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2006/06/14

『天使と悪魔』を読んだ

ダン・ブラウン(越前敏弥訳)『天使と悪魔』(角川文庫)を読んだ。
『ダ・ヴィンチ・コード』の主人公ラングドン教授シリーズの第1作である。
『ダ・ヴィンチ・コード』の中で教授は「ヴァチカンでは大活躍でしたね」などと言われていたが、そのヴァチカンでの冒険(?)が描かれる。
17世紀にガリレオ・ガリレイが創設した科学者たちの秘密結社イルミナティが蘇り、宿敵カトリック教会を壊滅させるべく、折りしもコンクラーベ(次期教皇選挙)のさなかのヴァチカンに時限爆弾を仕掛けた……。
その時限爆弾が、SFではおなじみの「反物質爆弾」なのだ。
爆弾として作られたものではないが、格納容器の磁気トラップのバッテリーが24時間で切れるので、内部の反物質が落下して格納容器の正物質と対消滅すれば、そのエネルギーでサン・ピエトロ大聖堂はクレーターと化すのだ。
その反物質を作った二人のセルン(CERN)の科学者のうち一人は殺され、残る一人とラングドン教授が反物質のありかを……反物質を盗んだ犯人を……追う、という物語。

宗教象徴学の教授の知識が、反物質探しにどのように役に立つのか……については、まぁ読んでのお楽しみ、というところだ。
いやぁ、ローマと言うところは、数世紀前の「歴史」がそのまま残された町なのだなぁ、と思った。
その意味では、『ダ・ヴィンチ・コード』と同様、史跡ガイドブック的な楽しみ方もできる。
読後感は『ダ・ヴィンチ・コード』よりもスッキリしている。
話の展開がストレートで判りやすいし、『ダ・ヴィンチ・コード』を読んでいて感じた「でき過ぎ感」があまりない。
ソフィーのおじいちゃん、懲りすぎだったもんねぇ。

話が判りやすい分、伏線も判りやすすぎる、とも言える。
イルミナティの「親玉」が誰か、中巻で見当がついちゃったし、反物質の始末の仕方も、ラングドン教授がCERNに居るうちに判っちゃったし。
また、この手の娯楽作品にはありがちだけど、「オイ、専門家なら気付けよ」的な描写もあった。
イルミナティの最後の紋章の謎は、ページを裏側から透かせばすぐに判ったし……。

それはともかく、どうにも疑問なのは「バッテリーが24時間で切れる」というところだ。
バッテリーの電圧の低下のしかたは非線形だから(単純なグラフにならないので)、「あと3分」なんていう表示はできないように思うのだが、どうだろう?
ノートPCにしろ携帯電話にしろ他の機器にしろ、満充電の状態から残量警告ランプが点るまでの時間は判らないし、残量警告ランプが点ってから電源が落ちるまでの時間も判らない。
まぁ、バッテリー残量警告のカウントダウンタイマーがなければ、このお話は成り立たなくなっちゃうんだけどね。

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