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2011/12/02

足尾往還で不可能事を知る(3)

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午前9時から午後3時まで、定点観察ポイントに陣取って、ニホンカモシカを探す。
双眼鏡であたりをなめ、あやしい影を見つけたら、フィールドスコープで確認する。
あれはカモシカかな? と思ったものは、岩だったり、その影だったり、切り株だったり、草むらだったりする。
かつては各観察ポイントで最低2〜3頭、全体で20頭ほどが観察できたこのフィールドは、ここ10年ほど、1頭も見ずに調査を終えるようになってしまった。
もはやこのフィールドでニホンカモシカを見ることは不可能なのだろうか?

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ニホンジカはたくさんいて、子連れの群が憩っていたり、斜面で草を食む合間に腋の下をなめてみたり(上の写真)、立派な角を持ったオスジカがメスの群を追ったりしている。
ニホンザルの群も右往左往しているし、ツキノワグマの痕跡もある。
大型哺乳類にとっては暮らしやすい環境だと思うのだが。

シカは白い尻が目立つし、サルは動きが目立つだけでなく互いに声を掛け合うので、見つけやすい。
だから、加齢により視力(というか分解能というか)が低下したのだろうか、とか、野生動物を見つける勘が鈍ったのだろうか、とか考えてしまった。

ほかのメンバーも見つけられずにいるのは、皆年取ったからか?

しかし、うずくまって尻の隠れたシカを見つけたし、ワシのいる山頂と同高度を飛行するイヌワシの幼鳥も(肉眼で)見つけたから、視力も勘もさほど鈍っているとは思えない。
やはり、カモシカが移動してしまったのだろう。

「肉眼で」と書いたが、双眼鏡もフィールドスコープも使わなかったというだけで、本当の肉眼ではない。
ワシは近視なのでメガネをかけているからだ。
裸眼では20メートル先のシカにも気付かないだろう。

メガネをかけているので、双眼鏡もフィールドスコープも接眼部をメガネ用にしている。
ところがここ数年、遠近両用メガネに変えてから、困ったことが起こっている。
視野の真正面を見ているときは良いのだが、視野の下のほうを見ようとするとぼやけるのだ。
メガネの下半分が近距離用になっているからだ。

近眼の上に老眼が重なると、ピントを調節可能な範囲が極端に小さくなる。
そのため、一眼レフのファインダーを覗いてマニュアルフォーカスでピントを合わせるのがとても難しい。
もはや一眼レフで本格的に写真を撮るのは不可能とあきらめて、スナップ写真を楽しもうと考えている。

その夜、空は晴れ渡って満天の星。
スマートフォンでGoogle Sky Map を使って調べると、月は太陽の近くにあって夜の間は姿を見せない。
天の光はすべて星、しかも太陽以外の恒星と惑星、そして月以外の衛星の光だけである。

久々の天の川を双眼鏡で見る。
星、星、星の間にまた星。

フィールドスコープを持ち出して木星を見る。
四つのガリレオ衛星……イオ、ガニメデ、エイロパ、カリスト……が、木星の左に2個、右に2個見えた。

ところが肉眼では、すべてがぼやけて見える。
プレアデス星団(すばる)も、にじんだ光の塊だ。

オリオン座がよく見えたので、冬の大六角形を探す。
星が多すぎて、かえってわかりにくい。

ぎょしゃ座のカペラはどれだろう、と Google Sky Map を表示したスマートフォンを頭上にかざす。
すると遠近両用メガネの近距離用の部分からスマートフォンがはずれてしまうので、星図がよく見えない。

スマートフォンのおかげで正座早見盤を持ち歩かなくて良くなったと喜んだのだが、高度の高い星と画面を同時にハッキリ見ることが不可能だとは!

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