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2022/12/28

『法治の獣』を読んだ

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春暮康一著『法治の獣』(ハヤカワ文庫)を読んだ。

「主観者」「法治の獣」「方舟は荒野をわたる」の中篇3編が収められていて、いずれも共通の未来世界を舞台にした宇宙SFである。

宇宙SFだが、どうやって宇宙を旅するかとか、そのあたりの物理化学的な部分が主題ではなく、主題は「生命と知性」である。

3編とも、宇宙に進出した人類が異星の生命体に遭遇するのだが、その生命体の設定がいずれもぶっ飛んでいる。生物学的ネタでセンス・オブ・ワンダーを味わうことができたのは、大変嬉しい。ワシは今でもアマチュア生態学者のつもりだからね。ちなみに〈方舟〉のような生命体のアイデアは、かつてワシも考えたことがある。ちょうどフィトンチッドとかアレロパシーとかが話題になっていたころ(1980年代)で、森林内の化学的ネットワークが……(以下ネタバレになりそうなので省略)。

ということで何を書いてもネタバレになるので詳しくは書かないが、堀晃やグレッグ・イーガンの生物学版といった感じである。著者自身が巻末の「作品ノート」に書いているように、イーガンの「ワンの絨毯」とも共通するテーマがあるし。登場する男女の間に色恋沙汰とかそういう雑音がなく、知的なやりとりがメインになっているところも堀晃やイーガンに似ているかも。

著者の筆名の由来はハル・クレメントだそうだから、ガチガチのハードSF好きによる、ハードSF好きのためのハードSFなのだ。

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2022/12/22

冬来たりなば春遠からじ

今日2022年12月22日は冬至である。
会社の同僚にもらったユズを浮かべた風呂から上がって、この記事を書いている。

冬至の日は、一年のうちでいちばん昼間が短い。
この時間は緯度によって違い、北緯35度の沼津市では9時間48分である。
もう夜だから、9時間48分だった、というべきか。

ちなみに、この昼の時間は、国立天文台の「こよみの計算」のページで日の出と日の入りの時間を月ごとに求め、Google スプレッドシートに貼り付けて引き算して求めた。
2022年の冬至前から2023年の夏至後までの昼の時間を求めたので、グラフにしてみた。

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さて、冬至は昼間の時間がいちばん短い日ではあるが、日の出がいちばん遅い日ではない。
日の入りがいちばん早い日でもない。

日の出がいちばん遅いのは年明けのころで、日の入りがいちばん早いのは12月の初めである。
だから冬至の頃は、まだまだ日の出が遅くなる時期で、日の入りは少しずつ遅くなっている。
日の入りだけ見ていれば日が延びつつあるように思えるが、日の出だけ見ていると朝が遅いと感じるだろう。

上のグラフを1年間にしなかったのは、グラフが長過ぎるからでもある。
それだけでなく、だんだん昼の時間が長くなる様子のほうが気分がいいかなぁ、と思ったからでもある。

さて、冬来たりなば春遠からじ、とはいうものの……
COVID-19 流行第8波を乗り越えることができ、
富士山が300年ぶりに噴火することもなく、
南海トラフ巨大地震が900年ぶりに発生することもなく、
九州地方で破局的噴火が7300年ぶりに発生することもなく、
地震や津波や火山噴火による原発のメルトダウンや核廃棄物の飛散も起こることがなく、
ロシアのウクライナ侵攻が世界大戦に発展することもなく終息し、
まして核戦争が始まることもなければ、
春を迎えることができるだろう、という話ではあるが。

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