« 『生物と無生物のあいだ』を読んでいる | トップページ | 頭痛と幻覚 »

2007/07/11

『こころのサイエンス』02号を読んだ

日経サイエンスの2007年7月号臨時増刊『こころのサイエンス』02号を読んだ。

(「科学的逍遙」参照)

「片頭痛で苦しまないために」

じつはワシも片頭痛持ちである。
何もできないほどの頭の痛みがあったり、数日間寝込んだりするわけではないが、ときおりものすごい前駆症状が現れるのだ。
「閃輝暗点」と呼ばれる幻覚が現れ、視野の半分以上をおおってしまうので、本を読んだりPCを使ったり出来なくなる(閃輝暗点がどのようなものか知りたい人は、芥川竜之介の「歯車」を読むと良い)。
もっとも、数十分で治まるので、車の運転でもしない限り、さほど問題となるわけではないが。

片頭痛の原因については、脳の血管が収縮(または膨張)するから、と言われてきたが、1990年代以降、神経組織の問題だと判ってきたという。
脳幹のニューロンが異常に興奮して大量のニューロペプチドを放出する。

これが近くの血管に炎症を引き起こし、三叉神経(顔面と頭部の感覚神経)の痛み受容器を刺激、その信号が脳幹に届く。脳幹にある痛覚中枢が過敏になるか負担がかかりすぎることによって自発的に発火し始め、片頭痛の痛みが生じる。(24ページ)

ニューロペプチドの放出を抑える薬(トリプタン)が結合する先は、例によってセロトニン受容体である。
抗うつ剤が片頭痛にも効くわけだ。

「二人で一緒に――協調性の不思議」

ミラーニューロンの存在からも判るとおり、ヒトは他者の行動からその意図を読む能力を持っている。
それは、他者とコミュニケーションをとり協調行動を取ることは、社会の中で生きて行くために必要だからなのだろう。

他人のことを考慮に入れるという性癖は、人類の進化の歴史に根ざしているのかもしれない。他人と協調行動がとれる人には、有利な点が多くあったろう。初期の協調行動は、二人以上の人が同時に同じ行動をとるもの、たとえば洞窟の入り口を守るために重い石をみんなで動かすといったものだろう。 こうした協調行動をこなすため、認知と行動を無意識のうちに結びつけるシステムが生まれたことが、私たちをはじめとする複数の研究で示されている。多くの場合、協力は単なる社会的義務の遂行ではない。むしろ、人間は協力せずにはいられない生き物なのだ。(44ページ)

もちろん、ヒトだけが協調行動をとる動物ではない。
イヌに至っては、野生のオオカミだったころの「同種の群れの仲間で協調行動をとる」ところから進化して、「他種であるヒトとともに協調行動をとる」ことができる。
イヌはヒトの行動を模倣することによって協調行動をとるわけではないので、同列に論じることはできないが。

|

« 『生物と無生物のあいだ』を読んでいる | トップページ | 頭痛と幻覚 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 『生物と無生物のあいだ』を読んでいる | トップページ | 頭痛と幻覚 »