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2014/07/05

緑のすべての色

緑のすべての色

玄関先の緑。
緑色植物というけれど、その葉の色は黄色から赤まで様々だ。

光合成色素クロロフィルをもつ植物を緑色植物という。
クロロフィルは緑色の色素だが、葉の細胞には黄色いカロチノイドや赤紫色のアントシアンも含まれる。

上の写真のナンテンやヒメツルソバが赤味を帯びているのはアントシアンが多いからだろう。
傷んだ葉が赤くなることがあるのも、アントシアンの色だ。
死にゆく葉がクロロフィルを分解して緑色を失い、光合成により貯蔵していたデンプンを糖に変え、さらにアントシアンに変化させる。

光合成について、小・中学校の理科では次のように習う。

水+二酸化炭素+光エネルギー→デンプン+酸素

光合成とは、水と二酸化炭素という単純な物質から、光エネルギーを用いて栄養分と酸素をつくる、ということだ。
オオカナダモのような水草を使った実験で酸素が発生することや、ヨウ素液を使った実験などでデンプンができたことを確認したりする。
高校の生物では、光合成の原料物質と生産物を次のように表す(化学式を使わずに書いてみた)。

水+二酸化炭素+光エネルギー→ブドウ糖+酸素

生産物がでんぷんではなくブドウ糖になっているのは、化学反応の前後の原子の数を合わせるためだ。
実際には、かなり複雑な過程を経てブドウ糖ができ、直ちにブドウ糖が多数結合してデンプンになる。
ブドウ糖1分子ができるときの説明として、上の反応式が用いるのだ。
上の反応式に分子数を添えると、次のようになる。

水6分子+二酸化炭素6分子+光エネルギー→ブドウ糖1分子+酸素6分子

さて、ここで質問。
光合成の結果生成される酸素(O2)は、もともと原料物質の水(H2O)に含まれていたものか、それとも二酸化炭素(CO2)に含まれていたものか?

答えは、高校の生物の教科書にある。
光合成の排気ガスである酸素は、原料物質の水の分解により生成されるのである。
水分子を分解するとき、クロロフィルが吸収した光エネルギーが使われる。

分解された水のうち、酸素は酸素分子として葉から排出される。
その酸素をわれわれ動物がありがたくいただくのである。

分解された水のうち、水素は水素貯蔵物質に渡され、さらに二酸化炭素からブドウ糖を合成する工程に引き渡される。
つまり水素が光エネルギーを蓄えた燃料の役割をするのである(一時的に……数マイクロ秒の間だが)。
そのエネルギーは最終的にデンプンなどの有機物に蓄えられ、われわれ動物がありがたくいただくこともある。

水素に蓄えられたエネルギーを利用する仕組みとして、燃料電池が最近注目を集めている。
トヨタが販売を始める燃料電池車は、「究極のエコカー」と呼ばれている。
貯蔵してある水素と空気中の酸素を用いて電気を作り出し、その電気で走るので、廃棄物は水だけだからだ。

しかし「究極の」と言ってしまって良いのかどうか……。
現在、燃料電池車に燃料として供給する水素ガスは、石油を生成する過程の副産物として得られるものだ。
それに、石油精製工場から水素ガスステーションまで水素を運ぶには、タンクローリーを使う。

やはり、「究極のエコカー」と言うのであれば、水素も自前で調達したい。
つまり、水道水や雨水や空気中の水蒸気を分解して水素を得られればいいのに、と思うのだ。
水を分解するにはエネルギーが必要である。
そのエネルギーとして、太陽光などの光エネルギーを使えないだろうか。

ガソリンスタンド(または水素ガスステーション)まで車を運ぶ代わりに、日当たりの良い駐車場に置いて、水をかけてやる。
車は屋根のパネルで日光を受け、水を分解し、水素を生成してタンクに蓄える。
その水素は燃料電池に送られ、電気を生み出す。
その電気はドライブに使えるだけでなく、家庭の電源としても使える……。

……えーと、水素という軽い物質を使うのは効率が良くないかもね。
車の屋根には太陽電池パネルを設置して、発電した電気をバッテリーに蓄えるほうがストレートかも……。
まぁ、水素とバッテリーと、どちらがエネルギー貯蔵に適しているか、という話であって、それは技術の発展によって変わるだろう。
燃料電池と太陽電池のハイブリッドカー、なんて車も作られるかもしれない。

いずれにせよ、近い将来「青空駐車場」は野ざらしの安い駐車場という意味から、エネルギー補給可能な駐車場という意味に変わるだろう。

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