« 無季節自然現象 | トップページ | 火山という火山は、すべて活火山 »

2014/09/30

火山国の心得

木曽御嶽山の噴火の犠牲になった方々を悼み、その遺族の方々にお悔やみ申し上げます。


山に登っていると、生命の危険を感じることもたまにあるが、噴火に遭遇したことはない。
浅間山の鬼押し出しから山頂の大きな火山岩を眺め、あちこちにあるコンクリートの待避所を見ながら、襲いかかる噴煙や火山弾にどう対処すりゃいいのだろうと考えたことを思い出す。
今回、生還した人たちの記録から、噴煙に覆われてしまうと真っ暗になり、何も見えなくなってしまうことに驚いた。
理屈ではわかっていても、体験しなければわからないこと、他人の経験から学ばなければならないことは多い。


今回の噴火は、地下のマグマが噴出し、大量の溶岩や火山灰を噴き上げるマグマ噴火ではなく、水蒸気噴火だそうだ。
山体の地下水が地下のマグマの熱で沸騰し、火口にたまっていた火山灰や岩を吹き飛ばす現象が水蒸気噴火である。
噴火の規模としては小規模で大人しいものだというが、それでもたくさんの犠牲者が出て、降灰による農業被害も出ている。


噴火予知連絡会の会見によると、水蒸気噴火はマグマ噴火ほどの前兆現象がないので、噴火を予見することは極めて難しいそうだ。
マグマ噴火の場合、地下のマグマが上昇してくるので、火山性地震や山体の膨張などの前兆現象が起こるという。
今回の御嶽山の噴火でも、山体の膨張が起きたそうだが、噴火のわずか7分前だった。


20140929s_20210908214801


さて、水蒸気噴火は予知するのが難しいとして、マグマ噴火は予知することは可能なのだろうか?
どうも、火山の専門家の意見を見ていると「前兆現象を捉えることはできるが、予知は困難である」ようだ。


にもかかわらず、川内原発の再稼働は火山噴火が予知でき、噴火の前に原子炉を停止できることを前提としている。
これには大きな問題が二つある。


(1)火山噴火は予知できるのか。そして、火砕流や溶岩が原発に至る前に原子炉を停止し、核燃料を抜き取って安全な場所まで運ぶことができるのか。


(2)前兆現象が起こるたびに原子炉を停止し、核燃料を抜き取って安全な場所まで運ぶことができたとしよう。だが、前兆現象が頻発したとして、その度に原子炉を止めていたら、果たしていつ稼働するのか。採算がとれるのか。


世界の10%の火山が集中する火山国に、世界の10%の原発があるって、変じゃないですか?
世界有数の火山国としては、火山と共存するために、もっと良い産業、もっと良い経済政策を考えたほうがよいのでは?
「原発がないと経済成長ができない」というお題目は、火山国の心得に反するのではあるまいか。
少子高齢化の進む火山国では、成長より成熟が必要ではないのねぇ。

|

« 無季節自然現象 | トップページ | 火山という火山は、すべて活火山 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 火山国の心得:

« 無季節自然現象 | トップページ | 火山という火山は、すべて活火山 »