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2022/03/30

『太平洋戦争への道 1931-1941』を読んだ

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庭のスミレやらハナニラやらユスラウメやらが咲き、近隣ではサクラも花咲く日々であるが、心は晴れない。

ロシアはウクライナへの侵攻を続けているし、経済制裁のために物価の上昇やモノ不足は懸念されるし、この戦争が終結しても元の世界秩序には戻らないのだろうなぁなどと思っては、先行きが不安になる。

戦後生まれの儂らは「戦争を身を以て体験せずに済んだ世代」になれるかなぁと思っていたのだが、そうはいかないのだろうか。

なんてことを考えつつ、『太平洋戦争への道 1931-1941』を読んだ。半藤一利さん、加藤陽子さん、保阪正康さんの2017年のラジオ番組での鼎談を書籍化したものだ。

1931年の満州事変から1941年の真珠湾攻撃までの「過ち」について概要をコンパクトに、というか手っ取り早く知り、考える材料とすることができる。

読後に思ったことは、戦争には派閥間の争いとか個人の思惑とかが大きく関わるのだな、ということ。

そして世論というか雰囲気が戦争を後押しする。市井の個人の責任、メディアの責任、ということを考えると、今の世も怖い。

マンボウ明ければ花見に行く国民と、選挙目当てに金をばらまこうとする政治家。

「先週の同じ曜日と比較して感染者数は減っている」ように見えるから第六波が終息に向かっているかのように報道しちゃうマスコミ。

なんだかなぁ。

いまこのときが、「第三次世界大戦への道」の途上でなければよいのだが。

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2022/03/20

風評被害

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2022/03/11

科学の限界

3月に入って一週間も経つと、メンタルをやられる(精神的にダメージを受ける)。
春の訪れを感じる芳しい季節のはずなのに、人は去り、傷つけ合い、あるいは病み、自然はときに牙を剥く。

77年前の3月10日、ゼリー状にしたガソリンを詰め込んだ油脂焼夷弾(ナパーム弾)が東京を火の海にした。
木と紙でできた日本家屋を効率的に焼き払えるようにと、科学的・実験的に検証した後に空襲に用いられたという。

こんにち、爆弾に詰め込んだ燃料をいったん気化させ、その後に爆発的に燃焼させる燃料気化爆弾(サーモバリック弾)を、ウクライナに侵攻したロシア軍が用いたらしい。
爆発に伴う衝撃波(爆風)の及ぶ範囲が通常の爆薬よりも広く、また高温と真空(空気の希薄化)、酸素の燃焼による窒息死などにより、人体に対する影響も大きい。
戦車などの車両内にいる兵士や、防空壕の中の民間人も効率的に殺傷できるそうだ。

軍事に応用された科学は、破壊と殺傷の効率化をもたらし、平穏と調和を望む人間性を敗北させるのだろうか。
軍事侵攻なんてことを実行に移してしまう人間の心理を(そういうバイアスがあることは科学的にわかっているが)、穏やかなほうへコントロールすることはできないのだろうか。

11年前の3月11日、東北地方太平洋沖地震が発生した。
想定外の地震と津波の被害を目の当たりにして、地震学者たちは「地震の予知など不可能」と改めて思ったという。
そして最先端の科学技術により(いつの最先端だよ、というツッコミは置いといて)安全が保証されているはずの原子力発電所がメルトダウンし、水素爆発によって(単純な水素爆発ではないらしいが)放射性物質を撒き散らした。

こんにち、ウクライナに侵攻したロシア軍はチェルノブイリ原発とザポリージャ(ザポロジエ)原発を攻撃、占拠し、IAEAへの監視データ送信が停止している。
プーチン大統領もラブロフ外相も、核兵器の使用をほのめかして西側諸国(冷戦時代の用語かよ!)を脅している。

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地殻変動や地震・津波についての研究が、プレートテクトニクスに基づくようになってから、まだ半世紀である。
ワシが高校生になるころまでは、「なんらかの力が働いて土地が隆起した」とか「なんらかの力が働いて断層が動き、地震が起こる」とか、そんな説明が教科書に載っていたのだ。

だから、地震の予知や津波被害の正確な予測ができないことは、科学の敗北ではないし、これが科学の限界とは言い難い。
そもそも「科学的」というのであれば、絶えず検証し、定説を覆し、より妥当な仮説を構築して、結果を確率論的に推定することしかできない。
それ以上のこと、たとえば「安心安全」を保証することはできない。

科学的な(つまり捏造されたものや意図的に選択されたものでない)観測事実と、科学的な(思い込みや一方的な主張でなく多くの人によって検証された)仮説に基づいて判断し、行動すること。
そして、思い込みや一方的な押し付けを排除することで、互いを尊重する社会をつくること。
これが過去の人類の悲惨な歴史から学んだ、現代に生きるワシらの行動指針のはずなのだが。

過去の苦難や現在の悲惨な状況や将来起こるであろう危機に対し、科学技術だけで対応できるわけではないだろう。
過去についてどのように評価するか、現在の状況をどのように判断するか、将来をどのように構想するかについて、科学的な手法は必要であり有効だが、その評価・判断・構想を行うのは「人」である。
ということは、その「人」の認証バイアスによって歪みが生じうる、ということである。

たとえば、核兵器の原料となるプルトニウムを産み、自然・人為の災害や戦争による破壊の危険があり、ちゃんと運用できたとしても大量の放射性廃棄物を十万年単位で残す原子力発電所。
「科学的」に判断すれば、運用停止・廃棄するのが妥当という結論に至りそうなものだが……。
それなのに、(対ロシア制裁に伴うエネルギー不足への対応として)原発の再稼働を求めたり、(防衛力増強と称して)潜在的核保有の有用性を語ったり、地震・津波・火山噴火による被害を過小評価したりする人がいるのはなぜか?

科学の限界は、「人は誰もが科学的に考えられるわけではない」ところにあるのかもしれない。

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2022/03/08

脳に虫が湧く話

まさか21世紀に入って五分の一も過ぎてから、大国が戦争を始めるとは思わなかった。
パンデミックとか、温暖化とか、世界中の人々が協調し、知恵を出し合わないと人類の存続すら危ぶまれるときなのに、なんで隣国に戦争を仕掛ける指導者が出てくるのだろう?

そうか、脳に虫が湧いちゃったんだなぁ。

もちろん、生物学的に言って、脳内に虫、というか異種の生命体が自然発生することはない。
既知の生命体はすべて、その親となる生命体から遺伝子を受け継いで発生するのであって、突然湧いて出てくることはない。

脳内に寄生虫が入って炎症を起こし、異常な行動をとることがあるそうだ。
カタツムリやカエルを生で食べないほうがいいと警告する記事がナショナルジオグラフィックに載っていた。

脳に入る寄生虫が温暖化で北上、ナメクジに注意
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/032000125/

この広東住血線虫はナメクジが這った跡に潜むことがあるそうだから、生野菜もよく洗うか、加熱して食べるほうがよいという。
そこらへんの野草の葉や草木の実を摘んで食うことにもリスクがあるってことか……。

こういう寄生虫以外にも、脳内に湧いて厄介な「虫」がいて、「ミーム」と呼ばれている。
ミーム(meme)は、ヒトの脳の中で発生し、ヒトからヒトへ伝播し繁殖する「概念」である。
生物の遺伝子(gene)と同様に、変異しながら受け継がれて行き、増殖したり絶滅したりする。

ミームの代表例は「神話」だろう。
どんな民族の神話も、数百年、数千年にわたってヒトの脳から脳へと変異しながら受け継がれて来ている。

古くから会話や伝承、書物がミームを媒介してきたが、現代ではメディア、SNSがミームを媒介する。
そう考えると、言語はミームを運ぶために生み出されたのかもしれないし、人類はミームを発生させ増殖させるように進化したのかもしれない。

有用なミームもいっぱいあって、科学技術だってミームである。
「工学におけるマーフィーの法則」や「ロボット工学の三原則」なんかはワシは大好きでなのだが、これが有用と思うかどうかは人によるだろうなぁ。

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宗教やイデオロギー、偏見や思い込みもミームである。
プーチンの脳の中で発生した「大ロシア帝国」というミームがウクライナの人々を殺し、苦しめているのだとしたら、迷惑な話だ。

寄生虫に効く薬はあるが、ミームに効く薬ってあるのだろうか?
なんてことを考えたら、「薬剤抵抗性ミーム」なんていうしょうもないミームがワシの脳内に湧いてきちまったよ。

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