蝉の恩返し、または空蝉
次の写真は庭のユスラウメの枝に掴まるクマゼミの幼虫である。今夜から明日の早朝の間に羽化して成虫になるだろう。じつはこの幼虫は、儂が救い出したものなので、恩返しを期待したいところである(どういう恩返しなのかは後ほど)。
写真の背景に写っている白っぽい二つの物体は、コンポスト容器である。じつはこのクマゼミの幼虫は、コンポスト容器の中から救出したものなのだ。
ウチでは野菜くずは生ゴミとして捨てず、コンポスト容器で堆肥化している。コンポスト容器は三つあり、数ヶ月ごとに投入用と熟成用とを入れ替えている。今日、投入用から熟成用に切り替えようと一つのコンポスト容器を開けたところ、ナスのヘタの上で途方に暮れている(ように見える)幼虫がいたのである(次の図の①の位置)。
おそらくコンポスト容器の近くに植えてあるユスラウメ(④)の根のあたりから地表を目指した幼虫が、②の経路で堆肥の中を登ってしまったのだろう。
このところ③のあたりの地面にたくさんの穴が開いていて、ユスラウメ(④)に空蝉(セミの抜け殻)を見る。シャワシャワというクマゼミの大声が、日に日に増していくのはこのためか。
葉の表裏で同時に羽化したらしき空蝉を見つけてすげえな、と思っていたら、もっとすごい空蝉があった。
この三つ巴になっているようなやつらは、いったいどうやって羽化したのだろう? どう考えても同時は無理だろうから、一匹が先に羽化した後、その空蝉を足場として、後から来た二匹が羽化したのだろうか。羽化する時刻が深夜から早朝なので、観察することができず残念である。
さて、蝉に期待する恩返しは何かというと、それは「ウチの庭では鳴かない」ということである。庭のカツラあたりで鳴かれると、テレビの音も聞こえない状態になってしまうのである。助けてもらった恩義を感じるなら蝉よ、どこか他所で鳴いてくれ。
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