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2009/10/09

デジタルサイネージと自然の配色

JAGAT(社団法人日本印刷技術協会)発行の雑誌『プリバリ印(イン)』10月号(Vol.8)の記事から。

「デジタルサイネージ A to Z」(町田聰)には、デジタルサイネージにおける動画と静止画の役割について、次のように書かれている。

  • 動いている人に対しては静止画が有効(動には静)。
  • 滞留している(止まっている)人に対しては動画が有効(静には動)。

移動している人の目に止まるのは静止画、つまりポスターのような広告(サイン)であり、テレビ画面のような広告は止まっている人に訴えかけるのに適する、ということである。
まぁ、考えてみれば当たり前のことではあるが、このことを理解して広告宣伝を作っている制作者は、案外少ないのかもしれない。

ドラッグストアやホームセンターでは、テレビCMをそのまま流しているようなデジタルサイネージを見かけるが、ウルサイだけで、見ている客はいない。
テレビCM型のデジタルサイネージは、電車の中などでこそ有効化だろう。

そこで一つ考えたのは、「なぜ Web の動画は有効でないか」ということだ。
もちろん、動画を目的に見るサイト(YouTube など)は別として、広告宣伝に用いられる Flash 動画などについて、である。

Web ページを検索結果から訪れる人、あるいはリンクをたどって訪れる人は、静止していない。
駅を通り抜ける旅人の如く、店先を覗きはするものの、いちいち立ち止まって売り子の話を聞いたりしない。
するとやはり、目に止まるのは「静」のサインだろう。

そんなわけで、効果的なワンポイント画像、短いキャッチフレーズ、判りやすいレイアウトを備えたサイトが、Web の旅人の足を止めさせるのではなかろうか。

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『「自然」が教えてくれる色使いの「いろは」』(大澤かほる)は、配色のインスピレーションを自然が与えてくれる、という記事である。
その記事に添えられた写真を見て、鳥肌が立った(刺されたことがあるからだ)。
アオイラガの写真だったからである。
「科学的逍遙」にも載せてあるので、直リンクしておこう。

その写真のコメントに笑ってしまった。

キャタピラー。この毛虫はなぜか「あまのじゃく」と呼ばれている。柿の実を収穫している時に見つけて、あまりの愛らしさに感動して撮影した。おしりにちらっと見えるオレンジ色は、敵に警告するための色だろう。黄緑は葉と同化するためと納得できるが、なぜ青い模様があるのだろう。空の色を映したのだろうか。

残念なことに、いくつか事実誤認が見られる。

「あまのじゃく」は方言である(埼玉の?)。「電気虫」とか「おこぜ」などとも呼ばれる。
なぜか、は、刺されてみれば解る。
決して、「愛らしさに感動」など、していられない。
大澤さん、刺されなくて良かったですねぇ。

「おしりにちらと見えるオレンジ色」は、じつは、「おしり」ではなく「頭」に近いほうにある。
危険が迫ると、イラガの幼虫は目玉のように見える黒い斑点が付いた「しり」を振って、さもコチラが頭であるかのように見せかける。
イラガの思う壺に嵌まりましたね。

次の写真は、駆除するため釜飯の釜に入れたところ、上ってくるようすである。
頭の上の背中にオレンジ色の毛の束があることがわかる。

このオレンジ色は、「毒アリ。危険」と警告する標識的擬態である。
体は黄緑色で、かつトゲが輪郭をぼかす効果を持つため全体的には保護色なのだが、「あ、毛虫だ」と気付いて近付いた鳥などに対して、「毒アリ。危険」と警告して、食われることを回避する効果がある。

では、青い模様は?
もちろん、「空の色を映したから」なんて詩的な情緒は、自然は持ち合わせていない。
食うか食われるか、の非情な論理の結果のはずだ。
もうちっと科学的に言えば、自然選択の結果の可能性が高い。

そこで思いついたのは、オレンジ色が警告色として有効なのは、鳥類や爬虫類に対してであって、多くの哺乳類には無効かも、ということである。
哺乳類の大多数は、赤色の光を知覚しない
オレンジ色と緑色の区別がつかないのだ。

試しに、バリアントールという色弱シミュレーションツールを使って、アオイラガの幼虫の写真を見てみた(サングラスのように使うのである)。
すると、オレンジ色の毛は、周囲の緑色のトゲと区別がつかなかった。
しかし、背中の青い模様はよくわかる。

アオイラガの青い模様は、哺乳類に対する警告色なのではないだろうか?

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