« 2007年1月 | トップページ | 2007年3月 »

2007/02/22

生きた細菌を外部記憶媒体に

昨日(2月21日)の朝日新聞の夕刊1面に、
「生きた細菌にデータを保存 慶応大などのチームが開発」
という記事が掲載されていた。

細菌のDNAに人為的な配列を付け加え、それを数世代後に読み出す、ということだね。

ディスク(または半導体メモリ。iPodみたいなものでいいや)が自己増殖する様子を想像してみよう。
そのディスクの一匹を捕まえて、データを書き込む。
個々のディスクはしばらくすると死んでしまうが、死ぬ前に子を作って、書き込まれたデータも渡す。
そうやって、ディスクは世代交代しながらデータを受け継いでいく。
いわば勝手にバックアップを取ってくれているようなものだ。
必要があれば、そのディスクを捕まえてデータを読み取ることができる、というわけだ。

生物が遺伝情報を保持しているDNAは一種の記憶媒体で、遺伝子組み換え技術で、人為的なデータを書き込むことができる。しかし、DNAが親から子に伝えられるときなどにDNA配列が変わる可能性があり、保存データが壊れやすいのが課題だった。
 チームは枯草菌(納豆菌の仲間)を使い、DNA配列が変化したり壊れたりしても元データを復元できるよう、DNAの4カ所に同内容のデータを別々の形式で保存する工夫をした。
 その結果、10文字ほどのデータであれば、細菌が世代交代を続けても数百~数千年は保存できることが計算機シミュレーションでわかった。チームは「CD―ROMやハードディスクより長く保存できることになる」としている。

複数箇所にデータを保存する、というのはCDの記録方法と同じである。
CDに傷が付いても支障なく音楽が聴けたりデータを読み出したりできるのは、傷の付いた部分以外のところも同じデータが書き込まれているからだ。

また、細菌のほうがデータを長期間保存できる、というのも興味深い。
CD-ROMのデータはディスク素材の劣化や、紫外線などによる記録層(色素層)の破壊によって、数十年で読み取れなくなるおそれがあるそうだ。
ハードディスクも地球や他の電子媒体の磁場にさらされているうちに磁気記録が薄れていくから、やはり寿命がある。
デジタルなデータは、定期的に新しいメディアに書き換える必要があるのだ(記録方式や記録装置が古くなって読めなくなってしまうという、互換性の問題もあるしね)。

それに対して、DNA という記憶媒体は30億年以上の実績を持つ。
ワシやアナタのもつDNAの一部には、最初の生物の塩基配列のコピーが残っているかも知れない。

……ってことで、SF的な夢想をしてみる。
地球上の生物は、じつは異星人の外部記憶装置だった、というのはどうだろう?
ヒトのDNAには、遺伝子ではない部分(つまり使い道の判らない部分)、ジャンクDNAがたくさん含まれている。
その部分が、異星人が仕込んだデータだったとしたら……。
アプダクションの被害者は、そのデータを読み取るために連れ去られていたのだ。
つまり彼らは「ディスク」なのだ、とか。

う~ん。
ヒトのジャンクDNAに書き込めるビット数って、どれくらいなのだろう?
なんだかそのデータの読み書きのために拉致してDNAを採取するなんて、効率が悪そうだよなぁ。
恒星間を移動できるほどの技術を持つ異星人なら、もうちょっとましな外部記憶装置を持っているはずだよね。

……というわけでこのアイデアはボツ!

(この記事に加筆して、科学的逍遙の日誌に掲載した。)

| | コメント (0)

『憲法九条を世界遺産に』

以下、科学的逍遙の下書きである。
---------

太田光、中沢新一『憲法九条を世界遺産に』(集英社新書)

対談っていうのは、はじめ意図した方向と違うほうに話が行くから、まぁ、それがおもしろい場合もあるし、読んでいてオヤと思う場合もある。
この本の場合、オヤ? と思う場合が結構多かったかもね。

今日(2月22日)の朝日新聞朝刊の記事の中で、高橋源一郎が本書に言及していて、ちょっとおもしろかった。
憲法九条と実際のこの国のスタンスは矛盾しているが、それはそれで人間的で良いのではないか、と。

「軍隊があるじゃないか」
と言われたら、
「こういうご時世なので、あくまで自衛のためです。決して他所様を侵略するようなことはしません」
と答え、
「一緒に戦おうぜ」
と言われたら、
「いえいえ、憲法で禁止されているのでそれはできません」
と答える。

……う~ん。説得力があるかも。

| | コメント (0)

2007/02/21

『ソラリスの陽のもとに』

以下、科学的逍遙の下書きである。
---------

著者:スタニスワフ・レム、翻訳者:飯田 規和『ソラリスの陽のもとに』(ハヤカワ文庫)
じつに久しぶりに再読した。
先日、古い文庫本を本棚から引っ張り出したら、ページが茶色く変色しているわ、ハウスダストでくしゃみは出るわ、活字が小さいわでガックリ来たのだが、近所の本屋で大きな活字で再版されているのを見つけて躊躇なく買ったのだった。

レムである。
砂漠の惑星』と同じく、理解不能な「異星の知性」がテーマである。
『砂漠の惑星』のETとの接触がわりとストレートなのに対して、ソラリスの海(惑星ソラリスの地表を覆う有機物の海が知性体なのだ)は、ソラリス研究者の思いもよらぬ方法で接触してくる。
いや、接触しようと思って<客>を送りこんで来たのかどうかすら、わからないのだ。

ソラリスの海が創造した<客>は、ソラリス・ステーションの研究者の意識の中に仕舞いこまれた、忘れたいと思っても忘れ難い「人」の姿でやってくる。
主人公クリス・ケルビンの場合は、自殺した妻、ハリーの姿でやってくる。

「かつて愛した人とそっくりだが、本質的に異質なもの」を愛せるのだろうか?
しかも、人形やロボットではない。
本質的に異質でありながら、「かつて愛した人」と同じ、あるいはそれ以上の愛情をもって主人公に接してくるのだ。

いやぁ、考えれば考えるほど、背筋がぞわぞわしてくる。
こういうSFを読んだ後、星空を見上げると、ものすごい空虚な感じがしてくるのだ。
このおびただしい星の陽のもとには、きっと知性を持つ生物もいるだろう。
だが、その知性がわれわれの知っている知性と大きくかけ離れたものかも知れない。

もちろん、空虚さとは、満足感とは対極にあるものである。
地球上の知性だけを物指しにして、宇宙を測ることはできない。
だから人類は、宇宙の、自然の、謎に挑戦しつづけるだろう。

この小説はかつて2度映画化されている。
タルコフスキーの『惑星ソラリス』と、ソダーバーグの『ソラリス』である。
原作の雰囲気(とくにソラリス・ステーションの図書館)を多く残すのは、『惑星ソラリス』のほうである。
まぁ、『ソラリス』も原作や『惑星ソラリス』と比べなければ「それなり」かも知れないが、どっちが好きかと言われれば、ワシは『惑星ソラリス』を取る。

| | コメント (0)

2007/02/20

カンヒザクラ? ヒカンザクラ?

河津桜が見頃らしい。
河津桜は、カンヒザクラと早咲きのオオシマザクラの雑種だそうだ。

サクラと言えば、毎晩散歩する公園のソメイヨシノの花芽の膨らみ具合はどうなのだろう?
ソメイヨシノはよく見えていないが(なにせ暗いしね)、コブシの花芽は、もうじき開きそうな感じになってきている。

……ということで、科学的逍遙のほうの日誌を修正しなければならないことに気付いた。
2月3日の日誌に、「ヒカンザクラが咲いた」と書いた。
ヒカンザクラは、カンヒザクラの別名であるが、正式和名ではないようだ。
修正、ないし注意書きを追加しておく必要があるなぁ。

ちなみに、「桜前線 詳細解説- 環境goo」によれば、主にソメイヨシノを観測対象とする「サクラの開花」も、南西諸島ではヒカンザクラ、北海道ではエゾヤマザクラなどを対象とするそうだ。

科学的逍遙の生物季節にも、いろいろ説明書きを追加しておこうかなぁ。
旧版の科学的逍遙の記事とか、環境省の「環境アクティビティ資料集」へのリンクとか。

あと、リンクを追加しておくと言えば、「常用リンク集」に載せたJSTの「SciencePortal」、トップページよりも「科学に親しむための情報」のほうが役に立つかも?

| | コメント (0)

2007/02/12

花粉関係のメモ

今年も昨日から花粉症の症状が出始めた。
今日は会社に来ているが、マスクを外すととたんにくしゃみと鼻水に悩まされる。

ということで、花粉関係のメモ。
まずは、自分の書いた記事。
「科学的逍遙 花粉雑学
「科学的逍遙 花粉雑学(2)

じつは昨晩と今朝のこんの散歩のときには、まったく花粉症の症状が出なかった。
そこで、スギ花粉の飛散する時刻って、いつ頃なのだろう、と思い、Google で「スギ 花粉 飛散 時刻」というキーワードで検索してみた。

1番目の検索結果。
スギ花粉と天気の関係 -healthクリック
なるほど、午前中に飛散が開始されるので、やはり日中がいちばんひどいわけだね。

ただまぁ、いろいろ調べてみると、天候との関係や、スギの生えているところからの距離、地面に落ちた花粉が再び舞い上がる二次飛散もあるので、簡単には決められないようだ。
「協和発酵 花粉症*ナビ
には、

1日のうち飛散の多い時間帯(午後1時~3時頃《注:地域によって差があります》)の外出もなるべく控えましょう

というような記述があった。

こんなサイトもあったよ。
リアルタイムで花粉の飛散状況が判る。
hi-hoヘップチン花粉症 特集|hi-hoとヘップチンの詳細な花粉予報

……もう一つ判ったのは、花粉症対策が大きな市場になっている、ってことかなぁ。

| | コメント (0)

2007/02/09

メモ

『スターウォーズ』を英語字幕で見る、という勉強(?)、エピソード3の途中。

すごく気になったのが、冒頭の戦闘シーン。
あんな重力井戸の近くで、あんなにくるくる動ける戦闘宇宙船って、どうなっているのだろう?
重力場の制御ができれば、可能なのだろうか??

(この記事に加筆して、科学的逍遙に掲載した。

| | コメント (0)

管理者の科学的常識

今日のニュースから。

「あるある」捏造、孫請け会社に原因…関テレ報告書(読売新聞)より。

関西テレビなどの番組のチェックも形式的にとどまっていたが、同社は「技術的な虚偽を見抜くのは極めて難しい」「年末年始の番組制作で、チェック態勢が手薄になっていた」などとしている。

駄目だなぁ。
管理者に必要なのは、「技術的な虚偽を見抜く能力」ではなく「科学的な常識」だと思うのだが。
摂取するカロリーを減らして、消費するカロリーを増やす以外に、痩せる方法などないのに(要するに、腹八分目にして、なるべく歩く、というような生活をすれば良いだけだ)。

実験方法が科学的かどうか、とか、検証が行なわれているかどうか、といったことを調べるだけでもよかろうに。
中学や高校で理科の実験、ちゃんとやったのかね?
中学入試や高校入試の理科でも、対照実験の設計の妥当性が問題に出るというのにねぇ。
ダメじゃん。

| | コメント (0)

農大生の良識

今日のニュースから。

大麻草購入、TVディレクターと陸士長逮捕(読売新聞)
馬鹿な元東京農大生の被告(公判中、退学処分)が栽培した大麻を買った馬鹿が逮捕された、という話。

農大生であれば、大麻ぐらい栽培できて当然である。
ケシの種子の(ごく普通の)入手方法や、人を死に至らしめる山野草について知っていても不思議はない。
ワシは大学で、身近な栽培植物を使ってイヤな奴を死ぬほど苦しい目に遭わせる方法を習った。
××××(自粛)の種子の半分を細かくして、コーヒーに混ぜるだけで、すさまじい下痢に襲われるという。

……だが、「知っていること」と「やってしまうこと」とは、違う。
自動車を人にぶつければ死ぬかもしれない、ということは、誰でも知っている。
だからといって、わざと自動車を人にぶつける奴は、良識のない馬鹿である。

この元農大生は、「知っていてもやらないほうがよいこと」を「やってしまった」から、良識のない馬鹿なのである。
しかも金のためとは! 大馬鹿者め!

| | コメント (0)

« 2007年1月 | トップページ | 2007年3月 »