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2006/04/26

『リングワールドの玉座』を読んだ

ラリー・ニーヴン著、小隅黎訳『リングワールドの玉座』(ハヤカワ文庫SF)を読んだ。
ラリー・ニーヴンの「ノウンスペース(既知空域)シリーズ」を読み始めたのは大学生のときだから、もう20年にわたって読み続けてきたことになる。
最初に「ノウンスペース・シリーズ」について知ったのは、『SFマガジン』に連載していた、スタジオぬえの「スターシップ・ライブラリー」に描かれていた「ライイング・バスタード(嘘つき野郎)号」のイラストと解説記事を読んだときだ。
そのイラストがめちゃくちゃにカッコ良かったのである。

真ん中でくびれた紡錘状のゼネラル・プロダクツ製2号船殻。
生命維持機構とハイパードライブだけがその透明な船殻に収められ、武器を兼ねた推進機関やセンサーは外部の三角翼に装置されている。
ライイング・バスター号が目指したのは、G0(ゼロ)型の恒星をめぐる人工のリング。
その巨大な居住可能な世界を、誰が、何の目的で作ったのか……。
地球人とパペッティア人、クジン人の混成チームが調査に赴くが、軌道速度で接近したライイング・バスタード号は撃ち落され、リングワールドの表面にハードランディングする……。

なんじゃぁ、このSFは? ハードSFなのに、ガジェットやベムがてんこもりではないか!
……というわけで、買おうと思った『リングワールド』はハードカバーだったので、学生には買えなかった。
どうやらパペッティア人・クジン人などの異星人やクォンタムIIハイパードライブなどの予備知識が必要そうだったので、文庫本の『太陽系辺境空域』を買って読んだ。
いやぁ、何とも壮大なスペースオペラ的展開に、巻き込まれ型の主人公たちやトリッキーな難問解決策、マーフィーの法則(作中では「ペテン師の法則」)、そしてユニークな惑星環境や異星の生態圏がシニカルなユーモアをもって描かれ、とても面白かった。
作物学―植物生態学の卒業論文作成の合間に、次々と文庫本を買って読んだ。

ハードカバーの『リングワールド』を買って読んだのは社会人になってから。
それから続編の『リングワールドふたたび』まで、だいぶ間があったように思う。
そして『リングワールドの玉座』だが、またまたえらく間があいている。
読み終わった瞬間、これは次に続くなぁ、と思ったら『リングワールドの子供たち』が出るらしい。
……三部作じゃないじゃん。

はっきり言って、最初に『中性子星』や『リングワールド』を読んだときほどの衝撃はなかった。
ニーヴンの描く世界に慣れてしまった(というか、馴染んでしまった?)のだろうか……。
それとも、20年の間に、現実が追いついてきてしまったのだろうか?
常温超伝導やナノテクノロジーなど「リングワールド・シリーズ」に描かれる超技術まで、あと一歩のところまで来ている(かも知れない)ものもあるし、コンピュータやロボットは追い抜いてしまいそうだ。
もちろん、ハイパードライブやテレポーテーション装置のように、現在では魔法に等しいものもあるが……。

一昨日観たNHKプレミアム10 「立花隆が探る サイボーグの衝撃」 の「衝撃」のほうが大きかったからかも知れない。
「リングワールド・シリーズ」には、生物学的に変容する「ヒト」は描かれているが、サイボーグは登場しないからなぁ。
おそらく、人類が恒星間宇宙に出て行くより前に、サイボーグ化という「節目」があるだろう。
ヒトと機械、脳とコンピュータの融合については、別途ゆっくり考えてみたい。

参考:
第69回 押井守監督、川人光男所長らとサイボーグ革命最前線を語る - nikkeibp.jp - 立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」
SCI(サイ) - サイエンスの、最先端を.サイボーグ技術が人類を変える

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コメント

 そういえば。自分も御大に心酔して20年くらいになりますよ………中性子星は衝撃でした!

趣味で携帯小説を書いてるなかに文庫本・無常の月に収録されてるファンタジー『終末も遠くない』の引用、魔剣グリランドリーを登場させた物語があったり、ニーヴンを知る人はニヤリとするかも。
リングワールドも好きですが、自分はインテグラル・ツリーが大好きです。たまんないっスよ。

投稿: ルドーレイジ | 2010/11/05 20:50

ルドーレイジさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

ニーヴンのファンタジーは、エネルギー危機のような「マナ」消滅の危機が描かれていたりして、SFマインドたっぷりですよね。

「ノウン・スペース」シリーズ以外のインテグラル・ツリーや「ラマー」シリーズなど、独特の味のある作品も良いですね。

投稿: M.SHI, | 2010/11/06 21:57

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