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2023/08/20

Colors of the Rainbow

8月10日の夕方、雨上がりの東の空の雲に西日が差していた。これは出るかもなぁと思い、空を見上げながら散歩していると、出た。

Img_20230810_181737

カメラを構えたけれど、ズームレンズの広角側の画角に収まりきらず、ボディバッグからスマートフォンを取り出したりと、アタフタした。空を見上げてアタフタする儂につられたのか、散歩道の人たちも立ち止まって虹を見上げた。

池のほうから「ダブルの虹ですよ!」と声がかかったので見ると、ボートの練習をしていた人が虹を指していた。明るい主虹の外側に、主虹よりも暗い副虹が出ていた。ボートに向かって「本当ですね!」とVサインを返した。

虹が消えた後、散歩を再開したとき、頭の中のBGMはルイ・アームストロングの「What a Wonderful World」だった。

外国曲の著作権がどうなっているか調べるのが面倒なので、歌詞を掲載することは避け、和訳も一部の意訳にするが、「What a Wonderful World」には次のような一節がある。

儂は赤ん坊が泣くのを聞く
儂は彼らが育つのを見る
彼らは儂が知り得た以上のことを
学んでいくだろう
そして儂はひとり思うのだ
なんと素晴らしい世界なんだろうと

一人称を「儂」にしたのは、年を取るほど、この歌が響いてくるような気がしたからだ。

そう、子どもたちがより多くのことを学びながら育つことができる世界こそが、素晴らしい世界なのだ。年寄りが始めた戦争で死ぬ世界ではなく。

さて、例年この時期には、天候が急変して虹や幻日を見ることが多いように感じる。

今年は大雨による災害に見舞われる地域と、渇水に悩まされている地域があって、その落差が大きい。なんでこんな差が生まれるのだろうと思ったら、「温暖化」で説明できるのだそうだ。

空気中に保持できる水蒸気の最大量を「飽和水蒸気量」という(中学理科で習う)。限界まで水蒸気を含んだ空気の湿度が100%で、100%を超えると水蒸気は水滴(または氷の粒)になる。

たとえば、気温25℃の空気1立方メートルの飽和水蒸気量は23.0gである。気温25℃、湿度80%のとき、空気1立方メートルには18.4gの水蒸気が含まれている。この空気を10℃まで冷やしたとしよう。気温10℃の空気1立方メートルの飽和水蒸気量は9.4gである。そこで、
18.4 - 9.4 = 9.0
1立方メートルあたり9gの水が出てくる。冷たい飲み物を入れたコップの結露は、こうして出てきた空気中の水分である。

飽和水蒸気量は、気温が高いほど多くなる。しかも、その増加の仕方は直線的ではなく、曲線的(指数関数的)になる。Wikipediaに掲載されている飽和水蒸気量のデータを Google Spreadsheet に貼り付け、グラフを作成してみたところ次のようになった。

Chart  

この指数関数的に増加というやつが厄介なのである。ちょっとの変化で、状況が極端化するのだ。気温10℃と25℃の飽和水蒸気量の差は、先程計算した通り1平方メートルあたり9gである。気温25℃と40℃の飽和水蒸気量の差は、1平方メートルあたり28gとなる。同じ温度差(15℃)で比較しても、高温側では段違いに多くなる。

地球温暖化に伴って気温が上昇すれば、飽和水蒸気量も増すため、同じ湿度でも空気中の水蒸気の量が多くなる。水蒸気量が同じままで気温が上がれば、湿度は下がる。

地上に降る雨のもとは、海から蒸発した水分だ。海から水蒸気を供給された空気が陸上に移動し、気温が下がれば雲となり、雨になって地上を潤す。しかし、気温が下がらなければ、水分は空気中に大量に保持されたままだ。気温が上がれば相対的に湿度が下がるので、地面から水分を奪い取り、地表はカラカラになる。世界各地で山火事が多いのも、温暖化と関係があるのだ。

一方、「降れば土砂降り」になるのは、空気中に含まれている水が多いからだ。水分を含む暖気が上空の寒気に触れたり、台風や低気圧にかき回されたりすると、大量の「結露」が地上に流れ落ちる。「経験したことがないような大雨」は「経験したことがない気温」がもたらしたものなのだ。

温暖化の進行により、この地球は素晴らしい世界ではなくなってしまうのだろうか。儂ら年寄りは、地球環境保全のため多少頑張ったのだけど、頑張り方が足りなかったのだろうか。

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