« 教育委員会は必要か? | トップページ | 夏休み前半終了 »

2008/07/18

『なぜ人はニセ科学を信じるのか』を読んだ

マイクル シャーマー『なぜ人はニセ科学を信じるのか』では、退行催眠やアプダクション(宇宙人による連れ去り)など、よく知られたニセ科学も論じられているが、下巻ではとくに、創造的進化論とホロコースト否定論に多くのページを割いている。

翻訳のせいか、ちょいと読みづらいのが難点。

どちらも日本ではあまり話題にならないニセ科学である。
しかし、創造的進化論は休みの日に子連れでやってくる聖書の押し売り(ちょっと失礼な言い方ではあるが、迷惑な点では同じである。それに、子連れは良くないぞ。休みの日には、もっと遊んでやれよ。そのほうが子供のためだよ)からよく吹っかけられるし、ホロコースト否定論は南京大虐殺否定論に似ている気がする。

アメリカでは創造的進化論(最近ではID仮説として衣替え? キリスト教の神と言わずに「宇宙に存在する知的な存在」と言いかえただけらしい

)とは、公教育をめぐる裁判沙汰になっていて、断続平衡進化説のグールドあたりがしょっちゅう戦っていたようだ。
論点は、進化の中間段階の化石とか、そういった創造的進化論に都合の良い土俵に引きずり込まれがちだ。

懐疑論者のシャーマーは、真っ向から論争し、コチラが証拠を提出するより、アチラに証拠の提出を求めたほうが良いと言う。
そりゃそうだ。
新しい仮説を提示するなら、その立証責任は提示する側にある。
その証拠(というか論拠?)が、神とか超知性とかいう証明不能なものなら、それは科学ではない。
科学的な仮説とは名ばかりの、非科学的なファンタジーである。
したがって、同じ土俵で論じるのは無理ということになる。

やっぱり決め台詞は、『裁判官の爆笑お言葉集』に記されていた「それは、あなたの思い込みではないですか」になるかなぁ。
「まず自分を疑って、何度も確かめる」こと、そして「これっていい思い付きだと思うんだけど、間違ってないかなぁ」と他人に問うこと、これこそが科学なのだからね(したがって、「わしの言うことに間違いはない!」なんてぬかす人は、大学教授であれ医者であれ、科学者ではない。そういやこの台詞、旧厚生省のエイズ研究班の会合の録音テープで聞いたような気がするなぁ)。

|

« 教育委員会は必要か? | トップページ | 夏休み前半終了 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『なぜ人はニセ科学を信じるのか』を読んだ:

« 教育委員会は必要か? | トップページ | 夏休み前半終了 »