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2014/03/29

植物は、動く

春になるたびに、庭を見て思うことがある。
「植物は、動く」ということだ。
動物は動く生き物で、植物は動かない生き物だと思っている人が多いだろうが、そんなことはない。
「植物は、動く」のである。


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つい先日、上のムスメが庭のアチコチで咲くハナニラの白い花を見て、「アレ? 花を植えたの?」と言った。


いや、こんを飼うようになってから、掘り返されるので花壇を造るのはやめている。
これらのハナニラは、勝手に増殖したものだ。


引っ越してきた当時(2003年)、庭のどこにハナニラがあったか覚えていないが、ほんの数株だったはずだ。
そこから10年かけて庭中に広がったのだが、どの程度が種子の拡散によるもので、どの程度が地下茎の伸長によるものだろうか。


ユリ科植物が地下茎を横に伸ばして移動することは、よく知られている(植物生態学に興味がある人には、だけどね)。
高山植物を保護しようとして場所を指定しても、植物が移動して出て行ったりしてしまうのだ。


ただ、地下茎による移動は、当然のことながら「すごくゆっくり」である。
ウチの庭の場合、芝生の造成の際などに、庭のほかの場所から持ってきた土の中にハナニラの地下茎が混じっていて、それで移動した、なんてこともあるだろう。
人為的な移動だが、植物生態学的には「動物を利用した拡散」である。


庭の真ん中にハナニラが茂ると、邪魔だし寝転ぶと服ににおいが付く。
だから、庭の真ん中に植えた覚えはないのだが。


庭の真ん中といえば、上の写真では中央に大きなトウカイタンポポの株がある。
これも植えた覚えはない。
写真の左奥にもトウカイタンポポの株があるが、ここに一株植えた(近所の公園の端にあった一株を失敬したのだ。ドロボーしてすみません)。


トウカイタンポポの場合は、種子散布により移動したと思われる。
要するに「タンポポの綿毛」のうち近くに落下したものが、環境が良いので盛大に茂ったということだ。


タンポポのなかまの中には、セイヨウタンポポのように無性生殖で分布を広げるもののいる。
畑を耕すと、ゴボウのような根が切れてアチコチにばらまかれ、そこから茎や葉が生えてくる、という具合なのだ。


シバやドクダミが地下から隣家に侵入しようとしているのも困ったものだ。


こうしたゆっくりとした動きのほか、カタバミやゲンノショウコの果実がはじけて種子を飛ばしたり、ミツバアケビやヤブガラシがつるを伸ばしてフェンスを覆ったりといった、比較的早い(秒~時間単位の)動きも、ウチの庭で見ることができる。
動物たち(ウチの場合、こんやワシ)がぼんやりしている間にも、植物たちは確実に動き、好き勝手に版図を拡げているのである。

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