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2014/01/31

STAP細胞とクラークの法則

小保方さんがSTAP細胞の論文をイギリスの科学雑誌『Nature』に投稿した際、最初は「過去数百年にわたる細胞生物学の歴史を愚弄している」と酷評されたそうだ。

ここに、クラークの第一法則が適用される。

著名な年輩者の科学者が、かくかくしかじかのことは可能であるといったならば、ほとんどの場合それは正しい。だが、これこれのことは不可能であるといった場合は、誤りであることが非常に多い。

まあそこは科学の世界。
誰がどう思うかではなく、誰もが追試によって再現できれば(かなり確実な)事実となる。

逆に、いくら世界が騒ごうが、再現できなければニセモノである。
1989年に話題となった常温核融合のように。

いやアレ、本当に実現していれば、世界のエネルギー生産は根底から覆り、原発は消滅して福島第一原子力発電所の事故もなかったのにね……。

「愚弄」の話の載った今朝の天声人語の上に、電力業界が自民党議員向けに作ったという原発再稼働を推す文書の記事があった。
例の「国産エネルギーに乏しい我国」といった、不安を煽り、自らを利するための文言が写真に写っていた。

何が国産だ。
そして乏しいのはどんなエネルギーか。
またなんか妙にあいまいな形容詞を冠した文言で、非常に非科学的だ。
本来、科学的に考えるべきエネルギー問題を、企業や政治家の利益の問題にしちゃうからヘンなのだ。

ここにも第一法則が適用される。

「再生可能エネルギーは不安定なので、再生エネルギーだけで必要な電力をまかなうことは不可能だ」と偉そうなヤツが言っても信用できるか。

電力業界でも、良心的な(曖昧な表現でスマンね)技術者の中には、よりスマートな電力供給を研究・実現したいと考える人もいるだろうに。

ここはクラークの第二法則を適用すべきだろう。

可能性の限界を知る唯一の方法は、可能の域を超え、不可能の領域まで入ってみることだ。

将来に禍根を残す「非倫理的エネルギー」である原子力発電ではなく、不安定な再生可能エネルギーやマイクロ発電を組み合わせて、必要な電力を地域でまかなうようなしくみは、「不可能」なのだろうか。

それを試すことなく、もう何十年も足踏みしている核燃料サイクルに税金をつぎ込むというのか?
高速増殖炉の可能性の限界は、もんじゅの事故で明らかになったように思うが。

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