原発事故とO111食中毒との類似点
腸管出血性大腸菌 O111 による食中毒事件の報道を見ていて、福島第一原子力発電所の事故との間に、類似点があることに気付いた。
O111 により死亡したのは、子供と老人だった。
子供の父親が注文したユッケを「つまんだだけ」の子供と高齢者が亡くなったのは、抵抗力が弱いからだ。
放射線による被害も、個人差が大きい。
低レベルの放射線が長期にわたって人体に作用したときの影響については、よく判っていない。
「低レベルの放射線は健康に良い」などという人もいるが(ワシには妄言に思えるが)、重大な影響があるという研究結果もある。
確実にわかっているのは、放射線に対する感受性は個人差が大きく、成長期の子供に対する影響は深刻だということだ(http://scienceportal.jp/HotTopics/interview/interview62/03.html)。
もう一つの類似点は、どちらの事故を起こした企業も、目先の利益を優先し、事故が起こった際のリスクを過小評価していたのではないか、ということだ。
何か問題が起こったときに及ぼされる影響についての想像力の欠如、と言ってもよいかも知れない。
あるいは、「顧客はどこに居るのか」というドラッカーの問を真剣に考えていなかったことだろうか。
| 固定リンク
コメント