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2009/04/28

豚インフルエンザとサイトカイン・ストーム

豚インフルエンザのパンデミック(世界的大流行)が警戒されている。
ヒトからヒトへ感染し、致死率が高ければ、スペイン風邪のように万人、億人の単位で被害者が出るかも知れないという。
今のところ、うがい・手洗いとか人ごみでのマスクの着用とか、一般的な対策が推奨されている。

さて、スペイン風邪もそうだったが、A型インフルエンザの場合、免疫力の強い若者のほうが危険だそうだ。
そのキーワードが「サイトカイン・ストーム」である。
サイトカインという、リンパ球から分泌されるタンパク質が、肺の免疫機能を暴走させて、重度の肺炎を引き起こすという。

細胞が分泌し、他の細胞や組織・器官に作用するようなタンパク質としては、ホルモンがよく知られている。
ホルモンとサイトカインの違いは、ホルモンは甲状腺や副腎といった器官から分泌されるのに対し、サイトカインがリンパ球などの単独の細胞から分泌される点である。

……したがって、ハッキリした線引きは難しいのかも知れない。
よく考えると、神経伝達においても、ノルアドレナリンとかドーパミンとかセロトニンとかいったタンパク質に近い物質(ペプチドなど)が神経細胞から分泌されている。

人体の機能というのは、個々の細胞が他の細胞に働きかけることで実現していて、暴走するととんでもないことになるのだなぁ、と気付かされた。
その個々の細胞の集合体である「自分」のどこに、外の環境と相対する「自己」があるのやら。
細胞のレベルから見ると、「自己」とか「自我」って、仮想的なものかもなぁ、などとも考えてしまった。

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