沼津アルプス最高峰、鷲頭山に登った
沼津アルプスは市街地に近くて低い。
最高峰の鷲頭山でも標高392mだが、簡単に歩ける山ではない。
アップダウンが激しいし、痩せて岩がゴツゴツの尾根道も多いのだ。
次の写真は2016年6月に長浜城跡から見た鷲頭山(中央右側は淡島、その奥右側のピークが鷲頭山)。
以前、家族で沼津アルプス北部の徳倉山と志下山に登り、志下峠から海側(西側)に降りたことがある。
そこで今度は志下峠に大平(東側)から鷲頭山に登ることにした。
本当は鷲頭山から大平山へ向かって歩き、多比峠から降りようかと思ったのだが、結局鷲頭山往復となった。
4月27日木曜日の午後、登山開始。
登り口は中将姫自然公園。
志下峠までの道は沢沿いで湿っぽく、ヒノキの植林とシイなどの雑木林を抜けていく。
道にはフジの花びらが散り、あちこちでウグイスやシジュウカラやクロツグミが囀り、なんだか深山のようである。
志下峠から尾根道になるが、なかなか展望が開けない。
木立の隙間からちょろっと海や山が見える程度。
次の写真は三島・箱根方面。
ロープの張られた急斜面を登ると、鷲頭山の手前のピーク、小鷲頭山。
沼津の千本浜海岸や沼津港が見えた。ウチのあたりは見えない。ウチの近辺からは鷲頭山も小鷲頭山も見えるのだが、木々が邪魔をしているのだ。
富士山も見えた。
小鷲頭山から少し下ってまた登り返して、鷲頭山の山頂へ。
山頂には小さな祠と広場があるが、南北方向の展望はない。
西側は、大瀬崎方面の海岸線と山が見えた。
東側には、仁田とか韮山とか函南とか、『鎌倉殿の13人』に登場した御家人たちの出身地が見えた。
鷲頭山までの登りで消耗し、未知の下山ルートに挑戦する気がなくなったので、来た道を戻ることにした。
登りで結構トレッキングポールに頼って登ったので、下りもトレッキングポールを使うんだろうなぁと思っていたら、案の定。
年取った分、脚の不自由度が向上(?)しているので、トレッキングポールなしには急傾斜地は歩けない。
そして2日後の今日、太腿の筋肉も、肩の筋肉も痛い。情けない。
尾根上の道は、ウバメガシの林の中の緩やかなところもあったが、なにしろ急斜面がキツい。
ロープが張られているが、結び付けられている木は細いし、かえってバランスを崩しそうになるのでロープにはすがらず、一歩一歩慎重に下った。
写真をよく見るとわかるが、こぶし大から大人の頭くらいのサイズの岩を、木の根が抱え込んでいて、それが階段状になっている。
階段状と言っても段の高さも配置もランダムだから、次の一歩をどこに置くか、考えながら動かなければならないので、時間がかかるし、体力も気力も使うのだ。
ちなみにこれらの岩は、このあたりの山が海底火山だったときの溶岩や火砕流のなれの果てらしい。
伊豆半島が本州に衝突したとき、その海底火山が隆起して地上に出てきて山になった。
雨や川、そして海に浸食されて、ボロボロと崩れて現在に至る、ということのようだ。
浸食を免れた大きな岩の点在する沢沿いを下っていたら、アナグマと遭遇した。
遭遇と言っても、アナグマは儂には気づいていないようで、食べるものを探して行ったり来たりしていた。
その様子を14-150mmズームレンズの望遠側(35mm換算で300mm相当)で撮った。
暗いのでシャッタースピードが遅く(1/60秒)、アナグマを追っていたので周囲のシダや岩が被写体ブレしている。
アナグマと遭遇してから数百メートルで登山口着。
登り始めてから戻ってくるまで約2時間だった。
家を出てから帰ってくるまで約3時間という「お手軽」な山行だが、内容はハードで、異世界に行って帰ってきたような感じだった。
しかし、また行くかどうかは、もう少し経ってから考えたいと思った。
何しろ肉体的にキツいからねぇ。
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