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2012/06/14

『僕らの漫画』を読んだ

27人の漫画家が無償で描き下ろしたマンガ28本を収めた東日本大震災復興支援チャリティーコミック。収益は震災遺児・孤児のための育英資金に寄付される。

最後に収録されていた、とり・みきの「Mighty TOPIO」がストレートに地震と津波、原発事故を扱っていて凄まじいものを感じた。

起動されようとしたときに地震が発生し、ガレキに埋もれたロボット、トピオの話。
もちろん、いつもの画風でギャグ混じりに話が進む。
だがその笑いには、当然のことながら黒いモノが漂う。

津波を報いと言う仲間に「どっかの知事みたいに馬鹿なこというなよ」と返す妖怪(ここだけ水木しげるのタッチ)。
防災担当者はどう見ても小松左京で、その背後に「沈没阻止」の額がかかっている。今回の震災では一定の年代以上の誰もが小松左京の『日本沈没』を思い出し、読み返したはずだ。
うっかり(本当は違うのに)動力源は原子力と言ってしまってバッシングされたトピオ。トピオ=トビオ=アトムだからね。
「トピオ。次はここだ……君にしかできない仕事だ、行ってくれ」
そしてトピオが見上げた先にあったものは、もちろん……。

ラスト2ページには、一切セリフがない。
だが読み進むと切なくて、涙が出てくる。

青い海と青い空と白い雲と緑の大地、そして捕虫網を担いで走る子供たち。
それを壊そうとするもの、奪おうとするものは何か/誰か。

静かに怒っている作者は、ワシと同世代である。

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