スマートウォッチとは何だろう?
スマートウォッチが通信機能をもちスマートフォンと連携する腕時計、というか、腕につける小さなコンピュータであることはわかっている。
かばんやポケットの中のスマートフォンへの着信を、腕につけた装置が振動で教えてくれる、なんてのは魅力的である。
だが、自分で時刻を合わせる機能だけでも充分にスマート(賢い)ではないか、などと思ったのだ。
1年ちょっと前、「腕時計復活後10日」に次のように書いた。上の写真の左側、39年前のメカニカルウォッチについての記述である。
「時刻を合わせるという、この行為は、電波時計やコンピータが勝手に合っちゃう昨今では無駄な作業ではあるが、その反面、すごく人間的かも、と思った。
なんといっても、時計のくせに人間が時刻を教えてやらなくてはならない、というところがカワイイではないか。」
それなのになぜ、次に買う時計としてメカニカルではなく電波ソーラーウォッチ(上の写真の右側)を選んだのか?
それは、スマートフォンで確認した時刻に時計を合わせる、という行為が倒錯的だなあと思ったのと、時間は時計に教えて欲しいなあ、と思ったからである。
そこで、電波時計。
時報電波を受信し、自動で現在時刻を表示するなんて、なんとも賢い(スマート)ではないか。
よく考えたら、PC(パーソナルコンピュータ)やらスマートフォンやらタブレットやら自動車やら何やら、面倒を見てやらないと調子の狂う機械に囲まれている。
だから、面倒を見なくてもちゃんと動いてくれる機械が欲しかったのかも知れない。
小さなコンピュータであるスマートウォッチでは、そのメンテナンスにまた時間をとられる。
もちろん、機械の面倒を見るのが趣味なら良いだろう。
だがワシは、みなさんが思っているほど、機械の面倒を見るのが好きなわけではない。
PCなんぞは仕事で毎日面倒を見ているので、ときどきウンザリして休日にはまったく触れないこともあるくらいだ。
だから、勝手に時刻を合わせてくれる……受信結果を確認すると1/20秒計の針が「OK」を示し、またテーッと動いて「0」に戻る、そういう動作がかわいく思えるのである。
ところで、時計を眺めていると、わからなくなることがある。
時計の針は時が過ぎ去っていくことを物理的に表しているだけなのか?
時計の針が動くことで、人は時が過ぎ去っていくように錯覚してしまうのか?
時間というものが現実に存在し、自分や宇宙のすべてがその軸にそって動いているのだろうか?
それとも時間なんていうものはなくて、自分や周囲の「変化」を感じているだけなのだろうか?
時計の針を眺めていてもそれが逆転しないのは、機構的に逆転しないようになっているからと言い切れるのか?
そもそも時間そのものが存在せず、エントロピーが増大する「向き」しかないため、逆転することは不可能なのか?
いつの日か、針のない腕時計、小さなコンピュータであるスマートウォッチが、この問いに答えられるときが来るだろうか?
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