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2014/11/05

死してなお機能するメカニズム

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玄関先のタカサゴユリが昨日から種子を散らし始めた。

果実が乾燥して開き、風に揺れて種子が飛ぶ。

乾燥した果実、ということは死んだ組織である。
死んだ組織ではあるが、乾いて割れるだけでなく、繊維が残って「かご」のようになっている。
同じく死んだ組織である茎の先に高く支持された果実は、風が吹くたびに種子を少しずつ散布する役割を果たす。

「生物学」では、このような「死物」についても観察し、考察する。
樹木なんて、生きているときからその乾燥重量の大半が「死物」である(「材」は死んだ組織である)。
川をさかのぼって死んだ親のサケの死体は、栄養分となって子魚のエサのプランクトンを増やす。

生物は、死してなお機能するメカニズムである。

死ぬことによって子孫の役に立つ個体の遺伝子は、当然のことながら生き残りやすい。

反対に、死んだら子孫の生存を邪魔するような個体の遺伝子は、残らない。
種としては、絶滅するだろう。

死んだ後に数万年も何十万年も残る放射性物質で子孫の生活を邪魔するような生物種は、やはり長くは生き残れないだろうなぁ。
少なくとも極東の個体群は、次の巨大カルデラ噴火で絶滅する可能性があるかもなぁ。
夏目漱石の『三四郎』に登場する広田先生ではないが、『滅びるね』と他人事のように言いたい気分である。

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