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2024/09/27

9月最後の山歩き

昨日(2024年9月26日木曜日)、水神社からつるべ落としの滝の手前まで登り、昼飯を食って帰ってきた。
9月に入っても異常な暑さの日が続き、迷走台風が来るなど天候が不純だったので、なかなか山歩きができなかった。
日本列島の南岸にまた熱帯低気圧が近づき、台風となって週末に大雨を降らせそうだという予報である。

ということで、9月最後の晴れの日に山に出かけることにした。

例によって部屋と風呂の掃除をしてから10時前に家を出て、10時20分ごろ水神社の駐車場着。

駐めた車の後部が斜面に接触していないかを確認しようと背後に回ったら、ツルニンジンが咲いていた。

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同じ斜面にアザミが咲いていて、スジグロシロチョウが吸蜜していた。

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林道を歩いていると、カラ混群に遭遇。
最初にヤマガラとサンコウチョウに気付いた(写真はない)。
しばらく見ていたら、群れの中にソウシチョウを発見。

特定外来生物が在来種と混群を作っていることに驚いた。

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前回(9月5日)に歩いたときは雨の後だったので、ふだん水のない沢に流れや溜まりができていた。
今回は、いつも通りの水の枯れた沢が多い。

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ちなみに、上の写真と同じ場所は、前回は次のような具合だった(「コクワガタの川流れ」の動画と同一のもの)。

千畳岩あたりの湿った山道を歩いていると、ヤマアカガエルがピョンピョンと跳んで道を横切っていった。

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上の写真でヤマアカガエルの左に見える緑色の落ち葉はヒノキで、若い果実も落ちているのがわかる。
ヒノキの若い果実はカメムシの大好物だそうだ。
林道にはヒノキの果実と一緒にチャバネアオカメムシの死骸も落ちていたし、ブーンと飛んできてズボンにとまった虫を見たら、チャバネアオカメムシだったりした。
ウチの庭のカツラに大勢で取り付いて樹液を吸っている奴らは、こういう山の中で大量発生しているのだろうか。

千畳岩にも流れはなく、周囲の登山道も湿ってはいるものの靴が泥まみれになるほどではない。

シカのヌタ場も乾いていた。

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貧血気味だとして投与されている鉄剤の影響で体調が万全ではないこともあり、今回はつるべ落としの滝まで行かず、途中の様子の良い涸れ沢で昼食にした。

ちょうど良い高さで上面が平坦な岩があったので、ここを食卓(?)とすることにした。

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ちなみに、岩に立てかけたモノポッド(一脚)の下の地面に見える足跡は、シカのものである。
このあたりはシカの渡河点らしい。

岩の上にガスストーブをセットして、湯を沸かす。
ストーブの下に敷いているのはアルミホイルで包んだ木切れ(素麺の箱の一部)で、平面を保つのと、岩の上の苔(地衣?)へのダメージ軽減を意図しているが、効果があるのかどうかは不明。

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チリトマトヌードルに熱湯を注いだら、3分待つ間にチーズかまぼことカルパスを食べる。

眼の前の景色は、水音のない静かな沢で、ときおり遠くでシジュウカラやエナガの声がする。
ちなみにここは、前回食事を摂った地点から20メートルほど下流で、前回は流れのほとりだったはずだ。

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用足しついでに、荷物をその場に置いたまま左岸(下流に向かって左側)の斜面を登ってみた。
30メートルほど離れたところを、シカが一頭逃げていった。
声(警戒音)を立てることもなく、ゆっくり斜面を登る姿は明るい茶色の夏毛で、ほどなく低木の間に消えたため、オスかメスかもわからず、写真も撮れなかった。

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シカの去った斜面の林をぼーっと眺めるうち(こういう瞬間が大好きなのだ)、自分が獣たちの領域に入っていることに、はたと気づいた。

このあたりの林には、シカだけではなくクマもいるはずだ。
山道を歩いているときには、ザックに吊るした熊鈴とシェラカップを、チリンチリン、カランカランと鳴らしている。

いまこの瞬間は、カメラとモノポッドしか持っていない。

いかん、油断した。
そそくさと斜面を下り、沢へ戻って荷物をまとめた。

もう少しのんびり過ごしたいところではあったが、曇りがちになってきたので、もと来た道を戻る。

沢には大きな倒木が見られる。
根元から倒れた木は、その根の間にいくつも岩を抱えている。
マグマ溜まりに由来する柱状節理や板状節理、溶岩流は硬くて木は根を張ることができないので、岩にしがみつくのだろう。

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板状節理から剥がれ落ちた欠片のガレ場で足を滑らしたり、ミソサザイと接近遭遇したりしながら(近すぎて写真を撮れず)、いくつかの涸れ沢を渡り、斜面をトラバースする。

木の葉が少しづつ色付くなど、秋の先触れも見られた。

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林道へ出て、杖にしていたモノポッドを畳み、ポテポテと歩く。

路傍のアザミではイチモンジセセリが吸蜜していた。

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イチモンジセセリを撮っていたら、ササの枯れた稈(かん)にミヤマアカネがとまった。

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駐車場近くの路傍には、アケボノソウがたくさん咲いていた。
背の丈近い高さの個体もあって、ちょっとびっくりした。

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アケボノソウの花弁はふつう5枚だが、4枚のものがあった。
よく見ると、萼片も4枚、雄蕊(おしべ)も4本である。

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14時過ぎに駐車場に着いた。
4時間ほどの、気楽な山歩きだった。

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2024/09/21

コクワガタの川流れ

北陸地方に線状降水帯が発生して、洪水被害などに見舞われているときに、「川流れ」などというタイトルで記事を書くのもどうかと思ったが、記録として残すため、あえて記す。

先日(9月5日)につるべ落としの滝を訪れた際、大雨の直後だったため、ふだんは水のない涸れ沢にも流れや溜まりができていた。

飛び石伝いに……というか何とか足場を選んで沢を渡ろうとしていたら、岩の上にコクワガタがいた。

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そしてなぜか、沢の水の中へと歩いて進んでいくのである。
水中では息ができないはずなので、息を止めて潜っていくのか?
水の流れが早いから、力尽きて流されてしまうのでは?
……と思っていたら、案の定……。

流されちまったよ、大丈夫かなぁ、と流れた先を見たら、足を動かして泳いでいた。

そして、下流側の岩にたどり着き、登っていった(岩にたどり着いた瞬間は見逃した)。

こんなふうに水に入って流されて下流へ、っていうのは、コクワガタにとって(その他の昆虫類にとって)よくある移動方法なのだろうか?

この沢は雨の後にできる一時的な流れだから魚に捕食されるおそれはないが、イワナがいるような川だったら、のんびり泳いで移動することなどできないだろうに。

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2024/09/06

愛鷹山・つるべ落としの滝往復

台風10号は熱帯低気圧となって過ぎ去ったが、各地に突風と大雨の被害をもたらした。
ウチのあたり(静岡県東部)は台風から遠く離れているのに、アウターバンドの雨雲が次々と押し寄せ、かなりの雨が降った。

雨がやんで二日後の昨日(9月5日)、愛鷹山のつるべ落としの滝まで登った。

つるべ落としの滝は、渇水期には消えてしまうことから別名「まぼろしの滝」という。
愛鷹山は火山なので、愛鷹山に降った雨は火山灰や火砕堆積物を抜けて地下へ浸透してしまう。
そのため、豊富な水が流れる沢は、雨の直後しか見ることができない(この話は何回か書いてるな……)。

大雨の二日後の晴天は、絶好の山歩き日和なのである。

被災した方々には申し訳ないが、明日は我が身、楽しめるときには楽しませてもらおう、と思っている。

ということで、部屋と風呂の掃除をしてから支度を整え、9時半に自宅を出発、10時に水神社駐車場着。

林道を歩いて(崩れた箇所をユンボで補修している横を抜け)、つるべ落としの滝登山口に10時45分到着。
スマートフォンで記録代わりの写真を撮っていたら、上空を大きな猛禽類が飛んでいる(次の写真の左上の黒い点)。

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慌てて OM-5 を取り出し、撮影し拡大してみたら、クマタカだった。

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この林道の先、一服峠への登山口に至るあたりでも、クマタカを見かけたことがある。
7月18日に黒岳に登ったときにも、林の上をピィピィ鳴きながら飛ぶ猛禽がいた(クマタカかどうかはわからない)。
愛鷹山には、クマタカのような大型の猛禽はどれくらい棲んでいるのだろう。

山道の荒れ方は思ったよりも酷くなくて、念のため持って行ったノコギリも、1回しか使わなかった。
雨の後には倒木で道を塞がれることも多いのだが、今回は倒木よりも水量が多くて、沢を渡りにくいことが多かった。

ふだんはまるで水のない、あるいはチョロチョロ流れている程度の沢なのに、あちこちに小さな滝ができていた。

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そんな沢の写真や動画を撮ったり、苔や虫を観察したりしていたので、つるべ落としの滝に到着したのは12時15分だった。

滝の水量が多くて水音も大きく、飛び散る水滴はミストのようにあたりにたなびき、寒いほどだった。
うるさいし寒いので、ここで昼食を摂ることはあきらめ、滝壺で顔を洗って下ることにした。

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板状節理の観察ポイントの下あたりで沢に降り、ラーメンを作った。
おそらく一昨日には水底だったところなのだろう、小石と砂利が平らに堆積していてストーブを置きやすかった。

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ラーメンを食べながら眺めていたのは、次の写真のような景色。
この沢にこれだけ水の流れや溜まりができているのは珍しい。

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水溜りに足を浸して冷やしたり、手ぬぐいを洗ったりとのんびり過ごして、ゆっくり下山。

水神社の駐車場に戻ったのは15時20分だった。

次の写真は駐車場近くの林道の脇の、マツカゼソウで吸蜜するスジグロシロチョウ。

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