『コロナ狂騒録』を読んだ
海堂尊著『コロナ狂騒録 2021五輪の饗宴』を読んだ。
『コロナ黙示録』の続編である。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)第2波以降、ワクチン接種や延期された東京オリンピック前夜のゴタゴタが描かれる。
ドタバタ・ディザスター・コメディとして読むと、そんなバカな、そんなに無能な政治家や官僚がいるものか、と思ってしまうレベルだが、これが実際に起った「現実」をなぞっているのだから恐ろしい。
バチスタ・シリーズ(桜宮サーガ)の主要登場人物の一人である、はみ出し厚生技官の白鳥が、パフェおじさんこと酸ヶ湯総理大臣に「バカを選別するための『バカ五ヵ条』」を開陳するシーンがある(文庫版335ページ)。
「バカは思い上がって周囲にバカをまき散らすので、コロナよりタチが悪いんですよね。『バカ五ヵ条』は各項一点、四点以上でバカ確定です。その一、自分を利口と思うバカ、その二、議論で揚げ足を取るバカ、その三、バカと言われると逆ギレするバカ、その四、知恵者の話を聞かないバカ、その五、漢字が読めず教養のないバカ。さて、ここで質問です。スカちゃんは何点だったでしょう」
まったくもって、当時も現在も、行政もメディアも、金に汚くて幼稚なバカばっかりですなぁ。
本書は「ポビドンヨード」やら「PCR検査抑制」やら「マンボウ」やら「GoToキャンペーン」やら、とんでもない愚策の数々を小説という形で残した記録の書とも言えるかもしれない。
なにせ現政権は、都合の悪い公文書は改竄したり廃棄したりしちゃうので、小説(フィクション)のほうがファクトに近くなってしまうのだ。
それにしても、いまだに自公連立政権が倒れず、東京都では小池百合子が再選され、大阪では維新の会が支持されている(のかな?)のだから、有権者のほうも思考力のないバカなのかもしれないなぁ。
ところで、思考力を奪われるような猛暑が続く昨今、窓を開けていると思考力はおろか家族の会話すら奪うくらいの勢いでセミが鳴いている。
今日、庭のカツラの木に付いているクマゼミを数えてみたら、8匹いた。
次の写真では、クマゼミを黄色い線で囲って示しているが、1匹は幹の裏側にいたので点線にしてある。
その裏側の1匹も写してやろうと思って近づいたら、6匹のクマゼミが一斉に飛び立った(2匹は残った)。
グゲゲ、バサバサッ、バチバチ、ガツン!
叫びながら飛び回り、庭木の枝葉や家の壁や窓ガラスに当たる。
4匹は近隣へ飛び去ったが、2匹は戻ってきてカツラの枝先のほうにとまったようだ。
儂が居間に戻ったら、また性懲りもなく(というかセミにとっては当然の生業として)大きな声で鳴くのだろう。
居間の二重窓と冷房は、暑さ対策だけでなく、セミの暴虐への対策でもあるのだ。
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