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2013/08/20

学校で習うことは役に立たないか

テント場の横を流れる沢の水面が青く揺らいでいた。
その青い揺らぎが岸の落ち葉に近づくと、ぱっと炎が上がった。


ガソリンストーブ(コンロ)から漏れたホワイトガソリンが沢の表面を流れていたのだ。
なぜ火が着いたのかはわからないが、火を消して給油したストーブがまだ高温だったのかもしれない。
幸い少量だったので、燃えきるまで眺めているしかなかった。


もう燃え尽きたかな、と思って岸の石をひっくり返すと、ふたたび炎が上がってビックリした。
砂の中にガソリンが浸み込んでいたようだ。


もう30年以上前、大学のサークル活動の春合宿の出来事である。
ガソリンは揮発しやすいし、-30℃で引火し、300℃で発火するのだから、扱いには気をつけなくてはいけないなぁ、と痛感した。


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▲ガソリンストーブ(MSR-GK)


学生のころは、引火しにくいため比較的安全な灯油のストーブ(ラジウス)を使っていた。
卒業後、単独行でテント泊を繰り返すようになったため、軽量で火力の強いガソリンストーブを使うようになった。


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▲ガソリンは灯油や水と間違えないよう、専用のボトルに入れる


ガソリンは引火・発火しやすいだけではない。
30℃前後で沸騰するのだ。


そこで、ガソリンタンクが温まらないよう、屋外でも自動車の車内でも、置き場所に気を遣う。


沸騰していなくも、タンクの中で気化し、内圧が高まる。
そのため、フタを開けると急激に減圧し、沸点が下がる。
減圧により沸騰しやすくなるのだ。


沸騰とは、液体の内部で起こる気化である。
液体の内部で泡が発生し、はじけることによって液体が飛び散る。


ガソリンタンクのフタを開けるときには、必ず少しだけ開けてそのまま保持し、ガソリンの蒸気を抜く必要がある。
ガソリンタンクの中には、フタのほかにガス抜き用の栓を設けているものもある。
もちろん、圧を抜くときも火気厳禁だ。


こうした基本的なこと……大半は中学までの理科で習うこと……をおろそかにすると、大惨事を招くこともある。


一見平和な世の中も、じつは危険のタネに満ちている。
学校で習うことなんて役に立たないという人がいるが、それは大間違いだ。


もちろん、いくら知識があっても危機を回避できるとは限らない。
襲いかかる危機を避けられず傷を負ったり命を落とした人は、運が悪かったとしか言いようがない。
座っていた場所がほんの少し違っていただけで、命を失うことがあるとは。


たとえ襲いかかる危険を回避することが難しいとしても、自ら危機的状況を「起こさない」ようにするために、持てる知識を役立てて、頭を使っていきたいものだ。


被害者になることを防げなくても、加害者にならないようにしなくては。
戦争を起こさない方法、原発をなくす方法のヒントも、学校で習う知識の中にある。

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