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2023/08/09

タイムトラベルは可能か?

前回の記事「歴史の改変は可能か」の図に誤りがあった。映画『ターミネーター2』の終盤で、ターミネーターとそのCPUをすべて溶鉱炉で融かしたのだから、歴史は変わった(未来は変更された)ことになる。

Terminator2_timeline

『ターミネーター』の時系列(①)では、未来からの干渉によってジョン・コナーが生まれ、人類とAIが闘うことになる。『ターミネーター2』の時系列(②)では、未来からの干渉によって、スカイネット(人類を滅ぼそうするAI)は生まれないことになる。

Terminator_timeline_2

「タイムトラベルは可能か」という議論において、「このような未来からの干渉の事例がないから、タイムトラベルは不可能」という考え方がある。しかしこれには、大きな弱点がある。

未来からの干渉があって時系列が変更されたとき、その渦中にいる人間は変更されたことに気づくのだろうか? たとえば、サラとジョンや、ダイソン博士の妻は1997年8月29日午前2時5分にスカイネットが自我に目覚め、核ミサイルを発射することを知っているので、1997年8月30日になったときにはホッとしたであろう。しかし、そのほかの人々にとっては、誕生日などの記念日でない限り、1997年8月29日はいつもと変わらない1日として、いつもと変わらない日常を過ごすだろう。

したがって、「未来からの干渉があったかないか知るすべはないから、タイムトラベルが不可能とは言い切れない」ということになる。

量子論の多世界解釈によれば、未来からの干渉があろうかなかろうが世界線(点粒子の時空上の軌跡)は分岐する。そのそれぞれの(無数の)世界の中のどの世界に自分がいるのかによって、自分にとっての歴史は一つしかない。ほかの世界の自分は、ほかの歴史を体験するのだろう。

ということを考えると、タイムトラベルが可能か不可能かわからないが、あるがままの歴史を受け入れるしかないよなぁと思うのである。

時間は存在しない」という理論もあり(だとしたらタイムトラベルは不可能だが)、自分たちが生きられるのは現在だけで、過去を変えることはできないとしたら、より生きやすい未来にするために、現在を生きるしかないだろう。

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