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2013/05/19

低速度層について

今日の午前中は、町内会総出で側溝清掃。
近所のおっさん連中(ワシを含む)がスコップやバールを持って集まり、たまった泥をすくい上げ、消防ポンプの水で洗い流す。
可搬ポンプの動作試験や消防ホースの取り扱いの練習を兼ねているのだ。
ホースもバールも側溝のフタも重かったので、明日以降の(ワシだけでなくおっさん連中全員の)筋肉痛が心配である。

さて、この町内から80km西に浜岡原子力発電所がある。
浜岡でメルトダウンが起これば、町内の側溝清掃は不可能となるだろう。

ということで、「浜岡原子力発電所の地震対策」のチラシについて。

だいたいこんな感じである。

20130515_a_s

20130515_b_s

DTPのプロとして(無資格だけど)ツッコミたいところはイロイロあるが、今回はチラシの体裁ではなく中身の「低速度層」について。

調査の結果、5号機の地下に「低速度層」があり、1~4号機よりも大きな揺れに見舞われるおそれがあるという。
そのため、独自基準を設け、対策するということだが、そもそも、なぜ「低速度層」があると地震の揺れが大きくなるのか?
その説明は一切ないので、このチラシを読んだだけでは「5号機だけ特別な配慮が必要らしい」ということしかわからない。

つまり、こういうことだろう。
地震波(この場合はS波)にしろ音波にしろ光(電磁波)にしろ、波は媒体によってその速度が変わる。
例えば、光は空気中から水中に入るとき、あるいは水中から空気中に出るときに速度が変わり、その結果進路が変わる。
コップに入ったストローが曲がって見える「屈折」は、このように光の速度が空気中と水中で異なるために起こる。
空気中とガラス中の光の速度の違いと、屈折する面の形状を利用した器具が「レンズ」である。

Lens

5号機の地下のように、岩盤の中にレンズ状の低速度層がはさまっている場合について考えてみよう(下の図は、上のチラシの一部を拡大したものである)。
特定方向尾からやってきた地震波が、低速度層の「レンズ」を通って地表付近に集中したら……その地点は、他よりも大きな揺れに見舞われるだろう。
……そこで、5号機ではほかの原子炉よりも大きな揺れに対する対策が必要となる。

20130515_b_undrgrnd

ここで二つの疑問が生じる。

(1)揺れだけに対する対策で十分なのか?

浜岡原子力発電所地下の岩盤は砂岩と泥岩が混ざった地層だそうだ。
その中に挟まっている低速度層は、ナニモノなのか?
関東地方の海岸部の地下にも低速度層がたくさんあり、東日本大震災では大きな被害をもたらした。
海岸部の被害の原因は「液状化」である。

5号機の地下の低速度層は液状化しないのだろうか?
地表に影響は及ばないのだろうか?

(2)低速度層の成因は何か?

なぜ、岩盤の中に質の異なる低速度層が挟まっているのか?

御前崎の南にある南海トラフでは、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込んでいる。
フィリピン海プレートがユーラシアプレートを押し続けているため、両プレートが歪み、エネルギーが溜まっている。
そのエネルギーが解放されるとき、東海地震(震源域によっては東南海地震あるいは南海地震)が発生する。

プレートに溜まった歪みのエネルギーがもたらすものは、このようなプレート境界型の地震だけではない。
強い圧力のかかった岩盤には、ひびが入る。
ひびが入り、ずれれば断層となる。
ずれる際に起きる地震動が、断層型の地震である。
ひびやずれの部分では岩盤は破壊され、破砕帯と呼ばれる。
実際に断層を観察すると、破砕帯はぐずぐずになった岩石だが……こうした部分に水が含まれたとき、低速度層になったりしないのだろうか?

低速度層として観測された部分が、地震に伴って大きくことはないのだろうか?

杞憂かなぁ……。
そもそも、海底堆積物と海底火山の噴出物が大陸プレートの縁にかき寄せられて生じた「付加体」と火山列が日本列島を形作っている。
そんな「寄せ集め」の岩盤の上に原子力発電所なんていう危険なものを置いて平然としている神経は、ワシは持ち合わせていないのだ。

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