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2013/03/19

収束させるための「手」

昨日(18日)午後7時ごろからずっと、福島第一原子力発電所の1号機・3号機・4号機の使用済み燃料プールなどを冷却できない状態が続いている。
昨日停電があったためらしいが、その停電の原因も、復旧の見通しも立っていないという。

使用済み燃料は、放置しておくと放射性物質(核燃料)の崩壊熱によって加熱される。
熱によって融ける現象がメルトダウンであり、融けて周囲の水やコンクリートと反応すれば、爆発して「再び」放射性物質をまき散らすおそれがある。

タイムリミットは数日……。

現場では、停電の原因の究明と、外部からの電源供給などの対策に努めていることと思う。

現場は頑張っていても、東京電力に対する信頼感は薄い。
運転上の上限値である水温65℃まで「あと4日」と発表があっても、その発表が信用できるか、なんて発言がテレビ番組のコメンテーターの口から漏れる。
「東京電力は、これまでさんざん嘘をついてきたのだから……」

現場で頑張ろうにも、壊れてしまった「絶対に故障しない機械」(銀河ヒッチハイクガイドシリーズの『ほとんど無害』参照)に近づくことは困難だ。
何しろ、内部の状況がわからないのである。

現在の状況がわからない状態なのに「収束」などと口にする政治家にも呆れるが、そもそも事故を起こせば「収束」が困難な原子力発電を、再開しようなどと考える人はいったいどれだけ楽観的なのか。

内部の状況を「見て」確認し、バルブなどを「操作」して原子炉建屋内の放射線密度を下げないと、廃炉へ向けての作業もできない。
現状のままでは、(いままさに陥りつつあるように)再び重大な事故が起こる可能性がある。

生身の人間では原子炉建屋に入れないなら、ロボットを導入し、内部の状況を確認し、バルブ操作などをさせることができないか……。
……ということで、ヒューマノイド(人型)ロボットの開発を急いでいる、という話を日曜のNHKスペシャルで見た。

ホンダのアシモの改良版や韓国の HUBO、ペンタゴンが後押しするアトラスなど、いくつかのロボットが紹介されていた。
照明のない原子炉建屋の中を、がれきを乗り越えて進み、バルブを開けてパイプから放射性物質を取り除く。
そうした作業を、すべて遠隔操作で行うのではなく、ロボットに自律的に判断させる。

不整地を自律的に移動することはもちろん、バルブを壊さないように回す、といった芸当……いや、人間的な動作ができるところまでロボット技術が進歩していることに驚いた。

(今回またメルトダウンをやらかさなければ)おそらく数年のうちに、そんなロボットが壊れた原子炉建屋に入り、人間が作業できるようにするための下準備を行なう。
作業が終わっても、彼らが帰ってくることはないだろう。
高濃度の放射性物質に汚染されてしまうからだ。

事態を収束させるための重要な「手」として働いた彼らは、その場にとどまり、廃炉の際に放射性廃棄物として廃棄されるのだろう……。

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