣国に侵略するといった、信じられないことをやっちゃうのだからねぇ。
核兵器の使用を脅し文句にしたり、化石燃料の供給停止を人質代わりにしたりして。
なんだかなぁ。
科学技術が「進歩」しても、脳の構造は狩猟採集生活のころから「進化」しないわけだから、進んだ文明だからといって、高潔とは限らないよねぇ。

異星人が存在しているとしたら、そしてその精神構造に少しでも地球人に似たところがあるとしたら、いくら技術的に進んでいても、地球侵略はあり得るかもなぁ。
もちろん、生命の発生そのものが稀な現象なら、異星人による地球侵略の可能性はまず、ない。

小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰った「りゅうぐう」のサンプルからアミノ酸が見つかった(https://curation.isas.jaxa.jp/topics/22-06-10.html)。
原始地球上ではアミノ酸の生成が難しいと考えられることから、地球の生命の起源は小惑星であるという可能性がある。
このことから、宇宙には生命が溢れていると思ってよいのだろうか?

アミノ酸が存在するだけでは、自己増殖する「生命」にはならない。DNAやRNAのような遺伝物質と出会うことが必要だ。
ひょっとしたら、冷えつつある原始地球上で生成されたRNAと、小惑星からもたらされたアミノ酸が結びついて、最初の生命が誕生したのかもしれない。

そうすると、たまたま地球上にRNAが存在する時期に、たまたま小惑星が落ちてきて、たまたま焼け残ったアミノ酸が地上まで到達し、たまたまRNAとアミノ酸が結びついて、たまたま生命が誕生した、ということになりはしないか?
その「たまたま」が起こる確率はどれくらいだろう?
ひょっとしたら、ひょっとして、この宇宙において、生命は稀なものなのだろうか?

生命が稀なものだとすると、「異星人の侵略という人類の存立危機事態に備えるため、地球人の間で争っている場合ではない、協力しなくては」という国際社会の動きは期待できない(『三体』では国連が活躍するのだが、その活躍の仕方がまた奇想天外である)。
まぁ、地球温暖化やパンデミックを前にして、協力ではなく分断を選ぶような人類だから、異星人がいようがいまいが関係ないか。

生命が稀なものだとすると、国家間の争いによって地球環境を悪化させることなどもってのほか、と思うんだけどなぁ。

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2022/03/11

科学の限界

3月に入って一週間も経つと、メンタルをやられる(精神的にダメージを受ける)。
春の訪れを感じる芳しい季節のはずなのに、人は去り、傷つけ合い、あるいは病み、自然はときに牙を剥く。

77年前の3月10日、ゼリー状にしたガソリンを詰め込んだ油脂焼夷弾(ナパーム弾)が東京を火の海にした。
木と紙でできた日本家屋を効率的に焼き払えるようにと、科学的・実験的に検証した後に空襲に用いられたという。

こんにち、爆弾に詰め込んだ燃料をいったん気化させ、その後に爆発的に燃焼させる燃料気化爆弾(サーモバリック弾)を、ウクライナに侵攻したロシア軍が用いたらしい。
爆発に伴う衝撃波(爆風)の及ぶ範囲が通常の爆薬よりも広く、また高温と真空(空気の希薄化)、酸素の燃焼による窒息死などにより、人体に対する影響も大きい。
戦車などの車両内にいる兵士や、防空壕の中の民間人も効率的に殺傷できるそうだ。

軍事に応用された科学は、破壊と殺傷の効率化をもたらし、平穏と調和を望む人間性を敗北させるのだろうか。
軍事侵攻なんてことを実行に移してしまう人間の心理を(そういうバイアスがあることは科学的にわかっているが)、穏やかなほうへコントロールすることはできないのだろうか。

11年前の3月11日、東北地方太平洋沖地震が発生した。
想定外の地震と津波の被害を目の当たりにして、地震学者たちは「地震の予知など不可能」と改めて思ったという。
そして最先端の科学技術により(いつの最先端だよ、というツッコミは置いといて)安全が保証されているはずの原子力発電所がメルトダウンし、水素爆発によって(単純な水素爆発ではないらしいが)放射性物質を撒き散らした。

こんにち、ウクライナに侵攻したロシア軍はチェルノブイリ原発とザポリージャ(ザポロジエ)原発を攻撃、占拠し、IAEAへの監視データ送信が停止している。
プーチン大統領もラブロフ外相も、核兵器の使用をほのめかして西側諸国(冷戦時代の用語かよ!)を脅している。

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地殻変動や地震・津波についての研究が、プレートテクトニクスに基づくようになってから、まだ半世紀である。
ワシが高校生になるころまでは、「なんらかの力が働いて土地が隆起した」とか「なんらかの力が働いて断層が動き、地震が起こる」とか、そんな説明が教科書に載っていたのだ。

だから、地震の予知や津波被害の正確な予測ができないことは、科学の敗北ではないし、これが科学の限界とは言い難い。
そもそも「科学的」というのであれば、絶えず検証し、定説を覆し、より妥当な仮説を構築して、結果を確率論的に推定することしかできない。
それ以上のこと、たとえば「安心安全」を保証することはできない。

科学的な(つまり捏造されたものや意図的に選択されたものでない)観測事実と、科学的な(思い込みや一方的な主張でなく多くの人によって検証された)仮説に基づいて判断し、行動すること。
そして、思い込みや一方的な押し付けを排除することで、互いを尊重する社会をつくること。
これが過去の人類の悲惨な歴史から学んだ、現代に生きるワシらの行動指針のはずなのだが。

過去の苦難や現在の悲惨な状況や将来起こるであろう危機に対し、科学技術だけで対応できるわけではないだろう。
過去についてどのように評価するか、現在の状況をどのように判断するか、将来をどのように構想するかについて、科学的な手法は必要であり有効だが、その評価・判断・構想を行うのは「人」である。
ということは、その「人」の認証バイアスによって歪みが生じうる、ということである。

たとえば、核兵器の原料となるプルトニウムを産み、自然・人為の災害や戦争による破壊の危険があり、ちゃんと運用できたとしても大量の放射性廃棄物を十万年単位で残す原子力発電所。
「科学的」に判断すれば、運用停止・廃棄するのが妥当という結論に至りそうなものだが……。
それなのに、(対ロシア制裁に伴うエネルギー不足への対応として)原発の再稼働を求めたり、(防衛力増強と称して)潜在的核保有の有用性を語ったり、地震・津波・火山噴火による被害を過小評価したりする人がいるのはなぜか?

科学の限界は、「人は誰もが科学的に考えられるわけではない」ところにあるのかもしれない。

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2022/03/08

脳に虫が湧く話

まさか21世紀に入って五分の一も過ぎてから、大国が戦争を始めるとは思わなかった。
パンデミックとか、温暖化とか、世界中の人々が協調し、知恵を出し合わないと人類の存続すら危ぶまれるときなのに、なんで隣国に戦争を仕掛ける指導者が出てくるのだろう?

そうか、脳に虫が湧いちゃったんだなぁ。

もちろん、生物学的に言って、脳内に虫、というか異種の生命体が自然発生することはない。
既知の生命体はすべて、その親となる生命体から遺伝子を受け継いで発生するのであって、突然湧いて出てくることはない。

脳内に寄生虫が入って炎症を起こし、異常な行動をとることがあるそうだ。
カタツムリやカエルを生で食べないほうがいいと警告する記事がナショナルジオグラフィックに載っていた。

脳に入る寄生虫が温暖化で北上、ナメクジに注意
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/032000125/

この広東住血線虫はナメクジが這った跡に潜むことがあるそうだから、生野菜もよく洗うか、加熱して食べるほうがよいという。
そこらへんの野草の葉や草木の実を摘んで食うことにもリスクがあるってことか……。

こういう寄生虫以外にも、脳内に湧いて厄介な「虫」がいて、「ミーム」と呼ばれている。
ミーム(meme)は、ヒトの脳の中で発生し、ヒトからヒトへ伝播し繁殖する「概念」である。
生物の遺伝子(gene)と同様に、変異しながら受け継がれて行き、増殖したり絶滅したりする。

ミームの代表例は「神話」だろう。
どんな民族の神話も、数百年、数千年にわたってヒトの脳から脳へと変異しながら受け継がれて来ている。

古くから会話や伝承、書物がミームを媒介してきたが、現代ではメディア、SNSがミームを媒介する。
そう考えると、言語はミームを運ぶために生み出されたのかもしれないし、人類はミームを発生させ増殖させるように進化したのかもしれない。

有用なミームもいっぱいあって、科学技術だってミームである。
「工学におけるマーフィーの法則」や「ロボット工学の三原則」なんかはワシは大好きでなのだが、これが有用と思うかどうかは人によるだろうなぁ。

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宗教やイデオロギー、偏見や思い込みもミームである。
プーチンの脳の中で発生した「大ロシア帝国」というミームがウクライナの人々を殺し、苦しめているのだとしたら、迷惑な話だ。

寄生虫に効く薬はあるが、ミームに効く薬ってあるのだろうか?
なんてことを考えたら、「薬剤抵抗性ミーム」なんていうしょうもないミームがワシの脳内に湧いてきちまったよ。

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2022/02/05

進化に方向性はない(これ書くの何度目かな)

よくある誤解として、「より良くなる方向へ進化する」というものがある。

もちろん、これは生物学的には誤りで、進化に方向性はない。

たとえば、魚類→両生類→爬虫類→(下等な)哺乳類→霊長類→人類、という進化の方向性はない

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だって、魚類も爬虫類も、いま生きてるじゃん。

魚類や爬虫類と共通の祖先から、変化しつつ生き残ってきた生き物たちを、いま目にしているのだ。

生き残った理由も「より良く変化したから」ではなく、環境の変化に適応できたからだったり、たまたま生き残れたからだったりする。

一例を挙げると、1億年以上反映した恐竜が絶滅し、哺乳類の祖先が生き残った理由は、小惑星が衝突したことによる地球環境の激変だった。

なんでこの話をまた書いているかというと、「ウイルスは弱毒化する方向へ進化する」という俗説がまたぞろ巷で広まっているからだ(巷で広まるから俗説なのか……)。

確かに、SARS-Cov-2(COVID-19病原ウイルス)のオミクロン株はデルタ株に比べて感染力は増したが、重症化はしにくいようである。

だがこれは、「ウイルスが弱毒化する方向へ進化した」わけではない。

マスクの着用や行動制限、ワクチン接種などの対策をしてきたからこそ、デルタ株が蔓延することができなくなり、代わってオミクロン株が広がったのだろう。

したがって「ウイルスは弱毒化するから何もせずに待っていれば、コロナはただの風邪になるだろう」などと思っていはいけない。

新型コロナウイルス感染症を風邪やインフルエンザ並みにするためには、マスク着用などの感染防止、ワクチン接種による重症化防止、そして治療薬の開発などにより、対策を続けなければならないだろう。

我々の身体や行動がウイルスにとっての環境そのものだから、我々の対策によって環境を変えることで、ウイルスを進化させることができる……だろうか?

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2022/01/15

オミクロン株は「まだ」風邪ではない

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)について、ナショナルジオグラフィックに「オミクロン株はなぜ感染しやすく、重症化しにくいのか、最新研究」という記事が乗っていたので、気になったところをピックアップしておく。
まぁ、自分用のメモのようなものである。
今後明らかになったり、書き換えられたりすることもあるだろう。

重症化しにくい。

肺炎のような症状や免疫系の暴走が見られる患者は減っているそうだ。
ただし、高齢の人、基礎疾患のある人、免疫力が低下している人、ワクチン未接種の人は感染しやすく、重症化の要因となる。

重症化しにくいからと言って甘く見てはいけない。

たとえ病院に行くほどではないにせよ苦しい思いをし、入院したり死亡したりする人もいる。

感染しやすい。

オミクロン株はデルタ株の2〜4倍うつりやすい。

肺の細胞に感染しにくく、上気道に感染しやすい。

上気道(鼻や副鼻腔)ではデルタ株の100倍以上の速さで複製される。

検査の方法が変わるかもしれない。

PCR検査では、デルタ株の場合は鼻腔ぬぐい液を検査するほうが正確で、オミクロン株は唾液検査のほうが正確。
鼻腔ぬぐい液を用いる迅速抗原検査では、オミクロン株の感染を特定するのに時間がかかる。PCR検査で陽性になってから数日後に抗原検査で陽性となる。

(ということは、オミクロン株に感染している場合、感染の初期には抗原検査では検出できないのかもしれない。)

主に飛沫感染する。

ものの表面から感染する可能性は低いので、手洗い、フィジカルディスタンスの保持、(不織布)マスクの着用が有効。

後遺症(long COVID)については不明。

まだわからない。長期的に継続する症状を引き起こすかどうかが明らかになるのは数カ月後になるだろう。

(ということは、現時点で「オミクロン株はただの風邪」と言ってしまうのは時期尚早だということだ。)

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2022/01/02

1年の始まりはなぜ冬なのか?

年賀状をやめてしまったので、Twitter や LINE で年始の挨拶。

 

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1月1日の朝の散歩の際、近所の公園に行ったので、こんと富士山の写真を撮った(時刻は7:30)。

スマートフォンの Autodesk Scketchbook を用いてちゃちゃっとテキストを追加して、SNSにアップロード。

COVID-19 第6波の予兆があったりして、なんかあんまりおめでたい気がしないので、「新年あけましておめでとう」の語句はなし。

そういえば何で冬の半ばの半端な時期が1年の始まりなのだろう。

その答えがナショナルジオグラフィックのニュース記事になっていたが、西洋の暦の話になっちゃうので、少々面倒くさい。

なぜ新年は暗くてますます寒くなる冬に始まるのか、暦の歴史

かいつまんで説明すると、もともと春が1年の始まりだったのだけれど、月の満ち欠けを基準に「月」の日数を決めると、だんだんずれちゃうので調整のために月を足したら、1月が冬になっちゃった、ということらしい。

月の満ち欠けの周期は 29.5 日だから、29.5×12=354(日)で、1年365日に満たないからね。

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2021/12/29

ウイルスとの「共生」

もう16年も前のこと、「ウイルスは恐怖の対象か」という記事を書いた。
日経サイエンス2005年3月号のコラムに、われわれ真核生物の核の起源はウイルスではないか、という仮説が載っていたので、それを紹介したものである。

マンガにすると次のような具合である。

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何十億年前の出来事かわからないが、すでに人類のはるか祖先の時代から、ウイルスとは共生しているのではないか、という話。

さて、2021年12月26日朝日新聞朝刊に、「(新型コロナ)コロナ2年、世界が学んだ共生 長崎大熱帯医学研究所・山本太郎教授」という記事が載っていた。

う~む。この記事、「共生」という語句、そして「ウイルス 根絶めざすのではなく」という見出しだけ見ると誤解を招くのではないかと思う。

最初に挙げた、細胞内で共生するような極端な場合でなくても、人類はウイルスとは共存せざるを得ない。

いずれCOVID-19の病原ウイルス(SARS-CoV-2)のほうも、人類と共生するように進化し、罹患しても風邪程度になるだろう。

だがそれは、現在流行中のオミクロン株において、ではない。
来年や再来年という話ではない。
山本教授は「10年後には明らかに、感染しても軽症ですむ、いわゆるかぜコロナに変わっているでしょう」と予測している。

ワシの個人的な感想だが、現在の状況で、「ウィズコロナ」などというのは間違っていると思う。

現在のところは、新型コロナウイルスをゼロにするという意味ではなく、感染症の脅威をゼロにする、という意味で「ゼロコロナ」を目指すのが正しいと考える。
もちろん、そのために必要なのは、検査による実態把握、感染者の保護、早期の治療、感染予防などの手段であり、人類社会における、人間同士の共生である。

オミクロン株の感染拡大は、先進国だけワクチン接種を進めても、途上国を置き去りにしては無意味であることを物語る。
ウイルスに国境はなく、特定の国からの渡航者を遮断しても、水際対策にならない。

まして、地位協定のような例外処理を作ってしまっては、バックドアが開けっ放しのセキュリティシステムと同じで、感染対策にもなんにもならない。
国とか軍事同盟とか人種とか、そういったもので壁を作って他者を排除するのではなく、共存共生することを、人類は学ぶ必要がある。

さもなければ、今後何度も訪れるであろうパンデミックを超えて生き残ることはできないだろう。

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2021/11/14

「科学的」は科学的なのか?

ニコチンは毒である。

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ニコチンの構造式(出典:Wikipedia)

そりゃそうだ。ナス科の植物は、虫に食われるのを防ぐために、神経毒であるニコチンを生成するように進化し、そのニコチンをヒトは精神安定剤代わりに使ってきた。

いや、この言い方は正しくない。

ニコチンを生成するように変異した植物は、虫に食われにくいので生き残った。

このように目的論を排し、結果論的に考えるの「進化」の正しい解釈である。

それはさておき、ニコチンは神経毒で、昆虫には少量で作用するので、殺虫剤に使える。ヒトにも経口投与では数mgで致死的に作用するので、タバコの吸い殻を漬け込んでおいたペットボトルの水は、殺虫剤に使えるが、飲んではいけない。

このようにニコチンは危険なので、ニコチンに似た殺虫剤として、ネオニコチノイド系農薬が開発された。

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ネオニコチノイド系農薬クロチアニジンの構造式(出典:Wikipedia)

ところが、このネオニコチノイド系の殺虫剤が、ミツバチの失踪事件(蜂群崩壊症候群)の原因ではないかと疑われ、フランス政府は使用禁止とした。

先週11月6日のTBSの番組「報道特集」では、宍道湖で魚が激減した要因として、ネオニコチノイド系農薬によりプランクトンが死滅したことが原因ではないかと報道していた。

魚やトンボだけでなく、ヒトにも影響があるのではないか……ということで、マウスを使った実験なども紹介されていて、なかなか衝撃的であった。

ネオニコチノイド系農薬にたいする規制に乗り出したEUに対し、日本はどうか。

番組の取材に対し、農林水産省の農薬対策課は、「提出された試験成績に基づき、科学的に安全が確保されている農薬だけを登録」しているので問題ないとしていた。

ここで気になったのは「科学的」だから「安全」だという論法が、はなはだ非科学的である、ということだ。

科学的方法論が有効なのは、誤り訂正機能を含むからである。

つまり、一度科学的に検証したから(安全であることが)決定される、というものではなく、科学的検証を繰り返して常に確認し続けなければ、安全とは言えないはずだ。

「提出された試験成績」というところも気に入らない。

人は嘘をつくことがあるし、そのつもりがなくても誤って虚偽の報告をすることがある。

だから、科学的な条件の一つが「再現性」であり、再現実験をして同じ結果が得られなければ、科学的とは言えない。「提出された試験成績」を鵜呑みにした時点で、すでに科学的ではない。

それだけではない。

試験(実験)結果というものは、ちょっとした設定条件の違いによって、大きく異なってしまう(科学的な実験をやったことがあれば、誰でも知っているはずのことだ)。

ここで思い出すのは水俣病の原因である有機水銀(メチル水銀)のことである。

チッソは工場廃液に含まれる水銀は無機水銀(硫酸水銀)なので、工場廃液と水俣病は無関係と主張したが、後に工場廃液に有機水銀が含まれることが判明し、水俣病の原因であることが確定した。
原因判明までの過程では、例によって御用学者が「工場廃液が原因ではない」と「科学的に」主張したりしている。

経済を優先し、環境保全や市民の健康・安全を軽視する「公害」は、過去の話ではないのだ。

疑わしきは禁止、という予防原則が日本において常識的となるのはいつの日だろうか。

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