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2014/01/30

すべての細胞は万能細胞か

昨夜、梅酒のウメ食っていてロの中を切ってしまった。
種子の先の尖ったところが当たったのだ。

こういう傷はいずれ傷口の細胞が分裂し、粘膜が再生して直るので放置してある。
細菌感染してアフタ性ロ内炎になる可能性や、再生の度が過ぎてポリープになる可能性もあるが。
じつは昨夜切ったのと反対側の頬の内側には、すでに小さなポリープができている。

さて、今話題のスタップ(STAP: Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency)細胞。
理研の小保方さんが発見というか開発というか、とにかく作成することに成功した万能細胞である。

哺乳類などの高等動物の体をかたちづくる「体細胞」は、表皮や筋肉などの特徴ある組織を形成するように「分化」している。
ところが、若いマウスの細胞に物理的刺激や化学的刺激を加えると、脱分化してあらゆる細胞に……場合によっては新しい個体になるという。

体細胞を「初期化」して万能細胞にする方法としては、すでにiPS細胞が開発されているが、STAP細胞はより簡単な手法として期待できるそうだ。

オレンジジュース程度の弱酸性の液体に浸されただけで体細胞が万能細胞となる、という「世紀の発見」に、マスコミも大騒ぎである。

だが待てよ。
もともと、すべての細胞には全能性があっても不思議はない。
なにしろ、すべての細胞には、全ゲノムが……個体を形成するためのすべての設計図が備わっているのだから。

それなのになぜ、若い胚だけが全能性を持ち、分化した体細胞は全能性を失うのか。

じつは、すべての細胞が全能性を持つのだが、分化した細胞では抑制されているのではないか。
iPS細胞やSTAP細胞では、遺伝子の導入や刺激によって、その抑制(ブレーキ)が外されるのではないか。

ニコチンなどの薬物刺激などによって、細胞はガン化する。
全能性を取り戻した細胞が暴走するのである。

なんてことを考えていたら、ちょっと心配になってきた。
ワシの口の中のポリープは大丈夫かな。ガン化しないかなぁ。

そういえば、ガン細胞は不死でもあるらしい。
健康な体細胞はある程度の回数、分裂を繰り返した後、分裂する能力を失い、増殖しなくなる。
そうやって体は老い、死んでいく。
ガン細胞はとめどなく増殖し、個体(患者)の命が尽きるまで栄養を奪い続ける。

ひょっとすると死も、多細胞生物の進化の過程で、ブレーキとして追加された機能なのではなかろうか。
もともと細胞は永遠に分裂しながら生き続けるものなのだ。
ブレーキの外れたガン細胞は、もととも細胞が持っていた能力全開で行き続けようとして、個体を死なせてしまう……。

健康な個体にも、不死の細胞がある。
生殖細胞である。
生命が発生した三十数億年前からずっと、分裂しながら生き続けている。

ワシやアナタを含めて、いま生きているすべての生物が、三十数億年間連綿と続く生命の連鎖の末端にいるわけだが、その誰もが原初の生命の細胞の一部を持っているのである(DNAのカケラかもしれないが)。

ちなみに、男性の生殖細胞(精子)のうち、次の世代に伝わるのは核内の遺伝子DNAだけである。
女性の生殖細胞(卵細胞)は、核内の遺伝子DNAもミトコンドリアの遺伝子DNAも、その他の細胞内の構造物も、次の世代に伝える。
その意味では、男性よりも女性のほうがより「不死」なのかも知れない。

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