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2022/03/08

脳に虫が湧く話

まさか21世紀に入って五分の一も過ぎてから、大国が戦争を始めるとは思わなかった。
パンデミックとか、温暖化とか、世界中の人々が協調し、知恵を出し合わないと人類の存続すら危ぶまれるときなのに、なんで隣国に戦争を仕掛ける指導者が出てくるのだろう?

そうか、脳に虫が湧いちゃったんだなぁ。

もちろん、生物学的に言って、脳内に虫、というか異種の生命体が自然発生することはない。
既知の生命体はすべて、その親となる生命体から遺伝子を受け継いで発生するのであって、突然湧いて出てくることはない。

脳内に寄生虫が入って炎症を起こし、異常な行動をとることがあるそうだ。
カタツムリやカエルを生で食べないほうがいいと警告する記事がナショナルジオグラフィックに載っていた。

脳に入る寄生虫が温暖化で北上、ナメクジに注意
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/032000125/

この広東住血線虫はナメクジが這った跡に潜むことがあるそうだから、生野菜もよく洗うか、加熱して食べるほうがよいという。
そこらへんの野草の葉や草木の実を摘んで食うことにもリスクがあるってことか……。

こういう寄生虫以外にも、脳内に湧いて厄介な「虫」がいて、「ミーム」と呼ばれている。
ミーム(meme)は、ヒトの脳の中で発生し、ヒトからヒトへ伝播し繁殖する「概念」である。
生物の遺伝子(gene)と同様に、変異しながら受け継がれて行き、増殖したり絶滅したりする。

ミームの代表例は「神話」だろう。
どんな民族の神話も、数百年、数千年にわたってヒトの脳から脳へと変異しながら受け継がれて来ている。

古くから会話や伝承、書物がミームを媒介してきたが、現代ではメディア、SNSがミームを媒介する。
そう考えると、言語はミームを運ぶために生み出されたのかもしれないし、人類はミームを発生させ増殖させるように進化したのかもしれない。

有用なミームもいっぱいあって、科学技術だってミームである。
「工学におけるマーフィーの法則」や「ロボット工学の三原則」なんかはワシは大好きでなのだが、これが有用と思うかどうかは人によるだろうなぁ。

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宗教やイデオロギー、偏見や思い込みもミームである。
プーチンの脳の中で発生した「大ロシア帝国」というミームがウクライナの人々を殺し、苦しめているのだとしたら、迷惑な話だ。

寄生虫に効く薬はあるが、ミームに効く薬ってあるのだろうか?
なんてことを考えたら、「薬剤抵抗性ミーム」なんていうしょうもないミームがワシの脳内に湧いてきちまったよ。

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