日の丸なんて背負わなくていい
ダニエル・E・リーバーマン著『人体600万年史』によると、人類は進化の過程で「アスリート」の体型になったらしい。
好むと好まざるとにかかわらず、私たちはやや太り気味の、柔毛のない、二足歩行の霊長類であり、糖と塩と脂肪と澱粉をひどく欲しがるが、食物繊維の多い果実や野菜、木の実、種子、塊茎、赤身肉など、雑多な食物を食べるようにいまでも適応している。ゆっくり休んでくつろぐのは大好きだが、いまでもその身体はかつてのとおり、一日に何キロも歩いたり、頻繁に走ったり、地面を掘ったり木に登ったり、ものを持ち運んだりするように進化した、持久力の高いアスリートの身体である。
アジア大会の中継などを見ていると、人類の歴史を、文字の記録の残っていない歴史を感じる。
競技を観るのは面白いのだが、アナウンサーがウザい。
「金メダルの数がいくつになった」とか「日の丸を背負って」とか「国家の威信をかけて」とか、どーでもいいわい。
一人ひとりの選手が思う存分力を発揮してくれれば、それでいいじゃないか。
国家とかがしゃしゃり出て来るとロクなことがないからね。
日の丸背負ってよその国で悪いことした過去があるわけだし。
だから、十種競技のゴール後に、選手たちがみんな、国旗の付いたユニホームを脱いで、上半身はだかになって互いを讃え合う姿は清々しかった。
そうだよ、みんな、立ち上がって歩き始めてから600万年、ここまで走り続けてきた仲間だからね。
| 固定リンク
コメント