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2022/02/05

進化に方向性はない(これ書くの何度目かな)

よくある誤解として、「より良くなる方向へ進化する」というものがある。

もちろん、これは生物学的には誤りで、進化に方向性はない。

たとえば、魚類→両生類→爬虫類→(下等な)哺乳類→霊長類→人類、という進化の方向性はない

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だって、魚類も爬虫類も、いま生きてるじゃん。

魚類や爬虫類と共通の祖先から、変化しつつ生き残ってきた生き物たちを、いま目にしているのだ。

生き残った理由も「より良く変化したから」ではなく、環境の変化に適応できたからだったり、たまたま生き残れたからだったりする。

一例を挙げると、1億年以上繁栄した恐竜が絶滅し、哺乳類の祖先が生き残った理由は、小惑星が衝突したことによる地球環境の激変だった。

なんでこの話をまた書いているかというと、「ウイルスは弱毒化する方向へ進化する」という俗説がまたぞろ巷で広まっているからだ(巷で広まるから俗説なのだから、同義反復か……)。

確かに、SARS-Cov-2(COVID-19病原ウイルス)のオミクロン株はデルタ株に比べて感染力は増したが、重症化はしにくいようである。

だがこれは、「ウイルスが弱毒化する方向へ進化した」わけではない。

マスクの着用や行動制限、ワクチン接種などの対策をしてきたからこそ、デルタ株が蔓延することができなくなり、代わってオミクロン株が広がったのだろう。

したがって「ウイルスは弱毒化するから何もせずに待っていれば、コロナはただの風邪になるだろう」などと思っていはいけない。

新型コロナウイルス感染症を風邪やインフルエンザ並みにするためには、マスク着用などの感染防止、ワクチン接種による重症化防止、そして治療薬の開発などにより、対策を続けなければならないだろう。

我々の身体や行動がウイルスにとっての環境そのものだから、我々の対策によって環境を変えることで、ウイルスを進化させることができる……だろうか?

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