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2024/07/31

地球が人類に優しかった時代は終わるのか

連日、熱中症警戒アラートが発報されている。
昨日は夕方になっても気温が33℃を超えていたので、散歩を諦めた。

庭のカツラは相変わらずセミに人気で、アブラゼミとクマゼミが並んで樹液を吸っている。

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居間から3メートルほどのところでセミに鳴かれると、テレビの音声も家人との会話も落ち着いた思考も邪魔される。
そこで、午前中の掃除を終えたとき室温が30℃を超えていたら、エアコンを設定温度28℃で始動する。
昨年秋に掃き出し窓に断熱仕様の内窓を追加したので、セミの鳴き声は囁きほどになり、エアコンの効きも良い。

ほっと一息……。

しかしまぁ、冷房しないと生命に危険が及ぶような高温とは……。

日本の夏はもはや、生命維持装置なしには生存できない環境なのだろうか。

エアコンが壊れたり停電したりすると、人々が死ぬ……って、まるでSFである。
シュワルツェネッガー主演の映画『トータル・リコール』で、火星のスラムの人々が、権力者によって停止された換気装置のプロペラを見つめる絶望的な表情を思い出す。

地球の歴史を考えてみれば、ここ数万年は例外的に気温が安定している時期だった。
人類の活動に伴う二酸化炭素濃度の極端な増加をきっかけに、一気に不安定化していっても不思議はない。

このまま温暖化が暴走して「地球沸騰時代」となるのか、海底深層流の変化や太陽放射の異常などにより、逆に氷河期に突入するのか。

どちらにせよ、人類の生存と、脆弱な文明の維持は困難になるだろう。
……なんてことを、今のところエアコンが順調に作動していることに感謝しつつ考えた。

梅雨明け後は雨が少ないが、それでも庭の草は伸びる。花も咲く。

昨年10月、まだ咲いていると書いた抱葉荒地花笠(ダキバアレチハナガサ:バーベナの一種)が咲き始め、ときおり蝶もやってくる。

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昨年、花が咲いた後どうなるかと見ていたら、芥子粒のように細かい種子をたくさんばら撒いて、地上部は枯れた。
根は冬越しをして、春に出てきた芽から育った株に、いま花が咲いている。

種子は庭のあちこちに散ったようで、芝生からいくつもの小さな株が出てきている。
厄介な害草(狭義の雑草)になりそうなので、今年は種子をばら撒く前に刈ってしまおうと思っている。

さて、次の写真もダキバアレチハナガサだが、食物連鎖の現場を撮ったものである。

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中央の花穂と左の花穂の間に、ハナグモがいる。
このクモは、どうやらアリを食べているようだ。
そのアリは、ダキバアレチハナガサの蕾についているアリマキ(アブラムシ)の世話をして、分泌液をもらっていたのだろう。
アリマキは、もちろん、ダキバアレチハナガサの樹液(木じゃないけど)を吸っている。

ダキバアレチハナガサ→アリマキ→アリ→ハナグモ、という食物連鎖が、小さな花の先で見られたわけだ。
ウチの庭でさらに観察していれば、クモがトカゲに食われるシーンに出くわしたかもしれない。
熱中症警戒アラートが出ているので、じっと観察するのはやめたほうが良いけどね。

(補足)
セミもアリマキも、半翅目というグループの昆虫である。
注射針のようになっている口器を植物に突き刺して、樹液を吸う。
また、翅を畳んだとき、後翅は前翅に覆われるが、その前翅は甲虫類と違って硬くない、という特徴が共通している。

ちなみに、「半翅目」は「カメムシ目」と呼ばれることもあり、当然カメムシも同じグループに入っている。
カメムシも翅を畳んだとき、後翅は前翅に覆われる。
その前翅は、付け根のほうの半分くらいが(甲虫ほどではないが)革のように硬くなっている。
これが「半翅目」の名前の由来らしい。

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