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2016/03/01

テクノロジーの落とし穴

ITとかICTとか、いわゆる最先端のテクノロジーにかかわって20年近くなる。
「いわゆる」を付けたのは、この分野では新しければ良いというもんではない(*)からだ。

一方、いくら実績があっても、テクノロジーの実地運用には落とし穴がいっぱいある。
その一つが、リストから漏れている項目が必ずある、ということである。

基幹サーバの置き換え、新しいWebサービスの開始、など、いつもドキドキする。
稼働開始が迫ると、何度もチェックリストを見る。
もちろん、リストの項目はすべてOKだ。

だが、開始すると何かが起こる。
確率の小さいできごとはリストに載せないし、想定外のできごとはリストにできないから、「漏れ」になる。
そしてマーフィーの法則によれば、「可能性のあることは起こる」のである。

普段はつながない、臨時業務用の端末がすごく古くて新システムが動かない。
長年使ってきたケーブルが断線する。
DVI(デジタル・ビジュアル・インターフェイス)ケーブルのコネクタの形状が微妙に違ってつなげない。
チルダ(~)を使ったURI(インターネットアドレス)が文字化けする。
スイッチングハブが初期不良。それは想定内で予備が買ってあるのに、他の機器の梱包に埋もれて見つからない。
等々。

幸いにして、ワシがかかわってきたテクノロジーの分野では、稼働開始時に不具合があっても、直ちに生命に危険が及ぶようなことはなかった(せいぜい胃に穴があくくらいだ)。
生命に危険が及ぶようなテクノロジーにおいては、チェックリストの漏れは許されない。
ましてや、緊急時対応マニュアルを読んでなかった、なんてことは、ないよねぇ。

現実には、世界最高水準の厳しいチェックリストに従っているはずの原発で、冷却水が漏れたり発電機が止まったりする。

人間が運用する限り、そして世界が複雑系である限り、テクノロジーに「絶対安全」はないのである。

*商用には枯れた技術のほうが安心だ。
「枯れている」とは、欠陥やバグがほぼツブされていて、不具合が起きにくい状態を指す。
新製品(ソフトウェアのバージョン1)は買うな、と言われるのは枯れていないからである。
かといって古いものを大切にし過ぎると、他のシステムとの連携や互換性に支障をきたす。
例えば、Windows XP は安定していて良いOSなのだが、サポートが切れていてセキュリティの「穴」になるし、対応するアプリケーションソフトウェアも減っていくだろう。
というわけで社内の Windows XP のリプレイスを手伝っていて、毎日不具合と戦っているのだ。

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