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2015/04/27

ようやく『ディアスポラ』を読み終えた

ネパールの地震は情報が入るたびに大きな被害が明らかになる。
ヒマラヤ登山のベースキャンプを襲う雪崩の映像を見ては、その速さに驚く。
プレート境界にできた巨大山脈は、当然地震の巣であるわけだが、その話はもう少し情報を整理してから書きたい。

さて、『ディアスポラ』はオーストラリアのSF作家グレッグ・イーガンのハードSF長編である。
ハヤカワ文庫なら、けっこう厚い長編であっても、たいがい二日か三日で読み終わる。
しかし、『ディアスポラ』は三週間かかった。
途中で別の本(マンガやユーザインタフェースの本)を読んでしまったということもあるが、それも『ディアスポラ』がけっこう取っ付きにくいからである。

何しろ、「人間」は数人しか出てこない。
主人公ヤチマやその仲間たちはみな、「ポリス」と呼ばれるコンピュータ内の都市に住むソフトウェアなのである。
中には生きた人間をスキャンして作られた「人」もいるが、主人公はイチから創造された人格である。
人間のDNAを元に仮想的なニューロンを作り、そのネットワークを発火させることで存在する人格……主人公がこんな具合だから、感情移入がしにくいのだ。

おまけに、ワームホールを用いた超空間航法の開発(結局失敗する)やら、自然発生した炭水化物オートマトン上の知性やら、五次元空間の惑星上のヤドカリに似た知的生命体やら、仕事で疲れたアタマでは付いていけない光景のオンパレードなのである。
もちろん、中性子連星の衝突によって発生したガンマ線バーストが地球環境に及ぼす影響とか、肉体を持つ人間とロボットにダウンロードされた「ポリス」市民のコミュニケーションとか、興味深いエピソードもたくさんあった。

だからイーガンのSFは面白いのだが、何しろ疲れるのである。

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