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2006/11/27

ニホンカモシカを数えに行った

定点観察ポイントにて

毎年恒例、足尾のニホンカモシカの頭数調査に行った。
大学時代の仲間と行っているのだが、このところ成績が悪い。
今回も0頭であった。

見たものといえば、ニホンザルとニホンジカとイヌワシとハヤブサとノスリとトビとマヒワとヒガラとシジュウカラとウソ、くらいかな(クマに遭わなくてよかった)。
観察をはじめた四半世紀前と比べると、サルとシカが増えたように思うが、それとカモシカが減ったこととの関連は判らない。
フィールドでの観察では、何が原因で何が結果なのか、見極めるのが難しいのだ。

食物で競合するシカが増えたことが原因で、カモシカが減ったのか。
カモシカが減る原因が別にあって、結果的にシカが増えたのか。

現実としては、今年は1頭のカモシカを見ることもなく調査は終わった。
年を追うごとに言うことを聞かなくなる肉体を酷使して岩だらけの尾根を上り下りするために行ったようなものであった。
もちろん、星空の下で焚き火を囲んで酒を飲むため、という理由も否定できないが。

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2006/11/21

朝焼け

朝焼け

毎日日の出が遅くなる時期だというのに、こんの起床時間が早くなった。
ウチを出る頃にはまだ暗い。
ただ、早起きして散歩をすると、それなりの「得」がある。
今朝は素晴らしい朝焼けを見た。

刻々と色を変えていく朝焼けを眺めながら考えたのは、「ニュートンがプリズムで謎を解いたために、虹の神秘性が失われた」というような主張の虚しさだ。
ワシは、朝焼けの雲が染まる仕組みを知っているが、その知識は朝焼けの素晴らしさをなんら損なうものではない。
むしろ、刻々と変化していくその理由を知っていることで、自分が惑星地球の表面に立ち、地球上のすべての生き物とともに宇宙を旅していることを実感することができるのだ。

科学の進歩を拒む人の気持ちがよく判らない。
自分に都合の良い神話だけを人々に押し付けたいのだろうか? などと勘ぐりたくなることがある。

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2006/11/20

楽園の泉

先週土曜日に上のムスメとCD屋兼本屋へ行ったとき、アーサー・C・クラークの『楽園の泉』がハヤカワ文庫で再版されているのを見つけた。
レムの『砂漠の惑星』もそうだが、古いSFを大きな活字で読めるのは嬉しい。
『楽園の泉』も最初は単行本で買ったのだが、本の置き場に困って古本屋に売ってしまい、そのうち文庫本を買って再読したいと思っていたの、非常に嬉しい。

……というわけで、土日で読了。

「巨匠最後の三部作」と銘打って、『楽園の泉』『宇宙のランデブー』『地球帝国』が相次いで刊行されたのは、もう30年ほど前のことになる。
したがって、クラークの描く近未来世界のテクノロジーの「前提条件」も大きく変わってしまった。
21世紀後半、地球で最初の宇宙エレベーターが建設されるまでを描いた『楽園の泉』に限って見てみよう。

宇宙エレベーターのケーブルは無重量の環境で製造される「擬似ダイアモンド」で作られることになっている。
いまなら、宇宙エレベーターのケーブルの素材として、カーボンナノチューブが使われるだろう。
カーボンナノチューブを使えば、現在の技術でも宇宙エレベーターを建設することが可能らしい(詳しくは巻末の解説を参照のこと)。

地球規模のネットワークが実現していて、気になるニュースをキーワードで拾い出す、というサービスが登場する。
これは、21世紀後半を待つまでもなく、現在でも実現してしまっている。
クラークは、ネット上で個人を特定して連絡をつける(グリーティングカードを送ったりする)というエピソードを描いているが、これはむしろ難しいことになってしまった。
ネット上のプライバシーやセキュリティ、スパムやウイルスがこれほどの問題になることは、家庭のコンピュータの大部分がスタンドアロン(ネットワークされていない)ものであった時代には、想像できないことだった。

例によって、クラークの世界は平和である。
世界連邦が実現していて、地域紛争もないようだ。
「テロとの戦い」や「核の拡散との戦い」や「軍事力の拡大」が21世紀に入っても続いていることは、なんとなく情けない。

クラークの描く楽園のような未来を手に入れることは難しいだろう。
しかし、せめて、ワシが生きているうちに、静止軌道へと伸びる塔や地球の赤道をとりまくリングを見上げ、そしてそこから地球を見下ろすことができないものだろうか。

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2006/11/19

呪いの人形

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雨の日のこんは本当によく寝る。 下のムスメが定期テストに備えて勉強している座卓の下、二階の寝室の畳んだ布団の上、食堂の窓際のお昼寝専用ベッド(上の写真)、というように場所を変えながら、丸くなって寝ている。

さて、上の写真をよく見ると、ベッドの下になにやら赤い不気味な塊かたまりがある。 これは何かというと、一週間前にはこんなふうだったのだ*1。

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……ロープを編んで作られたクマの人形である。 頑丈そうなので、乱暴に振り回しても壊れないだろう、と思って買った。 じつをいうと、可愛がってくれないかなぁ、と期待をしていたのだった。

しかし結果は、最初の写真の通り。 耳や足の部分のロープが解ほどかれて、一時はドレッドヘアのようになっていた。 現在では頭の部分も解けてしまって、部屋のあちこちにロープのカケラや糸くずが散乱している始末。 「かわいいくまちゃん」は、こんが可愛がった結果*2、「呪いの人形」になってしまったのである。

ドッグラン(?)完成

先週の木曜日(16日)、会社でデバッグに勤いそししんでいるとき、携帯電話がメールの到着を告げた*3。 カミさんからのメールで、表題は「こん脱走!」。

ウチの庭の東側はラティスフェンスで囲ってあるのだが、西側は「害獣から畑を守るためのネット」を張ってあるだけだ。 そのネットと家の壁の隙間から、庭で遊んでいたこんが脱走して道路のほうへ出てしまったのだそうだ。 こんが庭にいないことに気付いたカミさんが探したところ、玄関から出たところに、困った顔をしていたそうである。 内弁慶の性格が幸いしたのだろう。

じつは、引越しに際して上部を伐きったビワの切り株(高さ約1メートル)を杭くいの代わりにしてネットを張ってあった。 最近、その根が腐ってきてグラグラしていたので、いずれラティスフェンスに取り替えようと思っていたのだ。 そこで、金曜の会社からの帰り道にホームセンターに寄って、ラティスやポスト(杭)を買ってきた。 昨日土曜はいろいろと買い物の用事があったので、朝と夕方、それぞれ1時間半ほどかけてフェンスを組んだ。 フェンスの下にはコンクリートブロックや大きな石を置いて、穴を掘れないようにした。

これで、ウチの庭は完璧なドックランと化した。 安心してこんを野放しにできる。 しかし……。

野放しにしておくと、こんは庭のあちこちに穴を掘りまくるのだ。 そして、ウチの中に入るときには、その泥足をキレイにするのが大変なのである。

(注)

*1 先週の日曜日(日誌/2006-11-12)は晴れていたが、怖いものがいくつも近所の道を通るので、庭に出ずに寝ていた。

*2 もちろん、この可愛がり方は間違っている。そんなつもりでくまちゃんを買ったのではないのだよ、こん。だから、くまちゃんの残骸を食べるんじゃないってば! くまちゃん本体(?)を取り上げやしないから、うなるのは止めなさい!

*3 携帯電話がしゃべったわけではない。マナーモードにしてあるので、振動しただけである。

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2006/11/17

「イヌの足」二題

超足長犬

こんは柴犬がベースの雑種だが、いったいどういう犬種の遺伝子が混ざっているのだか、胴が長い。 というか、足*1が短いのだろうか。

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……おや? こん、どうしたの、そんなに足が長くなっちゃって。

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もちろん、影のマジックである。 朝の散歩の途中、朝日が箱根の稜線の向こうから昇ってきて、こんとワシの長い影が道の上に伸びた。 影は小学校の石垣で曲がって立ち上がり、足だけが長い異形(いぎょう)となった。

ネコは後ろ足を置く場所を心得ている 

田んぼを悠然(ゆうぜん)と歩いてきたネコと遭遇(そうぐう)。 こんはとにかくちょっかいを出したいのだが、ネコのほうは真剣だ。 背を弓なりに曲げ、毛を逆立ててふくらんで、「ふぅぅぅぅ」と低くうなっていた。

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ケンカさせたらこんが負けるだろうと思ったので、血を見ないように遠ざけた。 その後、ネコが上手に竹をまたぎ、溝を越えていくのを見ながら、こんは歩き方でもネコに負けているなぁ、と思った。 こんときたら、用水路に下半身を落とすわ*2、側溝の蓋の穴に後ろ足の先をはめるわ、自分のウンコを踏むわ*3、バナナの皮を踏んでコケるわ*4、という具合で、ずいぶんとイイカゲンな場所に後ろ足を置いては、ズッコケている。

まぁ、ネコは木に登るような器用さをもつのだから、前足を置く場所同様、後ろ足を置く場所にも注意を払っているのだろう。 それに引き換え、ひたすら草原を駆け抜けるオオカミを祖先に持つイヌにとっては、後ろ足は推進エンジンに過ぎない。

こんの後ろ足の爪を見ると、後ろ足が推進エンジンであることがよく判る。 なにしろ散歩のときも庭でも猛ダッシュをするのが好きなもんだから、まったく切る必要がないくらい、爪がすり減っているのである。

(注) 

*1 生物学的には「肢(あし)」とするところだが、堅苦しいのでここでは「足」にしておく。

*2 「科学的逍遙日誌:入梅」を参照のこと。

*3 幸い固めのウンコだったので、ウンコが凹んだだけで肉球は汚れなかった。

*4 これはウソ。なぜか道にバナナの皮が落ちていて、それを踏んだことはあるが、コケなかった。

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2006/11/12

散歩は朝と夜に限る

最近、朝の散歩に出る時刻は、日の出前である。 雪の頂を紅く染めた富士山を見ながら家を出て、散歩するうちに朝日が差してくる。 近所の小学校のイチョウやプラタナスが朝日に映えるのを見ながら、ウチに帰ってくる。

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イチョウの黄葉も盛りを過ぎて、葉が散り始めた。 そんなイチョウを(携帯電話で)撮ろうとしたら、「秋の火災予防運動」のサイレンに怯おびえたこんに引っ張られたので、妙なアングルの写真になっちゃった。

今日の午後はよい天気だったので、こんを散歩に連れ出そうとしたのだが、拒否された。 「散歩に行こう」と声をかけると、座卓の下にもぐってしまう。 玄関にいざなうと、階段を上がって二階へ行ってしまう。

……今日もまた、ちり紙交換車と、そのスピーカーから大音量で流される「北風小僧の寒太郎」が怖かったらしい。

夕食後、西の空に傾いた夏の大三角形を見ながら近所の公園へ。 暗くなって行き交う人や車が少なくなれば、こんは大胆になれるようだ。 もっとも、「秋の火災予防運動」の間は、鉦(かね)を鳴らしながら通り過ぎる消防車に怯えて、ダッシュしてウチに帰るのだろう。

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こんが理解できるコマンド

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お手

ささみジャーキーやビスケット(犬用)など、大好きなものが前にあれば、確実にできる。
大好きなものが欲しいときには、本を読んでいるワシの肩などに手(前足)をのせて催促する。

待て

大好きなものが前にあれば、多少の我慢もできようというもの。
しかし、散歩中に赤信号で「待て」と言っても待てない。

よし

ふつう、「待て」とセットで使う。 「待て」でごはんを待っているとき、「よし」と言ってもキョトンとしていることが多いのはなぜだろう?  しかし、散歩中に信号が青に変わったとき、「よし」と言えば必ずダッシュする。

おすわり

大好きなものが前にあれば、必ずできる。

おいで

たぶん、理解している。
公園で長さ9メートルのロングリードを使っているときなど、遠くへ行ったこんを「おいで」と呼ぶと、弾丸のごとく飛んでくる。
ついでに、跳び上がって胸に激突する。

しかし、従わないことも多い。
騙されてクルマに載せられて、獣医さんに連れて行かれたことがあったからか?

ゴロン

散歩の後など、足の裏を拭くためのコマンド。
大好きなものを鼻先に持ってこられると95%できる。
何もなくても、25%くらい完遂?

ハウス

寝るためのケージ(というか、テントみたいなもの)に入るためのコマンド。
おとうさんやおかあさんの布団の上で休んでいるときでも、「ハウス」と命じれば、トコトコ歩いてケージに入る。
……はずだったのだが、全然違う。
「ハウス」と命じると、ひっくり返って腹を見せる。
……間違っているよ、こん。

たぶん、避妊手術のあと「ハウス」と言っても怖がって入らなくなってしまったので、甘やかして抱っこして入れてやっていたのがいけないのだろう。
「ハウス」=「抱っこ」だと思ってしまっているのだ。
……間違っているけど、もう直せないだろうなぁ。
仕方がないので、今夜も腰を痛めないことを祈りつつ、「ハウス」と命じることになるのだろう。

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2006/11/10

田んぼにカニが!

こん、カニと遭遇する

朝の散歩のとき、こんが田んぼの中へ突っかかって行った。 何事ならんと見てみると、カニがいた。

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川の中流域に棲すむモクズガニである。

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二の腕……というかハサミの下もとの部分に、藻屑もくずの付着する長い毛が生えている。

モクズガニなんて、伊豆の半島部の川へ行かないとお目にかかれてないと思っていた。 500メートルほど離れた黄瀬川から、用水路伝いにやってきたのだろうか。

こんはおっかなびっくり前足を出したりしてじゃれていたが、散歩中の他のイヌがやってきたので興味を失ったようだ。

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ワシ、ドクガに遭遇する

さて、家に帰って庭の木々を見て回っていたら、タラノキの葉の上にゴマフリドクガの幼虫がいるのを見つけた。 ドクガは迷惑なので、火バサミではさんでコンポスト(堆肥化容器)へポイ。*1 タラノキのゴマフリドクガを排除するのはこれで5~6匹目だ。

こうした毛虫を見つけるときには、何となく何かいそうだなぁ、と思ってふと見ると、そこにいる。 ワシは、毛虫にたかられた植物が放出する警戒フェロモンを感じることができるのだ。*2 で、ゴマフリドクガを排除した後カキを見たら、こんなのを見つけてしまった。

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リンゴドクガの幼虫のようだ。 お前もドクガか。 コンポストへさようなら。

(注)

*1 こんがウチに来るまでは庭の土の中に埋めていたが、今はこんが掘り出して刺されたりすると厄介なので、堆肥になってもらうのだ。

*2 もちろん、ウソである。イラガについても似たような話を書いたなぁ(2006年9月2日)。

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2006/11/09

人間ドック

今日は人間ドックのため会社を休んで病院へ。 検査の間の待ち時間が長いので、例年文庫本を持って行く。 今日は野尻抱介の『太陽の簒奪者(さんだつしゃ)』とロジャー・ゼラズニィの『光の王』を持って行った。*1

『太陽の簒奪者』の第一部は次のように始まる。*2

ACT・1 2006年11月9日

高校の天文部はいまでも太陽観測を日課としている。それが日中に観測できる数少ない天体だからだ。この日、太陽は特別なゲストを迎えようとしていた。水星の太陽面通過――いわば水星による日食だった。

ん? 2006年11月9日? ……今日じゃないか。 そういえば、どこか(新聞か雑誌かWeb*3か)で、今日の早朝に水星の太陽面通過が見られると読んだ記憶があるが、人間ドックというイベントにまぎれて忘れていた。

いずれにせよ、第三接触*4が9時8分過ぎ、第四接触*5が9時10分過ぎなので、すでに病院に着いていたから、見られなかったのだが。

さて、昨日の夜9時から絶食していて(お茶も飲めない)、空きっ腹にバリウムを飲まされて撮影台の上で振り回されて、という具合に人間ドックはなかなか辛つらい。 唯一の楽しみは、豪華な昼食である。 食後の尿と血糖値を調べるため、しっかりおいしいものを食べて、その後また採尿と採血が(それぞれ2回)あるのだ。 その昼食とは、こんな具合である(ふたを取ってから撮ればよかったなぁ)。

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御品書

食前酒(梅酒)
前菜三種
 一、鮪の昆布和え
 一、長芋の揚げ煮
 一、スタッフドエッグ イクラ添え
水菜とベーコンサラダ
大根のベッコウ煮
海老のしんじょう三色揚げ
テールシチュー
湯葉鍋
中華風茶碗蒸し
けんちん汁
御飯
漬物
フルーツ
食後のデザート

ワシは昭和30年代の生まれなので、残すことが苦手だ。 ……というわけで、全部食べようと奮闘した結果、今年も腹が一杯になってしまい、ちょっと苦しんだのだった。

(注) 

*1 どちらも以前に読んだ本である。新しい本だと、読んでいて先が気になって仕方がないので、しょっちゅう分断される待ち時間の読書には不向きなのだ。人間ドック暦が長いと、こういう詰まらないノウハウが身に付く。

*2 ちなみに、主人公白石亜紀は天文部長で、水星の太陽面通過を観測していてとんでもないものを見てしまう。だが、第一接触から見ているのは、ちょっと変だね。第一接触と第二接触は、日本では見られないのだ。その時間、日本ではまだ水星は昇って来ていないからね。

*3 アストロアーツのサイトなど。

*4 太陽面から出て行こうとする水星の縁が太陽の縁と重なる瞬間。

*5 太陽面から水星が離れる瞬間。

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2006/11/07

立冬

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降り始めた雨に追われてこんの朝の散歩から引き上げると、雷を伴う激しい雨になった。 午前中、所用のために出掛けているうちに快晴となったが、風が強い。 ウチから見える真っ白な富士山の山頂付近の雪も、盛大に飛んでいるのが見えた。 遠めに見る分には壮大で綺麗だが、「現場」ではものすごいブリザードだろう。

長大な寒冷前線が日本列島を一撫でしていったらしい。 北海道では竜巻も起こったようだ。

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(@nifty実況天気図より)

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こんのしつけ

こんに対する躾(しつけ)はうまくいっていない。 例えばこんな具合だ。

家の中で粗相はしなくなったが、トイレでもしない(ではどこでするのかというと、庭や散歩道の脇の空き地などである。どんなに雨風が強い日でも、である)。
散歩のとき、リード(引き綱)をぐいぐい引っ張る。
飼い主の横を同じ速さで歩くという、リーダーウォークができない。

こんの躾がうまくいかない原因について、カミさんは「おとうさんが甘いから」だという。
まぁそれも一理あるが、一つ重要なポイントがあることに気付いた。

こんの躾がうまくいかない原因

それはワシが、こんが何に興味を持ち、どんな行動をとるかについて、つい観察してしまうことだ。

「動物の意思決定」というものは、動物行動学において、けっこう重要な問題なのである。
電線にとまっているハトが飛び立つとき、ハトはなぜ飛び立とうと思うのだろうか? 
カラスが迫ってきたからか? 
カワイコチャン(ハトの、である)が近所の屋根にいるのを見つけたからか? 
おなかが空いたので餌場へ向かったのか? 
あるいは、とくに理由はないけど居場所を変えようと思ったのか? 
……じっくり観察していると、明確な理由が判らない場合もある。
いったいヤツは何を考えているのだろう?

イヌくらい知能が高く、感情を持つ動物になると、その意思決定の要因となるものは、かなり複雑なはずだ。
単に腹が減ったとか、そういったいわゆる「本能的」な要因だけで行動しているわけではない。
……もちろん、こんの場合怖いものがいっぱいあるので、ものすごく判りやすい行動をとることも多いのだが……。

こんが何を見、何を嗅ぎ、何を感じて「行こう」とか「帰ろう」とかいった行動をとるのか。
それが知りたいので、こんを行きたいほうに行かせてしまう。
そのせいで、こんはリードを引いて、好き勝手に走っていくのだ。

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2006/11/06

ナイチンゲールの沈黙

科学的逍遙に書いた『ナイチンゲールの沈黙』の書評(というか感想文)に付け加えるべきこと(というか書き忘れたこと)。

 

ハイパーマン・バッカスという特撮ヒーローものの話。
今回、小児愚痴外来(入院している子供たちが相手だから外来じゃないだろ、というツッコミはアリ?)まで担当させられた田口講師が解説本を買って勉強していた。
バッカスは酔っ払わなければ変身できないという、とんでもないヒーローである。
酔っ払ってゲロ吐いたりするもんだから、地球に侵略してきた異星人、シトロン星人に説教されたりするのである。
でもって、介抱しているシトロン星人を倒してしまったりするのだ。
よくまぁ、こういう設定の劇中劇、というかお話の中のお話を考えるなぁ。
『のだめカンタービレ』の中の「プリリンごろ太」みたいだねぇ。

 

加納警視正を演じたらよさそうな俳優は……なぜかトミー・リー・ジョーンズがアタマに浮かんだ。
黒ずくめの服装、ということで、MIBのイメージがあるからかなぁ。
背中に子供たちが書いた「シトロン星人」という紙を付けていたりするしなぁ。
日本人が演じるなら、やっぱり八嶋智人演じる白鳥調査官にぶつけて、柳葉敏郎だろうか。

 

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履修漏れ問題

「履修逃れ問題」といったほうがいいかも。
でも、本質的な問題は、「大切なので必修科目」となっている世界史などを「学ばなくてもよい」と判断してしまったことだ。
「ゆとり教育」の弊害で、中学卒業までの理社の内容はかなり削られている。
そこへもってきて、高校で必須科目すら教わらないのでは、非常識な大学生の大量生産と言われても仕方あるまい。

 

立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」 第89回 東大生にも蔓延!履修漏れ問題 「ゆとり教育」が国を滅ぼす

 

ヘタをすると、今の大学生は「進化」も「銀河系」も「十字軍」も習ったことがないのである。

 

もちろん、学校で教わればいい、というもんでもない。
授業の中身というヤツも大いに問題で、実際、教壇に立っていたときにはどうやって記憶の片隅にでも知識をとどめてもらおうかと、いろいろ考えた。
スライドやビデオなどの視聴覚教材を使ったり、実験をしたり、実物を教室に持ち込んだり、クイズにしたり……。

 

やる気のある現場の教師は、あれこれ知恵を絞っているはずだ。
したがって、まったく知らないのと、授業でやったかも知れないと思うのとでは、格段の差があるだろう。

 

大学入試に「一般教養」というヤツを追加してはどうだろうか?

 

(この記事に加筆して、科学的逍遙の日誌/2006-11-06に掲載した)

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2006/11/05

庭の秋、深まる

一昨日(11月3日)、昨日(11月4日)そして今日と世の中は連休だった。 しかし、ワシは金・土と仕事で、今日ようやく休みがとれた。

天気が良いのでどこかへ出掛けようか、と思っていた。 でもまぁ、疲れが出たのと面倒なのとで、こんの散歩と買い物と昼寝と庭でぼーっとすることで一日を過ごした。

散歩に出ると、こんは側溝に入ってサクラやイチョウやプラタナスの落ち葉を踏んで歩く。 割れたビンでも踏んで怪我をするといけないので、すぐに引っ張り出したが、見上げると小学校の校庭のプラタナスが見事に色づいていた。

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庭のカキノキやイチョウは一向に紅葉(黄葉)する気配がない。 だが、ヒメシャラが部分的に紅葉していたりして、着実に秋は深まっているようだ。

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今年はたくさん虫がついていたのでイマイチだが、ムラサキシキブの実も色付いた。

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ムラサキシキブにしろヒメシャラにしろカツラにしろ、庭の木々が細かい枝を絡ませているので、葉を落としたら少し枝を払ってやろう、と思った。

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2006/11/04

人類史上最強のメディア

今日会社で MSDN Library にアクセスして Web オーサリング ツールについて調べていたら、「UI 設計の 5 世紀」という記事を見つけた。 その冒頭を引用する。

「何時間使っても疲れない自然なユーザー インターフェイスを持つアプリケーションを設計しました。実のところ、あまりにも透過性に優れているため、ユーザーの意識から『消えます』。まるでユーザー自身の脳の一部のようで、アプリケーションを使っていることさえ忘れてしまうほどです」

まるで UI 設計における聖杯のようじゃありませんか?私たちを仮想現実世界へと導く、あくまでも空想上の未来像だとお思いでしょうか。そう思っているとしたら、それは間違いです!私たちはみんな、これくらい自然な UI をほとんど毎日のように使っています。私たちはそれを「本」と呼んでいます。


……なんだか、まったく同じようなことを、昔(10年位前)アシモフの科学エッセイで読んだような気がする。


J.ローゼンバーグの「デジタル文書をどのように残すか」(『日経サイエンス』1995年3月号)では、デジタル文書はアナログ文書よりも寿命が短いのではないか、という指摘があった。 「古い」デジタル文書は適切なタイミングで変換しなければ、事実上消滅してしまうからね。 もはや、昔々(20年位前)EPSON HC-88 やワープロ専用機 OASYS で作成した文書(とくに線画)なんて、読みようがないもんね。 CP/M の文書とか 5インチのフロッピィとか PC-9800 のゲームとか Windows 3.1 用の CD-ROM ソフトとか、壊れてしまった Palm の中のメモとか……いろいろあるなぁ。


それに対して、本は数世紀前から完成の域に達しているユーザインターフェース(UI)を持つ上、(中性紙なら)千年くらいはデータを保持できる。 読み取り/再生用のハードウェアはユーザが用意するから、メディアだけがあればいい。 ある程度の明るさが確保できれば、電源も不要だ。 再生結果はユーザのハードウェア*1に依存するが、状況によっては総天然色の動画+音声に、匂いや味覚まで再現することができたりする。


……というわけで、デジタルメディアがいくら発達しても、本は無くならないだろう。


それにしても何だな。 このマイクロソフトの記事、著者は「ビル ヒル」と記名されているが、いつ書かれたものか判らない。 折角面白いことが書いてあるのに、資料的価値がないじゃん。

(注)

*1 正確に言うと、日々更新されるソフトウェアを組み込まれたハードウェアかなぁ。ウェットウェアとも言うね。

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2006/11/03

ひっつかれ犬2

朝の散歩からウチの庭に戻ったこんを見ると、頭のてっぺんに何かついている*1。

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あぁ、これも「ひっつき虫」だ。 コセンダングサ*2の果実だね。

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なんで頭のてっぺんにひっつき虫がついているかというと、散歩中、こんな風に茂みに頭を突っ込むからだ。

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ひっつき虫の正体、コセンダングサの果実*3の写真も撮ってみた。 携帯電話のカメラで接写したものだが、日の出前なのでブレていてヒドイ写真だ。

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(注)

*1 前回はほっぺ。「ひっつかれ犬」参照。

*2 最初アメリカセンダングサと書いたが、違った。アメリカセンダングサは茎が赤みを帯び、果実がもっと太い。茂みがでかいのでアメリカセンダングサかと思ったのだ。「小栴檀草(こせんだんぐさ)」という名前のくせに、大きくなるのだ。

*3 ふつう種子、タネと呼んでしまうが、じつはこれでも果実である。中に種子が一個入っている。

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2006/11/01

ひっつかれ犬

朝6時20分に家を出て、こんに引っ張られて歩いているとき、箱根の向こうから朝日が昇り始めた。 久々に日の出を見た気がする。 真っ赤なひしゃげた円盤。

あらためて、あの球体から降り注ぐ光エネルギーの当たり方によって四季が移り変わっていくんだよなぁ、などと考える。 秋も深まり、もう11月じゃないか。

……ふとこんを見ると、ほっぺたに何かついている。

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あぁ、「ひっつき虫」か。 イノコズチの果実だね。

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折角だからウチまで付けたまま帰ってもらって、実体顕微鏡で見ることにした。 ところが、けっこうシッカリくっついているので、取りにくいこと。 だいぶこんに文句を言われた。

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実体顕微鏡の接眼レンズに携帯電話のカメラのレンズを合わせて撮ってみた。 トゲにはさまっているのは、こんのほっぺたの毛である。 ついでなので、久々にスケッチしてみた。

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写真も良いが、スケッチすると構造がよく判る。 また面白いものを見つけたら、スケッチしてみよう。

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