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2011/09/19

読書の半分は漫画

昨日、散歩用の軽登山靴を買いに行ったついでに本を買って、昨日・今日のうちに読んでしまった(今日は出社したので昼休みに)。

星野之宣の『星を継ぐもの』は、ジェイムズ・P・ホーガンのSFを漫画化したものである。
月面で宇宙服を着た死体が発見される。
しかもその死体は、5万年前のものだとわかった。
「チャーリー」と名付けられた死体は、果たして人類(ホモ・サピエンス)なのか?
人類だとしたら、月面で何をしていたのか?
……という謎解きを軸に据えたSFミステリである。

冒頭、科学者のハントが国連宇宙軍のコールドウェルと出会うところで、おや、と思った。
星野之宣は、コールドウェルを女性に変えている。
しかも月面に向かう途中に、ニールス・スヴェレンセンと出会っているが、壮年ではなく老人である。
それに、ホーガンの原作では、スヴェレンセンやヴェリコフは『星を継ぐもの』ではなく、シリーズ3作目の『巨人たちの星』で登場する人物だ。
ふーむ、原作をちょっと翻案して、『星を継ぐもの』の謎解きと『巨人たちの星』の陰謀を同時進行させようとしているのだね。
となると、2作目の『ガニメデの優しい巨人』の宇宙船シャピアロン号やガルース司令官やコンピュータのゾラックも、割と早いうちに登場するのかな。
どんなふうに描かれるのか、ちょっと楽しみである。
シャピアロン号と同型の宇宙船は少し描かれているけどね。

ムスメが面白そうだと買ってきた、宮下裕樹『正義警官モンジュ』もさくっと読んだ。
主人公?のモンジュは警官ロボットだが、エリートコースを外されて田舎の派出所に左遷されたことをグチグチと悩んでいる。
『銀河ヒッチハイク・ガイド』のマーヴィンかよ!
モンジュのエネルギー源は原子力で、プロトタイプであるモンジュの後継機種は事故を起こして石棺に閉じ込められている、と設定はスゴイねぇ。
単行本の発刊が2005年だから、1995年の高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故後、再稼動に向けて動き出したころである。
……皮肉かな?

北林一光『ファントム・ピークス』は、ミステリ(推理小説)かと思ったら、ディザスター(災害)小説だった。
災害といっても、噴火や地震ではない。
自然というものは常に優しいわけではない。
そして自然の中の人間というものは、か弱い大型哺乳類の一種に過ぎないのである。

……と思い知らさせるあたりを昼休みに弁当を食べながら読んだ。
血なまぐさいのが苦手な人はマネをしないように。

……というわけでこのところ読んだ本は、半分がた漫画だなぁ。

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