庭の草刈りをして空を見上げた。
夏草の勢いはすごい。
姫高麗芝を圧倒する勢いでメヒシバやエノコログサやツユクサやコブナグサが伸びて、みっともない状態になったので刈ることにした。 さほど広い庭でもないのに、電動バリカンを使って3時間ほどかかった。 こんに邪魔をされたり*1、途中で格闘したり*2、アイスコーヒーを飲んで一服したりしたので、時間がかかったのだ。
途中、ふと気付いたらこんの姿が見えない。 ミョウガかローズマリーの茂みにでもいるのだろうと思ったが、いない。 さてはネットを破って外へ出たか、と家族総出で探そうと思ったら、カミさんが見つけた。 ウッドデッキの下にもぐっていたのだ。
以前、ウッドデッキの下にネコがもぐって困ったので、出入りできそうなところには、プラスチック製のスパイク(巨大な人工芝のようなもの)を置いてある。 こんはそのスパイクが痛くて、出て来られなくなったようなのだ(スパイクの上に草が茂ったところから入ったようだ)。 仕方がないので、スパイクの一部を外して、こんを引っ張り出した。
そんな騒ぎはあったものの、どうにか草刈り(兼芝刈り)を終え、カツラの木の下に寝転んで空を見上げた。 ……うす曇りの空だったが。 こんも傍かたわらの芝の上に寝転んで、上空を通過するキジバトやヒヨドリを見上げていた。
さて、空を見上げていて思い出したのは、ちょっと話題になったものの急速にニュースのネタではなくなってしまった冥王星について……。 どこぞのニュース番組のコメンテーターが、こんなことを言っていた。
「冥王星が惑星かどうかということが、どうしてこんなに話題になるのか。 遠く離れた星のことなんて、日常生活とまったく関係がないのに」
……なんという了見の狭さであろうか。
空を見上げ、天を満たす星ぼしに思いをめぐらせ、その動きに法則を見出そうとする生物は、今のところ地球上にはヒトしかいない*3。 権力闘争とか音声信号(言葉)を使った応酬とかいったことは、他の動物でもやっていることだが、星をめぐる夢を見て、星へいたる船を作れるのは、ヒトだけだ。
空にあるあまたの天体にはいったいどんなものがあるのか、といったことを考えることは、とても人間的なことであり、それゆえ重要なことだと思うのである。
また、何をもって惑星とするかを改めて検討する必要があったのは、天体に関する知識が増えたからである。 天体に関する知識を増やすことで、ヒトは天体と運命とをいたずらに結び付けて怯おびえるような状況から脱却できた。 占星術のような、訳の判らない権威からの脱却は、民主的な社会を築く上でも重要なことだと思うのだが、どうだろう?
(注)
*1 バリカンを使っている前を横切ったり虫を取ろうとしたりするので、危なくて仕方がない。
*2 長袖シャツを着て手袋をしたら、噛み付いてよいと思っているらしい。
*3 イルカやクジラが何を考えているか知りたいところではあるが。