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2011/08/21

お勉強はできるんだけど……頭悪い?

「お勉強はできるけど、頭悪いんじゃないか?」と思える人が居る。
身近なところでも、「こいつ、ワシより格段に難しい大学を出ていて、しかも若いのに何故?」と思うことがある。

「緊急です! よろしくお願いします!」なんていう表題のメールを送ってきたり(緊急なら電話するか、直接来いよ!)、こつこつやれば30分で済む仕事のためにExcelマクロの作成に1日かけたり、年に1回しかない(しかも数時間で済む)作業を自動化するために1人月かけてシステム開発させたり(1人月=100万円だからね)……。

なんか、どこか、大切なところに頭が働かないみたいなんだよねぇ。

……ということを日ごろ思っていたところで、TVで呆れたニュースを見た。
内閣府や文部科学省の役人が、小学生の質問にまともに答えられないのである。

http://mainichi.jp/select/science/news/20110818k0000m040043000c.html
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20110818-OHT1T00071.htm

「大人なのになんで質問に答えられないんですか」「子どもの質問にちゃんと答えられないのは、子どもの頃ちゃんと勉強しなかったからだと思います」といった子供たちのコメントがあったが、ちょっと違うのだよ。

「大人なのに」じゃなくて大人だから、大人の事情で答えられないこともあるのだよ。
「子どもの頃ちゃんと勉強しなかった」からじゃなくて、子供のころお勉強ができ過ぎたから、大人になって頭悪くなっちゃったんだよ。

ふん。
大人の事情なんて知ったことか。
……そう言える社会人として生きて行きたい、と思う。

さて、いま、ラマチャンドラン著『脳のなかの幽霊』(角川文庫)を読んでいる。
脳の疾患や障害を負った人の症状から脳の奇妙な働きについて考察したノンフィクションだが、フィクションのホラーなんかよりよっぽど怖い。
何といっても「統一された自己」と思っていたものが、それほど統一もされているわけでもなく一貫したものでもないということを知るのは(しかも簡単に実験できてしまうのは)、足元にぽっかり穴が開くようで、なんとも怖ろしい。

症例として示された「半側無視」「病態失認」が脳の半球特異性と関連がある、という考察が面白かった。
卒中などにより右脳(大脳右半球。「みぎのう」と読むこと。「うのう」ではない)の一部の機能が失われると、左半身が動かせなくなる。
ところが、左腕、左脚が動かなくなったことを認めず、「動かせる」と言い張る症例があるのだそうだ。

「論理的」な左脳は統一された身体感覚を維持しようとするが、「感覚的」な右脳は新しい状況により身体感覚を更新しようとする。
単純化すると「右脳は左翼革命主義者でパラダイムシフトをつくりだし、左脳は頑固な保守主義者で現状に固執する」という具合だ。
そこで右脳が損傷を受けると、左脳が優位となり、現状維持のために受容するのが困難な新しい状況(左腕が動かない)を否認し、「動かせる、現に動いている」と作話するというのだ。

「原発は安全だ」「自然エネルギーは不安定だ」「電気はためられない」と同じコトを繰り返し言っている「昔お勉強ができた人たち」は、左脳が極端に優位で保守的になっているんじゃないか、とふと思った。
ひっくり返せば、科学的根拠なしに放射線を怖がると、「右脳優位で論理的思考ができない」と言われちゃうかもね。
左右の脳の働きがうまく均衡していない状態が「頭が悪い」ことになるのかなぁ……。

なお、商売に使われている半球特異性(右脳トレーニングとかなんとか)については、著者は(ワシも)懐疑的だ。
商売にしている連中はそこそこ「頭が良い」かも知れないが、それに乗っちゃってお金を払っちゃうと、「頭の悪さ」が丸出しである。

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