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2013/05/31

福島第一原子力発電所事故の生態系への影響

昨日の「モーニングバード」で福島第一原子力発電所の事故後、周辺地域の生物にどのような影響が出ているか、という話が放送された。
ワシはちょうど出勤の時間だったので見られなかったため、カミさんに見てもらい、後で聞いたら、ヤマトシジミの奇形などの話だった。

琉球大学大瀧研究室「フクシマプロジェクト
http://w3.u-ryukyu.ac.jp/bcphunit/fukushimaproj.html

ヤマトシジミは平地で普通に見られる小さなチョウである。
シジミ汁にする貝のヤマトシジミではない。
ウチの庭にもいるから、写真を載せておこう。

P6182391s

ヤマトシジミの翅の裏には、はっきりとした斑紋がある。

Dsc_0258s

福島第一原子力発電所周辺では、斑紋の異常が生じるなど、放射線の影響が見られるという。
この研究については、ネット上では反論、というか批判も多く目にする。
例えば、ヤマトシジミは暖地のチョウなので、東北地方では以前からコールドショックによる斑紋の異常が報告されている、といったものだ。
それに対する回答も掲載されている。
http://w3.u-ryukyu.ac.jp/bcphunit/QandA.html

研究結果が発表され、それに対する反論が提示され、その反論を検証すべく研究する……というプロセスこそ、科学的だと言えるだろう。
反証可能であることが科学的であることの証明であるから、反論を許さないとか封殺するとかいったことがあってはならない。
「放射線によって生態系に大きな影響があったに決まっている」と言って譲らないのも、「この程度の放射線量で生物に影響が出るわけがない」と決め付けるのも、非科学的である。
「影響がないことをご理解いただきたい」なんてのは言語道断だ。

どのような影響があるのか/ないのか、調査し、実験して検証すれば良いだけだ。
少しずつでも、研究結果が蓄積されていくことを望む。

(参考)こんな記事もあった。

東洋経済オンライン「福島原発周辺で「動植物異常」相次ぐ チョウやニホンザルなどに異常、研究者が被曝影響と指摘

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2013/05/26

フクロウ?

5月23日21時ごろ、こんと散歩中にフクロウの声を聞いた。
たぶん、フクロウだと思う。

雑木林の中で、大きな声で鳴いていたのだが、聞き慣れた「五郎助奉公、ただ奉公」ではなかったのだ。

「五郎助奉公、ただ奉公」はフクロウの鳴き声を似た言葉で置き換えたもの(聞きなし)である。
カタカナで表せば、「ホロッホ・ホッホー」といった感じか。

ところが、23日に聞いた声は、
「ホッ・ホッ・ホッ・ホッ……」
という単調な鳴き方だった。

約20秒間に15回ほど「ホッ」と鳴き、20秒ほど沈黙する。
これを繰り返していた。

この時期、この近辺で夜に鳴き声を耳にする鳥といえば、ホトトギスやゴイサギなどいろいろいるが、フクロウの仲間ではアオバズクくらいである。

アオバズクは
「ホッホッ……ホッホッ……ホッホッ……」
と、高い声でリズミカルに鳴く。
そこで、23日に聞いた声はアオバズクではないと確信している。

じつは、録音して比較して見ようと思い、スマートフォンで録ってみた。
だが、ビデオモードで録ったので、音が非常に小さく、ホワイトノイズに紛れそうな程度で、時刻を記録するくらいしか役に立たなかった。
音声(ボイス)レコーダーを使ったほうが良かったのだろうか、と今気付いた……。

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2013/05/25

科学者が常に科学的とは限らない

昨晩のことだが、公園の池の縁の杭に、羽化して間もないと思われるオオミズアオがとまっていた。

Dsc_0267s

スマートフォンの夜景モードを使い、公園の街灯の灯りだけで撮ったので、ちょっとブレている。
この写真を撮るために、嫌がるこんを引きずって池の端まで行ったのだが、通りかかったよそのシバイヌに向かって、こんが走り寄ったため、リードを引っ張られたのだ。
夜の散歩中に写真を撮るのは、こんなこともあって難しい。

ちなみに、右上の明るく丸いものは、月齢14の月である。

ふと思い付いたのだが、オオミズアオは満月の前後に羽化する、なんてことがあるだろうか。
月と動物の行動との間には、深い関係があることがある。
ただし、それが明らかなのは海岸で産卵する海の動物の場合だ。

潮の満ち干と無関係な陸上の動物の行動にも、月の満ち欠けは影響するだろうか?
蛾は茶色っぽい保護色のものが多く、オオミズアオのように明るいものは少ない。
ひょっとして、月夜に行動するから、という関係があるだろうか。

もちろん、ただ一度の観察事実から、オオミズアオは満月の前後に羽化するものだ、と結論することはできない。
単なる偶然かもしれない。
観察を繰り返してデータを蓄積しなければならないし、温度やらなにやら、他に関係ありそうな要因も探さなくてはならない。

どんなに自分が気に入った仮説であっても、それが本当に確からしいものかどうかは、検証してみなければわからない。

ところが、科学者も人の子なので、お気に入りの仮説を捨てきれない場合もある。
科学史を見れば、実験データの捏造や、都合の良いデータだけの公表など、仮説を可愛がるあまり、非科学的な行動をとってしまう科学者の例はいくつもある。

また、科学者が陥りがちな非科学的な行動として、もう一つ、「危険を過小評価する」ことが挙げられる。
実験や観察を遂行するために、自分や周囲を危険にさらすことに鈍感になってしまうことがあるのだ。

J-PARC のハドロン実験施設で放射能漏れ(正しくは、研究者の被曝と施設外への放射性物質の漏出)のニュースを聞いて、連絡が遅れたり、環境中に放射性物質を放出してしまったりした理由は、「危険を過小評価した」からではないかと思った。

科学者が常に科学的とは限らない。
だが、とくに周囲を危険にさらす恐れのある研究については、より慎重であって欲しいと思うのだ。

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2013/05/23

ユスラウメを食べた

庭のユスラウメ。

P5230678ss_20210912163001

ぱっと見には、葉が茂っているだけだが、ちょっと寄ってみよう。

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ちらり、と赤いものが見える。
ユスラウメの果実である。

手前の葉を除けると、たわわに実っていることがわかる。

P5230680s

今年は豊作である。
早速昨日、夕食後に家族で食べた。

じつは、昨年はほとんど食べることができなかった。
果樹栽培では、1年ごとによく実ったり実らなかったりする「隔年結果」という現象が知られている。
栄養を果実に振り向けたら、その翌年は休む、というわけだ。

だが、ウチのユスラウメが昨年不作だった原因は、隔年結果だけではない。
昨年は剪定する時期を間違えた上、ほとんどの実をヒヨドリに掻っ攫われたのである。

P5230678ss

そこで今年は、というよりは昨年から、対策を施した。
まず、秋に葉が落ちるころ、枝を刈り込み過ぎないようにした。
次の写真の矢印の先が、昨年切った部分である。

P5230684ss

そして花が咲いたあと、もう一度刈り込む。
ただし、刈るのは花や若い果実の「ない」枝だ。
「徒長枝」と呼ばれる、春から伸びた長い枝を切る。
だいたい、細くて色の薄い枝で、徒に上へと長く伸びているので(だから徒長枝と呼ぶのだが)、それを刈る。

徒長枝に行く栄養分を果実に回すように、ユスラウメに促すのである。
植物は経済的な原理に従って「投資」する。
栄養状態が恵まれているときには、植物はとにかく枝を広げて勢力を拡大しようとする。
そこで新しい枝への投資(栄養成長)を、果実への投資(生殖成長)に振り向けさせるのである。

徒長枝を刈ることには、もう一つ効果がある。
上へと伸びる枝の頂点を取り除くと、頂点の植物ホルモンにより成長が抑制されていた側方の芽が活動を開始する。
細かい枝が茂り、色づいた果実をカバーする。
鳥が発見しにくくなるので、その分、ワシらの口に入る果実が増えるのである。

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2013/05/22

ひょっとして、読んで欲しくないのか?

ベジェ曲線の夢を見た。
コンピュータで線画を描くときには、曲線の曲がり具合などをベクトルで表現する。
どこからどっち向きに線を引くか、細かく制御する。
その制御がうまく行かず、思うような線が引けないまま納品日が迫る、という悪夢である。

ここ数日、会社で何時間も Adobe Illustrator を使って図版作成に没頭したせいだろう。
仕事で毎日、Illustrator や InDesign を取り扱う。
だからワシは、組版とか表現とかにはウルサイのだ。

さて、連日となってしまっている、中部電力のチラシ批判。
ワシの(現在の業務の)守備範囲である組版ルールについて、ダメ出しを連発する。

20130515_ss

縦組と横組が混在していて、全体をどのように読み進めれば良いのか判りにくい、という点は昨日指摘した。
我慢して読み進めようとすると、読み辛い。

20130515_a_s

なぜ読み辛いのか?
その理由は三つある。

(1)1行が長い(1行の文字数が多い)。
(2)行間が狭い。
(3)ツメ組になっている。

まず、(1)について。
1行の文字数が45字から50字くらいある。
長いと目で追うのが大変なので、本文の1行の文字数は40字以下にすることが推奨されている。

しかも、このチラシは B4判なので、1行の長さが19~22cm もある。
こうなると、1行読んで折り返したとき、次の行頭にすんなりたどり着けない。

ここに(2)の問題点が追い討ちをかける。
JIS X 4051: 2004 では、本文の行間は0.5文字~1文字分空けることとされている(編集技術の用語を用いれば、行送り150%~200%)。
このチラシでは0.3文字分程度の行間しかない。
行間が狭いと、同じ行をもう一度読んでしまったり、1行読み飛ばしたり、といった不都合が起きやすい。

さらに、かなや約物(句読点や括弧)が漢字1文字分よりも狭くなっている。
縦組の本文では、このような組み方をしないものだ。
通常、日本語のフォントは「仮想ボディ」と呼ばれる正方形に収まるようにデザインされている。
その正方形を積み上げるように組んだとき(ベタ組という)、文章が読みやすくなる。
かなも漢字も、そのようにデザインされているのである。

しかし、ベタ組にすると、かなの周囲には多少隙間が空くため、見出しのような短文ではスカスカな印象になる。
そのため、文字の本体ギリギリまで詰めて組「ツメ組」にすることがあるが、あくまで、見出しなどの短文や、横組で1行が短い場合だけである。
縦組では、ツメ組にはしないものだ。
Microsoft Word で「MS P明朝」などのプロポーショナル書体を用いると縦組でもツメ組ができてしまうが、プロはやらない(まぁ、プロは Word も使わないけどね)。

(1)に挙げた1行の長さの問題は、横組の部分でも同様である。
次の図の中央の横組の部分、2行目から4行目にかけては、1行の長さが60字くらいある。
それだけではない。

20130515_b_s

(4)チラシの中央部分にも、文字や図がかかっている。

B4判の紙を保存しようとしたら、中央で折って B5判にするだろう。
そのとき、このチラシでは中央部分の文字や図が擦れたりして読めなくなる。
上の図は、中央で折ってスキャンしたので、中央部に隙間が空いている。
中央で折ることを想定するなら、折り目から左右に 3~5mm のアキを設けるだろう。

アキを設けていないということは、そもそも折って保存することは想定していない、ということだろうか。
つまりコレ(文書名が不明なのでいちばん大きな見出しに曰く「「新規制基準への対応に向けた浜岡原子力発電所の取り組みと、『南海トラフの巨大地震モデル検討会』の強震断層モデルに基づく地震動の影響評価・地震対策の検討状況についてお知らせします。」)は、保存を前提としない、スーパーやパチンコのチラシと同レベルに扱って欲しい、ということだろうか?
原子力発電所のシビアアクシデント(重大事故)対策についての「お知らせ」なのに?

もっと言えば、発行日や文書名、管理番号を記載せず、なんとなくそれらしい文言や図版を散りばめ、読みにくいレイアウトにし、読みにくい組版にして、保存もしにくくし、できれば「ふーん、ちゃんと対策してるんだねぇ」と思って、読まずに捨てて欲しい、という意図で作成したのだろうか。
そんなふうに勘ぐられても仕方のない「つくり」である。

こういう文書を作る費用も、総括原価方式で電気料金に組み込まれているとしたら、中部電力の電気料金を支払っている「顧客」にとっては迷惑なことだ。

ワシは中部電力の顧客ではないが、ワシが払った税金から、電源三法交付金なんかが支払われているのだから、やはり腹立たしいわな。

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2013/05/21

中部電力のチラシが腹立たしい理由

連日批判している中部電力のチラシ、文書名が不明なのでいちばん大きな見出しに曰く「「新規制基準への対応に向けた浜岡原子力発電所の取り組みと、『南海トラフの巨大地震モデル検討会』の強震断層モデルに基づく地震動の影響評価・地震対策の検討状況についてお知らせします。」について。

対策してます、っていうお知らせをしてます、っていう努力としてます、というポーズに見える。
「その点ご理解いただきたい」っていうイヤーな感じが漂ってくる。

キチンと説明する「資料」ではなく、対策してるっぽい「チラシ」であることが腹立たしい。
原子力発電所のシビアアクシデント(重大事故)対策の説明資料が、怪しげな健康食品の説明と同じレベルで良いのかね?

「こんなもの」を作ってばら撒いて、それで「対策してます」ってアリバイを作られても、胡散臭いことこの上ない。
福島第一原子力発電所の事故があったにも関わらす、「こんなこと」をやっているから、腹立たしいのである。

なぜ「重要レベルの低いチラシ」に見えてしまうのか……。
……その理由は、内容はさておき組版の悪さに起因する。

「組版」という用語は編集・印刷・出版に関わる者にとってはお馴染みだが、一般的ではないかもなぁ。
まぁ、「レイアウト」と思ってもらえばいいだろう。

文書名(タイトル)や発行日などがわからないことからして論外なのだが、今回はそこはスルーする(と言いながら書いちゃったけど)。

まず、このチラシはどこをどの順番に読めば良いのだ?

20130515_a_s

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どっちが表でどっちが裏かわからないが、とりあえず中部電力のロゴのあるほうが表だと仮定する。
そのロゴの下の、いちばん文字の大きな見出しが、文書のタイトルの代わりなのだろう、と推測する。

こういう、仮定や推測をさせるようでは、ユーザビリティが低いと言わざるを得ない。
「ストレスなく読めること」が、良いレイアウトの第一条件なのだ。

そして、タイトルと見なした見出しが縦組(縦書き)なのに、対策の詳細な説明は横組(横書き)である。
まぁ、本文が縦組、表や解説図が横組、という文書はよくある。
だが、縦組と横組の領域の面積から見て、全体を横組にしてしまったほうが良かったのではないか。
わざわざ縦組の領域を設けた意味がわからない。

さらに、行の長さ(文字数)が長すぎる上、行間が狭くて読みづらい。
このあたりは、組版規則(JIS X 4051: 2004)に反している。

組版規則については、仕事上、ここ数年みっちり勉強したので、ワシはうるさいぞ。
長くなりそうなので、改めて書くことにしよう。

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2013/05/20

取水口からの津波の侵入、だと?

昨日に続き、中部電力のチラシ「新規制基準への対応に向けた浜岡原子力発電所の取り組みと、『南海トラフの巨大地震モデル検討会』の強震断層モデルに基づく地震動の影響評価・地震対策の検討状況についてお知らせします。」について。
文書名も文書番号も日付も記載がないので、表題っぽいものを記すと上のようになる。

なお、以下に掲載する図は「新規制基準への対応に向けた浜岡原子力発電所の取り組みと、『南海トラフの巨大地震モデル検討会』の強震断層モデルに基づく地震動の影響評価・地震対策の検討状況についてお知らせします。」からの引用で、自宅のスキャナでスキャンしたものを用いた。
落語の「寿限無」みたいだが、引用元を明示するためには仕方がない。

南海・東南海・東海地震の際に、御前崎には21m超の津波が襲来すると予測されている。
これに備えて、浜岡原子力発電所の海側には高さ22mの防波壁が作られている。

東日本大震災で、土台をえぐられて倒れた防波堤(防潮堤)の映像をたくさんみたせいか、あんなペラペラの「壁」で高さ21m超の津波を防げるものなのか、とっても心配である。
なんといっても、津波というのは「波」ではなく、「海」なのだよ?
海が、その巨大な質量と運動量をもって押し寄せてくるのだよ?
とても安心できないなぁ。

さて、原子力規制委員会から提示された新基準の中に、取水路・放水路からの津波の流入を防ぐこと、というものがある。
その対応を図るよ、というお知らせが記載してあった。
……原子力規制委員会から要求されるまで、対策しないつもりだった……わけではないよね。

そうだよなぁ。
いくら防波壁で津波を防いでも、防波壁の内側、原子力発電所の敷地内の取水槽から海水が吹き上がり、原子炉の冷却に関わる装置や非常用発電設備を水浸しにしてしまっては、意味がない。

浜岡原子力発電所の場合、冷却水は少し沖合いの取水口から地下の取水トンネルを通じて取水槽に導いている。

20130515_danmen

放水するための放水口も、津波の際には侵入口となるだろう。
それがまた、いっぱいあるのである。

20130515_heimen

対策として、取水槽のまわりに「溢水防止壁」を作るのだそうだ。
しかし、万が一(防波壁が壊れたとき?)敷地内に浸水があった場合、取水口から排水できるように、「溢水防止壁」に一方通行の「排水用フラップゲート」を設置する、とある。
なるほど。
フラップゲートは動力を要しない仕組みなのだろう。そうでないと緊急時に作動しないおそれがあるからね。
しかし、パッシブ(受動的)な機構であっても、錆び付いたり何かが挟まったりしないように、点検する必要があるだろう。

20130515_flap_gate

フラップゲート、一つの取水槽あたり何個あるのだろう。……点検、大変だろうなぁ。
原発止めちゃえば、こんなもの作ったり点検したりしなくても済むのにねぇ。

取水槽のまわりには「溢水防止壁」を設けるとして、他の放水ピットなどの海に連絡している施設はどうするのだろう……と思ったら、「その他の開口部等は閉止する等の対策を実施します」と書いてあった。

ここで疑問が二つ。

(1)閉止しちゃって、支障はないの?
支障がないってことは、かつて必要だったけど、今は使ってなくて、放置してあったとか?
というか、そんなバックドアみたいな施設がいっぱいあるわけ?

(2)あっ、こんな施設があったのか、閉止し忘れてた、なんてことはないよね?
バックドアをキチンと閉じておくことは、セキュリティ保持のためにはとても重要だからね。

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2013/05/19

低速度層について

今日の午前中は、町内会総出で側溝清掃。
近所のおっさん連中(ワシを含む)がスコップやバールを持って集まり、たまった泥をすくい上げ、消防ポンプの水で洗い流す。
可搬ポンプの動作試験や消防ホースの取り扱いの練習を兼ねているのだ。
ホースもバールも側溝のフタも重かったので、明日以降の(ワシだけでなくおっさん連中全員の)筋肉痛が心配である。

さて、この町内から80km西に浜岡原子力発電所がある。
浜岡でメルトダウンが起これば、町内の側溝清掃は不可能となるだろう。

ということで、「浜岡原子力発電所の地震対策」のチラシについて。

だいたいこんな感じである。

20130515_a_s

20130515_b_s

DTPのプロとして(無資格だけど)ツッコミたいところはイロイロあるが、今回はチラシの体裁ではなく中身の「低速度層」について。

調査の結果、5号機の地下に「低速度層」があり、1~4号機よりも大きな揺れに見舞われるおそれがあるという。
そのため、独自基準を設け、対策するということだが、そもそも、なぜ「低速度層」があると地震の揺れが大きくなるのか?
その説明は一切ないので、このチラシを読んだだけでは「5号機だけ特別な配慮が必要らしい」ということしかわからない。

つまり、こういうことだろう。
地震波(この場合はS波)にしろ音波にしろ光(電磁波)にしろ、波は媒体によってその速度が変わる。
例えば、光は空気中から水中に入るとき、あるいは水中から空気中に出るときに速度が変わり、その結果進路が変わる。
コップに入ったストローが曲がって見える「屈折」は、このように光の速度が空気中と水中で異なるために起こる。
空気中とガラス中の光の速度の違いと、屈折する面の形状を利用した器具が「レンズ」である。

Lens

5号機の地下のように、岩盤の中にレンズ状の低速度層がはさまっている場合について考えてみよう(下の図は、上のチラシの一部を拡大したものである)。
特定方向尾からやってきた地震波が、低速度層の「レンズ」を通って地表付近に集中したら……その地点は、他よりも大きな揺れに見舞われるだろう。
……そこで、5号機ではほかの原子炉よりも大きな揺れに対する対策が必要となる。

20130515_b_undrgrnd

ここで二つの疑問が生じる。

(1)揺れだけに対する対策で十分なのか?

浜岡原子力発電所地下の岩盤は砂岩と泥岩が混ざった地層だそうだ。
その中に挟まっている低速度層は、ナニモノなのか?
関東地方の海岸部の地下にも低速度層がたくさんあり、東日本大震災では大きな被害をもたらした。
海岸部の被害の原因は「液状化」である。

5号機の地下の低速度層は液状化しないのだろうか?
地表に影響は及ばないのだろうか?

(2)低速度層の成因は何か?

なぜ、岩盤の中に質の異なる低速度層が挟まっているのか?

御前崎の南にある南海トラフでは、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込んでいる。
フィリピン海プレートがユーラシアプレートを押し続けているため、両プレートが歪み、エネルギーが溜まっている。
そのエネルギーが解放されるとき、東海地震(震源域によっては東南海地震あるいは南海地震)が発生する。

プレートに溜まった歪みのエネルギーがもたらすものは、このようなプレート境界型の地震だけではない。
強い圧力のかかった岩盤には、ひびが入る。
ひびが入り、ずれれば断層となる。
ずれる際に起きる地震動が、断層型の地震である。
ひびやずれの部分では岩盤は破壊され、破砕帯と呼ばれる。
実際に断層を観察すると、破砕帯はぐずぐずになった岩石だが……こうした部分に水が含まれたとき、低速度層になったりしないのだろうか?

低速度層として観測された部分が、地震に伴って大きくことはないのだろうか?

杞憂かなぁ……。
そもそも、海底堆積物と海底火山の噴出物が大陸プレートの縁にかき寄せられて生じた「付加体」と火山列が日本列島を形作っている。
そんな「寄せ集め」の岩盤の上に原子力発電所なんていう危険なものを置いて平然としている神経は、ワシは持ち合わせていないのだ。

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2013/05/16

「軍と性」問題の究極的解決法

水木しげる著『総員玉砕せよ!』(講談社文庫)は、ピー屋(慰安所)をめぐるエピソードから始まる。
水木さんの戦争漫画には、食い物の話とクソの話も、必ずといってよいほど描かれている。

兵隊は若い男性であるから当然、食い、排泄し、発情する。
したがって、食糧を供給する兵站をはじめとして、兵隊を健康な「兵器」として維持するための仕組みが必要となる、というわけだ。

旧日本軍は兵站を軽視したのか実力が伴わなかったのか、太平洋戦争では100万人が餓死したそうだ。
靖国神社に祀られている「英霊」の半数は餓死者なのである。
まったく、戦争とはむごいものである。

兵站や性の問題が生じるのは、生身の若い男性を兵士に使おうとするからである。
性衝動の弱くなった暴走老人たちを兵士にしてはどうか。
強化外骨格、いわゆるロボットスーツを用いれば、老人だって闘えるだろう。
技術的には、数年で実用化できるのではないか。

あーいや、暴走老人は枯れてないかもなぁ。
では、いっそのこと脳だけ取り出してサイボーグ化しちゃえ。
性衝動は快楽中枢の直接刺激で解消!

近い将来のSF的な話になってしまっているが、福島第一原子力発電所のメルトダウンした核燃料を取り出すよりも、実現は近いだろう(核廃棄物の問題がいかにSF的か、っていうことでもある)。

サイボーグの良い(?)ところは、老若男女を問わず兵器化できることだ。
若い男女を兵器化することは国益に反するから、「軍事国家大好き」暴走老人や「侵略ってしっくりこない」オバサマ方に、サイボーグ戦士になっていただこう。

用済みになったらスイッチを切って機械部品はリサイクルし、有機部品は……(以下自粛)。

……こういう虚しい解決法ではなく、現実的な究極の解決法が、すでに提示されているではないか!

日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

日本国憲法第九条にあるとおり、戦争を目的とする軍隊を持たなければ良いし、戦争をしなければ良いのである。

さて、「軍と性」問題の解決のために慰安婦制度が必要だった理由は「ひどい時代だったから」であり「現在はそんな必要はない」というような意見を新聞で見た。

だが待てよ。
過去はひどい時代であり、「現在はそんな必要がない」としても、未来はどうなのか。

「戦争のできる普通の国」にしたいなどと言う連中が権力を握り、憲法9条を変え、さらに13条や18条や19条を変えて国民の自由を奪うようなことになったら、また「ひどい時代」に逆戻りである。

「ひどい時代」に逆戻りしないために、96条を変えようとする連中を警戒しよう。

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2013/05/15

浜岡原子力発電所の地震対策

表題に書いたような内容のチラシが、今朝の朝刊にはさまっていた。
中部電力のチラシであるが、相変わらず、チラシとしては落第点である。
行間の設定からして日本語組版のルール(JIS X 4051: 2004)に従ってないし……。

もちろん、体裁だけでなく中身についても疑問点がいっぱいあるのだが、突っ込むだけの知識がワシに欠けているので、もうちょい理論武装してから、また書く。

また後でアレコレ書くために、文書名や発行日(公開日)をメモしようと思って、驚いた。

どれが文書名なのか、よくわからない。これかな?
「新規制基準への対応に向けた浜岡原子力発電所の取り組みと、『南海トラフの巨大地震モデル検討会』の強震断層モデルに基づく地震動の影響評価・地震対策の検討状況についてお知らせします。」

普通、チラシやパンフレットには、問い合わせがあったときのために、固有の ID を振っておくものだが……ないね。

発行日は……ないね。
公けの文書じゃないってことか?

ありゃりゃー。パチンコ屋のチラシと同程度の重みしかないのかね、このチラシ。

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2013/05/14

テロ対策にメルトダウンの呪いを

テロリストの原発の敷地内への侵入を阻止する訓練の様子をニュースで見た。
陸・海・空のどこからやって来るかわからないテロリストを阻止するのって大変だろうなぁ。

ワシはヘソ曲がりなので、逆の方法を考えた。
入れないようにするのではなく、出られなくしちゃうというのはどうだろう。
ファラオの墓に侵入して閉じ込められる盗っ人のように。
これが後の世に言う「メルトダウンの呪い」である。

なんて話をカミさんにしたら、小バエ駆除みたいね、と言った。
甘い匂いに誘われて、入った小バエは出てこられないポットみたいなやつ。

プルトニウムに誘われて、入ったテロリストは出てこられない原子力発電所。

冗談はさておき、原子力発電所の使用済み核燃料に含まれるプルトニウムは、核爆弾の原料としてテロリストには魅力的らしい。
プルトニウムから核爆弾を作るのは相当難しいので、民間のテロリスト(ヘンな言い方だが)には作れまい、という「専門家」もいる。

だが、核爆弾を作らなくても、使用済み(または使用中)核燃料をまとめておいて、冷却しなければ広範囲に被害を及ぼすことができる。
そのことを、福島第一原子力発電所が証明してしまったのである。

すべての原発を止めて廃炉にしたとしても、大量の使用済み核燃料をどうしたものか……。
もうリサイクルはできないし……。
……というか、リサイクルしても核のゴミは減るわけではないし……。

真面目な話、10万年以上にわたって放射線を撒き散らし続ける核廃棄物をどうするか、それを考えずにいては、無責任の謗りを逃れられないだろうなぁ。

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2013/05/13

核燃料サイクル、事実上の終焉か

ついに高速増殖炉「もんじゅ」に停止命令が出るようだ。
扱いが難しく実用に至っていない「技術」でもなく、活断層と連動するかもしれない「立地」でもなく、燃料のプルトニウムの「テロ対策」でもなく、そもそも検査を怠ったり、報告がなかったり、改善の意欲が見られなかったりという、大変恥ずかしい理由による。
「体質」がなっていない、ということだそうだ。

核燃料サイクルを実現するには幾多のブレイクスルー(技術的突破口)が必要であり、30年経っても実現の見通しが立っていない。
ドイツやアメリカはとうにあきらめてしまっている。
にもかかわらず、日本では10兆円ものカネが投入されている。
動かせない「もんじゅ」にも、六ヶ所村の再処理施設にも、維持費が投入され続けるだろう。
廃炉にするにもカネがかかる。

そのカネの出どころは、税金と電気料金である。
ワシは以前から核燃料サイクルには懐疑的であり(2009年6月「原子力発電はなぜ胡散臭いのか」参照)、ワシの税金や電気料金をそんなもんに使って良いなんて許可したことはないぞ。
カネの使い道を誤っていたのではないか、と思わざるを得ない(2012年3月「腹立って、タイトルが思いつかないや」参照)。

ワシが払った税金と電気料金、返して欲しいなぁ。
そのカネで、太陽電池パネルと蓄電池を買いたいんだけどなぁ。

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2013/05/08

誰もいない地球

SFの設定に、「誰もいない地球」というものがある。
もちろん、「誰も」というのは「人間が誰も」ということである。
まぁ、映画でいえば『アイ・アム・レジェンド』の冒頭、ウィル・スミス以外の人影が見えないニューヨークのような状況を思い浮かべれば良いだろうか(『アイ・アム・レジェンド』はその後まったく別の方向へ話が進むが)。
あるいは、アニメ映画『ウォーリー』の世界とか。

アラン・ワイズマンの『人類が消えた世界』(早川書房)では、原因が何であれ、人類が消え去った地球がその後どのように変わるかを考察している。
原因は何であれ……とはいうものの、気になる。
人類が環境に大きな影響を与えずに消え去ることなど、可能なのだろうか。

ヒトだけに有効なウイルスによって死に絶える……なんていう具合だと、死屍累々となって環境汚染も甚だしいことになりそうだ。
やっぱり、異星人にさらわれるとか、自ら地球から出ていくとか、そういう条件が必要だろう。
ジョン・ヴァーリイの『へびつかい座ホットライン』のように、異星人に追い出される、というケースもあったね。

よりシリアスなSF的状況としては、やはり人類が自ら地球を後にする必要がありそうだ。

では、なぜ人類は地球から離れなくてはならないのか。
大気汚染とか水質汚染とか放射能汚染とかによる環境破壊はNGである。
それはもう、アシモフが「銀河帝国」シリーズで書いている。
それに、環境を破壊してしまっては、残された地球上の他の生物に申し訳ない。
すべての生物が、『銀河ヒッチハイクガイド』のイルカのように地球から逃げ出すことができるわけではないのだから。

そんなことをアレコレと、連休中も考えながら食事の支度を手伝っていたら、カミさんが「ブロッコリーやナシでアレルギーが出るなんて、若い頃は思ってもいなかった」と言った。
そういえばワシも、キャベツを大量に食べると下痢をする。
ハウスダストやスギ・ヒノキの花粉のほか、イネ科植物の花粉もアレルゲンである。
いろいろなアレルゲンが年とともに増えるようで、朝晩の温度差で鼻が詰まったり頭が痛くなったりする。

まだワシなどは鼻水と頭痛くらいだから良いほうで、アナフェラキシー・ショックなど重篤なアレルギー症状を示す人もいる。
そのアレルゲンも、植物、動物、化学物質等々、多岐にわたる。
学校給食においても食物アレルギーに配慮しなければならないなど、本人も周囲の人々も苦労が耐えない。

……ということから、ふと思いついた。
ひょっとするとSFなんかではなく、近い将来、人類は地球環境のありとあらゆる物質に対するアレルギーのために地球から去ることを余儀なくされるのではなかろうか。

大気中には花粉や胞子、微小な動物の死骸や毛などの欠片、化石燃料を燃やして発生する微粒子(PM2.5など)、農薬などの化学物質等々、ありとあらゆるアレルゲンが存在する。
すべてのヒトが、それらにアレルギー反応を起こすようになってしまったら……。
もはや地球上で暮らすことはできず、すべてのアレルゲンをシャットアウトした軌道上や月面などでの人工環境で生活するしかなくなるだろう。

アレルギー症に悩む人が増えていく……という現象は現実的に進行しているような気がする。
しかし、いきなり全人類がアレルギー症になる……という状況はSF的なので、何か原因を考えなくてはなるまい。

それ自体は害を及ぼさないウイルスに感染したとき、特定の物質(例:一酸化炭素)を吸うと広範なアレルゲンに対するアレルギー反応が起きるようになるとか。
非病原性ウイルスによる水平伝播によって、ごく短期間に全人類がアレルギー症になる……なんてことはあっても不思議ではなさそうだ。

環境中のあらゆる物質がアレルゲンになってしまったのでは、人類は必死になって地球からの脱出を図らざるを得ない。
持てる技術のすべてを使って、軌道エレベーターを建造し、軌道コロニーや月面コロニーを建設するだろう。

とにかく、そうやって人類が消え去ったとする。
その後の地球で問題になるのは、原子力発電所だ。
原子炉は、スイッチを切れば止まる、というものではない。
安全に停止させ、停止状態を維持し、使用済み核燃料を保管し、核燃料や原子炉が(バックグラウンド程度に)放射能を失うまでの数十万年、見守る必要がある。

見守ろうにも、人類はいない。
では、だれが?
やはり、ロボットか……。

ウォーリーは人類の去った地球に残されたゴミ処理ロボットだったが、実際には原子力発電所と核廃棄物を管理するロボットが必要になるだろう。

誰もいない地球で、もはや発電に使われていない原子力発電所を巡回してメンテナンスするロボットの話。
……なんていう、もの寂しいSFができそうだ。

誰もいない地球は、緑にあふれ、鳥は歌い、花は風に揺れる。
この地球が放射性物質に汚染されることがないようにすること。
その命令をインプットされたロボットが地上のあちこちを巡るうち、地球の現状を観察しにきた人間に出会う。
月面で生まれ育ったその人は、低重力に適応し、環境中の物質に対してアレルギーを持つため、気密構造の外骨格スーツを着ているのだった。

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2013/05/07

もう一つの電子書籍の形

いつ本当にくるのか電子書籍元年、と思いながらも個人的には自炊して、古い、活字が小さく紙の傷んだ蔵書を電子化し続けている。
つい先日スキャンして PDF 化した文庫本の中に、ロジャー・ゼラズニイの『ロードマークス』があった。

いまはなきサンリオSF文庫。
ボブ・ショウの『去りにし日々、今ひとたびの幻』など、名作が含まれていたので、貴重かもなぁ、と思いつつ裁断してスキャンした。

それはともかく、『ロードマークス』には「草の葉」(リーヴス・オブ・グラス)と「悪の華」(フラワーズ・オブ・イーヴル)という人工知能が出てくる。
その名の通り、本の形に組み込まれたコンピュータなのだ。
本としての体裁は布張りの上製本だが、装丁のはがれたところから金属が覗いている。
ふつうの本なら表紙の台紙としてボール紙などが用いられているところに、金属製のコンピュータ本体が組み込まれているようだ。
ちなみに、この金属は銃弾を受けると歪むが貫通しない程度の強度を持っているらしい。

入力装置はマイクロホンで、音声で操作する。
ただし、高度な人工知能が搭載され自意識まで持っているため、勝手に電源をオンにしたり、操作する前に自己判断で処理を進めたりする。
マイクロホンのほか、各種のセンサーを搭載しているようで、周囲の光景や匂いも捉えるらしい(作中で、銃弾を受けたせいで火事の煙を関知するセンサーが壊れたという記述がある)。

出力装置としてはスピーカーしか備えていないのだろうか。
ただしこのスピーカー、超音波の発生も可能なので自衛用の武器としても使える。
ページの一部がディスプレイとして使用可能な仕様になっているのかもしれないが、リーヴスもフラワーズも会話するほうが楽しいせいか、作品中では何か表示するようなシーンはない。
外部出力というか、他の機器のコントロールもできるようで、自動車の運転もしていた。

ページの一部は光学読み取り用のセンサー(要するにスキャナ)になっているらしく、写真の人物を調べるために何ページと何ページの間に挿め、なんてリーヴスが指示するシーンがある。
ということは、表紙だけでなく、ページも(紙のように見えるが)電子デバイスなのだ。

「印刷され、製本された本」の体裁を持ちながら、移動機能を持たないロボットに相当するような「電子書籍」の姿がここにあった。
スレート型コンピュータの体裁で、文字は表示するだけの現在の「電子書籍」とはまったく異なる。
いまは亡きSF作家の想像上の「製品」が、こんなにも魅力的なのはなぜだろう?

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2013/05/05

出掛けない、こどもの日

ムスメどもが二人とも成人してしまい、こどもの日とは縁がなくなった。
会社に、バイトに、と、二人とも不在。

まぁ、連休だからと子供を連れて出掛けたのは、小学生のうちだけだったが。
中学生になると、部活の練習試合とかで、野山に遊びに出掛けなくなってしまったのだ。

今日もウチでのんびり休養を、と思ったら、頭痛に襲われて午後寝込んでしまった。
頭の前半分が痛いのは、ひょっとすると副鼻腔炎かも知れない。
だが、後頭部が痛いのは頭皮神経痛か。

ともかく、立ったり座ったりすると激しく痛む。
夢を見たりうつらうつらしたりしていると、となりにこんが来て丸くなる。
少しだけこんをなでて、また午後の日差しが障子越しに差し込む中、布団にもぐり込む。

夜になって少し持ち直したので散歩に出たが、出掛けにイブプロフェンを飲んだせいか酔っ払ったようにふらつく。
こんはトノサマガエルを見つけたり、ネコと競走したりして楽しそうだったが。

山の見える暮らしは人を山から遠ざけるか」に書いたように、雨戸を開けると富士山の見えるところに住んでいると、わざわざ富士山に登ろうとか、富士山の眺めの良い山に登ろうとか思わなくなるようだ。
それに、富士山にしろ眺めの良い山にしろ、人が多い山に登るのはストレスだ。

ゴミの問題や、トイレの問題、踏み痕などのオーバーユースの問題……。
富士山を世界遺産に認定するに当たっての問題点として挙げられている問題は、そのまま、「いい山なんだけど行く気がしないなぁ」とワシが思う要因でもある。

とはいえ、どこかの新緑の森で、沢の音と鳥の声を聞きながら、焚き火でもしたいなぁと思うのだ。

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2013/05/04

編集者の使命

Gigazineの記事「学研ムック「自然農法で野菜づくり」の中身がかなりヤバかったので販売中止へ」によると、とんでもないミスだらけの本が店頭に出回ってしまったようだ。

ワシも編集・DTP・出版にかかわる仕事をしているので、ヒトゴトではない。
なぜこういうミスが起きたのかも、だいたい見当が付く。
もって他山の石とすべく、原因を推定してみよう。

ダミーテキスト「ここに文章が入りますここに文章が入りますここに文章が入りますここに文章が入りますここに文章が入りますここに文章が入りますここに文」が入っている件:
DTP組版(コンピュータ上でのレイアウト作業)を始めるときに、原稿が間に合わなかったか、DTPオペレータが原稿が入れ忘れた。
原稿が間に合わず、編集者が初校(最初の校正)段階で修正指示を入れるつもりでいて、それを忘れるとか、初校でも原稿が間に合わなかった、なんていう場合もある。
初校でミスがあっても、再校・三校と校正を重ねているうちに直すのが普通だが、こういうミスがそのままになる原因は、次の二つのうちどちらかだ。
A)校正がいいかげんだった。
B)誤って修正前のデータを印刷所に入稿してしまった。
このうち、Bのケースでも、ふつうは最終的な色校で気付くはずなので、結局のところ編集者の責任である。
ひょっとすると、スケジュールが滅茶苦茶で、余裕がなかったのだろうか。

「コロンなのか二点なのか」
もちろん、原稿段階ではコロン(:)だったのだろうが、半角と全角が混在していたのだろう。
InDesignなどの組版ソフトでは、縦組の際に半角(厳密に言えば1バイト文字)のコロンは回転しない。ただし、少し位置がずれて見える。
全角(2バイト文字)の場合、回転せずに二点リーダー(‥)に見えることがある。
それに、二点リーダーなら、日本語組版ルールでは「‥‥」のように二倍(二文字分)で用いるはずだ。
ちなみに、三点リーダーも「……」のように二倍で用いるのが正しく、「…」のように全角(一文字分)で用いると「日本語組版のルールを知らない素人だな」と思われてしまっても仕方がない。

なお、「半角パーレンの混在多数」も同様に、全角と半角の記号を混在させてしまったのは原稿を書いた人(執筆者か? 編集者か?)の責任である。
全角と半角を混在させないように気を付けるべきなのだが、Wordなどのワープロソフトでプロポーショナルフォント(MS P明朝など)を用いると、区別しにくいことがある。
そこで、原稿書きのプロは、等幅フォント(MS 明朝など)を用いたり、ワープロソフトを嫌って「秀丸エディタ」のようなテキストエディタを用いるものだ。

「小数点がバラバラ」では、「0.6」と「0・4」、「224.7」「29,53」というように、小数点表記が統一されていない点が指摘されている。
これは校正ミスというより、編集者による原稿整理ができていないのだ。
この原因も、二通り考えられる(両方かも知れない)。
A)編集者の能力不足
B)原稿が一度に揃わず五月雨式だった

業界の実情から言うと、編集者の能力不足は否めないが、短期間に作成せざるを得ない事態だったのかなぁ、と編集者がちょっと可哀想に思えるところもある。
DTP組版が一般的になり、「デジタルなんだから簡単に修正できるでしょ」とか「あとからバッチ(一括)処理で一度に直せるでしょ」とかいった誤解が、著者や営業担当など、実際に作業しない人たちに広まっているのも問題である。
デジタルになろうがなんだろうが、人が作業する限り、手間がかかって時間もかかるから、スケジュールは余裕を持って組む必要があるのだ。

それに、デジタルだからこそ、文字化けやテキストボックスからのオーバーフローなど、思わぬミスが発生することもある。
原稿段階から誤変換があったり、そもそも文章がヘンだったりすることもある。
それらを発見するため、先入観なく、読者の視点で全体を読み通す「素読み校正」が重要なのだが、それこそ、編集者の力量と余裕のあるスケジュールが必要なのだ。

(おまけ)
こういうミスは、編集プロダクションに丸投げした場合に発生しがちである。
もちろん、発注元の出版社の担当者がちゃんとチェックすれば防げる。
しかし、そもそも丸投げしようという考える人(または組織)に、きちんとチェックするだけの力量や責任感があるのだろうか(個人の感想です)。
こういうミスを出すのにお金をもらっちゃう編集プロダクションもどうなのだろうと思うが(個人の感想です)。

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憲法の使命

広辞苑などには、憲法は国の最高法規といった説明しか載っていない。

だが、本当に重要なことは、憲法は国民の自由を保障し、国家権力を制限するためのものだ、ということだ。

憲法第96条によって、国会議員の三分の二の賛成と国民投票による半数の賛成がなければ憲法が変えられないのはそのためだ。
国家権力を行使したがる議員が半数程度居ても、憲法を「改悪」できないのである。

現行の日本国憲法においては、戦争を起こすことはもちろん、国家権力が「お国のために死ね」と国民に命ずることも禁じている。
国家権力に都合の良い「教義」を信じるように強制することも禁じている。

このように、国家権力による強制から国民を守っている憲法を、簡単に変えられるようにしようとする連中がいる。
そういう連中を、ワシは信じることができない。

そういう連中はきっと、自分たちの権力と既得権益を増し、国民の自由を制限するように憲法を変えたがるだろうからだ。
そしてきっとまた、「お国のために死ね」とか言い出すのだろう……。

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