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2021/06/19

『三体Ⅲ 死神永生』と『サイレント・ランニング』

『三体Ⅲ 死神永生』をKindleで読み終えたとき、まず思ったのは「えっ、ここで終わりか?」ということだった。

『三体』では数十年、『三体Ⅱ 黒暗森林』では数百年だった作中の年代が、『三体Ⅲ 死神永生』では一千万年を超えて、ひょっとしたらこのまま、ポール・アンダーソンの『タウ・ゼロ』のように宇宙の終わりと再生まで行くのか?と思ったのだが。

紙の書籍なら残りページ数がわかりやすい。もうじき終わりだなぁということが、文字通り体感的にわかる。しかし、ここが電子書籍の弱点で、唐突に最終ページが来たように感じたのだ。

以下、『三体Ⅲ 死神永生』をまだ読んでいない人は、ご注意いただきたい。

ページを閉じたとき、じゃなくてKindleのスイッチを切ったとき、思い浮かべたのは映画『サイレント・ランニング』のエンディングだった。宇宙船から切り離され、宇宙を漂うドームを描いた、あのシーンである。こんな感じだったかな。

Sketch1624026220462(背景画像 © NASA/JPL-Caltech/University of Wisconshin)

『三体Ⅲ 死神永生』では、主人公たちが退場した宇宙を、直径50cmの生態球(エコスフィア)が漂う。

このラストシーンこそ物寂しくもちょっとした希望を感じさせるが、そこへ至るまでがすさまじい。何しろ、人類の大部分は太陽系ごと葬り去られているのだ。

人類とか宇宙とか、この先どうなるとか、どんなことがあり得るのかとか、アレコレ考えさせてくれる、という点で、いろいろ楽しませてくれたSFである。

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2021/06/16

『進撃の巨人』と生命の目的

『進撃の巨人』の最終巻(34巻)を読んだ。

何を書いてもネタバレになりそうなので、本筋に関することは書かない。

そこで登場人物の一人が語った「生命が生きる目的は『増える』ことだ」というコトバについて。

その、生命についての話の背景に描かれていたのはアノマロカリスやハルキゲニア、オパビニアなどのカンブリア紀の生物だった。

長さ数センチの化石生物ハルキゲニアは、かなり奇妙な生物である。

アノマロカリスなど、カンブリア紀に登場した生物たちをめぐるノンフィクション『ワンダフル・ライフ』(スティーブン・J・グールド著)に描かれていたハルキゲニアの復元図は次のような具合である。

Sketch1623833433957

イモムシ状というかミミズ状というか、細長い胴体には7対の長いトゲのようなものがあり、それで海底に突っ立っていて、背中には触手のようなものが生えている。この触手のようなものの役割や、何を食べていたのかなどの生態は一切不明。丸い頭のような部分も、不定形で本当に頭なのか不明。

……ということだったが、その後の研究により、なんと上下が逆だったことがわかった。しかも前後も逆で、頭かと思われた部分は押し潰されたときに肛門から出た内容物(要するにウンコ)だった。科学とはアップデートし続けるものだから、次々と新しい発見があり、それまでの仮説は覆されるものなのである。

最近の復元図でどのように描かれているかは、『進撃の巨人』137話を参照していただきたい。

さて、「生命が生きる目的は『増える』こと」なのだろうか?

果たして生命に「目的」があるのだろうか?

逆に、発生して以来ずっと存在し続けようとしてきた物質系、生き延びて来た核酸とタンパク質(および脂質や炭水化物などなど)の塊を生命と呼ぶのだろう。

しかも「死」を避けるために増え続けるのではなく、「死」を発明し、すべてを食いつぶすことを避けているのかもしれない。

アメーバやゾウリムシなどの単細胞生物は、分裂して増えるので、事実上死なない。病気や事故、あるいは食われて死ぬことはあるが、老衰はないのだ。

ヒトのような多細胞生物は、体細胞(生殖細胞以外の細胞)の分裂回数には制限があり、病気や事故、あるいは(巨人に)食われるなんてことがなくても、やがて老衰により死ぬのである。そして、後に続く世代に、この地球を明け渡す。

この場合、「『増える』という目的のために死ぬ」と言ってよいものだろうか?

ハルキゲニアのような生物に限らず、生命とはすべて奇妙だ。

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2021/06/12

「逃げること」も考えなくてはならないようだ

3月に富士山ハザードマップが改定され、公開されたという新聞報道を見て、ギョッとした。

これまで、ウチのあたりまでは来ないだろうと思っていた富士山の熔岩が、どうやら到達するようなのだ。

新聞記事の図ではよくわからないので、ハザードマップを探した。

静岡県公式ホームページの中の富士山ハザードマップの中に、「溶岩流の可能性マップ」があった。

PDFだが、マップ自体はラスターデータ(ビットマップ画像)で、拡大するとぼやけてしまうが、スクリーンショットを引用する。

11_yougank_1 

だがどうやら、やっぱりウチのあたりは色が付いているので熔岩に飲み込まれるようだ。

予想が改定された理由は、熔岩流の噴出量が約2倍に変更され、地形データを精緻化したシミュレーションを行った結果だそうだ。

愛鷹山さまが守ってくださると思っていたのに……。

ますますぼやけてしまうが、もうちょっと拡大してみよう。

11_yougank_2

水色の部分は最終的に溶岩が到達する範囲で、噴火から2か月後には、なんと国道246号まで達する可能性があるのだ。

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紫色の部分は熔岩流が一週間で到達する可能性がある範囲で、ウチはここに含まれる。

そこで、富士山が噴火したとき、直ちに避難する必要はないが、一週間のうちには逃げ出すことを考えなければならない。

これまでは、インフラが復旧するまで籠城することを前提に、食料品などを備蓄したり、ローリングストック体制を整えてきた(主体となって実践してきたのはカミさんである。感謝)。

逃げ出すとなると、何をどれだけ持って行くか、持ち出しやすくするにはどうするか、といったことを、改めて考えなくてはならない。

水や食料、衛生資材、衣類、そして書類やデータ。

いやもうこれは、ほんとうにじっくり考える必要があるなぁ。

しかも、災害はいつ起こるかわからないので、計画の立案や実行のスケジュールをどう立てたらよいのやら。

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2021/06/08

さらば Windows 7 の10年

10年前に買った Windows PC 「EPSON ST-150E」をリサイクルに出すことにした。

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東日本大震災後に買ったので、省電力タイプの小型デスクトップであることが決め手となった。

ノートPCにしなかったのは、それまでの経験からキーボードやディスプレイの不調で悩まされたくなかったからだ。

ノートPCだと、キーが一つ不調になっただけで本体をメーカーに送って修理となるが、デスクトップPCなら、予備のキーボードに差し替えれば済む。……とまぁ、そんな風に考えたのだ。

10年間でノートPCの信頼度も上がったが、やはりキーボードはアイソレーションタイプではなく、ストロークの深いほうがいい……というのはまた別の話。

ST-150E は ScanSnap(ドキュメントスキャナ)の母艦としてよく働いた。本棚三つ分の本を自炊する際に活躍したのだ。

思えばこの10年の間に、家庭内のデジタルデバイスの主役はPCからスマートフォンやタブレットに移行し、データもクラウドに置くことが普通になった。

ST-150E は家庭内NAS(ネットワーク接続の大容量ディスク)の母艦でもあり、自炊した書籍のデータや古い写真、そしてもちろん最新のデジタル写真を格納する際に使った。

Windows 7 のサポートが終了し、インターネットに接続することが危険になったので、家庭内LANにだけ接続するようにした

ところが先週末、久々に起動したら、家庭内LANに接続できない。NASも見えない。仕方がないので必要なデータの移動はUSBメモリで行った。

家庭内LANに接続できなくなっては、もはや使う機会もないので、リサイクルに出すということになったのである。

NASも今後はどうするかなぁ……。富士山が噴火するといった非常時に持ち出すのも大変なので、クラウドとバックアップSSDに移行するとか、まぁそのあたりも考えておこう。

ここで唐突に出てきた富士山の噴火については、また日を改めて書くつもりだ。

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