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2005/07/30

男の脳と女の脳

日経サイエンスの2005年8月号を読み終わらないうちに、9月号が発売されてしまった。
まぁ、いろいろあって、なかなか忙しかったのだ。

それはともかく、8月号の「やっぱり違う男の脳と女の脳」は面白かった。
ベルベットモンキーにおもちゃを与えたとき、オスはトラックを、メスは人形をいじる時間が長いという。
そういえばウチのムスメどもを育てるとき、とりたてて「女の子らしく」育てたつもりはなかったのだが、やはり人形などの女の子らしいおもちゃに興味が移っていったのだった。
科学的逍遙】にも書いたが、男女の脳は構造的・機能的に違うものなのだ。
もちろん「どちらが優れているか」という議論(というか主張)は無意味だ。

進化の過程で生じた男女の脳の差が、原初の人類の生活にどのように役立っていたのかにも興味があるが、現在の人類の生活にも、その差が影響しているのが面白い。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)や薬物依存、うつ病などの疾患や、向精神薬の影響についても、男女差があるということだ。
つまり、治療法や投与する薬物の量を、男女で区別する必要があるらしい。

よく言われることだが、男の脳は空間認識に優れているため、幾何学や地図の読図が得意だ(群れを離れて狩りをして、また帰ってくるには重要な能力だ)。
女の脳は言語を操る能力や、共感する能力に優れている(群れを実質的に、民主的に支配するのには重要な能力だ)。
また、モノの配置やパターンを見出し、記憶する能力は女性のほうが優れていると思う。
それについて思い出すのは、アシモフの『黒後家蜘蛛の会』に出てくるルービンの奥さんの「牛」に関するエピソードだ。
ミステリ作家ルービンの奥さんの趣味は牛のマスコットやアクセサリを集めることで、家中が牛だらけなのだそうだ。
そして、その牛の配置が少しでも変わると、奥さんはそのことに気付いてしまうのである。

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2005/07/28

台風一過

7月26日(火)、接近する台風を警戒して、午後半休をとって帰宅。
台風の進路は東にそれて、肩透かしを食ったような状態。まぁ、休めたからいいか。

7月27日(水)、朝、玄関先でイチモンジセセリ初見。
ランタナの花の蜜を吸っていた。
昨年より二週間ほど遅い
台風一過の晴天……とはいうものの、そこそこ雲は出ていて、富士山は見えず。

7月28日(木)、太平洋高気圧が張り出し、「台風一過+梅雨明け十日」の晴天。
わずかに雪渓の残る夏富士や、伊豆の山を見ながらの出勤は辛い。
プログラムを書くだけなら、何とか都合をつけて休むこともできるが、会議が多いと休めない。
その会議でつぶれた時間を確保するには、残業か休日出勤しかない。

台風は去ったが、降り積もる仕事の「雪かき」は続く。

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2005/07/22

庭の妙な花

ルッコラ(ロケット)の花庭に植えたエダマメ(ダイズ)の花が咲かなかった、という話を【科学的逍遙】に書いた。
ところが、咲かせたい花は咲かないのに、咲かせるつもりがない花が咲くことが多いのだ、ウチの庭は。

……ということで、この花は何でしょう?

正解は、ルッコラの花である。
ロケットとも言う。
若い葉をサラダにして食う。
ゴマの風味があるので、ラーメンに入れても旨い。
ゴマの風味があるといっても、ゴマの仲間(ゴマ科)ではなく、アブラナ科の植物である。
その証拠に、花びらの数はアブラナ(ナノハナ)やショカツサイ(ハナナ)、ハボタンなどと同じく、4枚だ(アブラナ科の植物を「十字花類」と呼んだこともあるそうだが、そんなに古いことはワシもよくは知らん)。
こんな風に花が咲くようになると、もう葉は硬くて食えん。
入梅前には、アオムシ(モンシロチョウの幼虫)がたくさん居たが、全部アシナガバチに捕られたようだ。

ルー(ヘンルウダ)の果実では、もう一発。
今度は花ではない。果実である。
何となくミカンっぽい。
それもそのはず、ミカン科のルーの果実なのだ。
【科学的逍遙】に花の写真を載せたことがある
ヘンルウダとも言い、草全体が柑橘系のキツイ匂いがするので、猫除けに植えているものだ。
アゲハが卵を産みにやってくるので、「バタフライ・ガーデン」向きでもある。

……というわけで、庭のコンセプトが「美しい花園」ではなく「食のパラダイス」または「食物連鎖の園」なのだから、妙な花が咲き、見たこともない実がなるのは、仕方ないかもね。

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2005/07/19

アブラゼミ vs クマゼミ

昨日(2005/07/18)東海地方も梅雨明けしたらしい。
そう言えば、アブラゼミが鳴いている。
クマゼミも鳴いている。
……生物季節に記録し忘れた。

クマゼミに最初に遭遇したのは、兵庫県へ引っ越した中2のときだ。
それまでは、神奈川県と愛知県で暮らしていたが、最大のセミはアブラゼミだった。

……ということは、ワシが中2のころよりも温暖化が進行している、ということなのだろうか?

アブラゼミとクマゼミの分布がどのように変化していくのか、セミの種間競争の要因にはどのようなものがあるのか、については、まだ考えたことが無いので判らない。
しかし声量に勝るクマゼミに負けじとアブラゼミが鳴くと、もはや素晴らしい洞察は雲散霧消し、思考能力は減退してしまう。
夏は、ものを考える季節ではないのだろう。

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2005/07/16

日帰り登山「魔の2時台」と概日リズム

今日の朝日新聞夕刊に、「日帰り登山 魔の2時台 事故の2割近く集中」という記事があった。
「日帰り登山の事故や遭難は疲れが集中する午後遅くではなく、午後2時台に集中していることが、関西大学総合情報学部の青山千彰教授(危機情報学)の分析で示された」そうだ。
要するに、疲れよりも食後で注意力の散漫になる時間帯に事故が起こりやすいのだろう、とのことだ。

最近読んでいる『SYNC―なぜ自然はシンクロしたがるのか―』(スティーブン・ストロガッツ著、早川書房刊)によると、午後2時から3時にかけて眠気に襲われるのは、「ランチを食べ過ぎたためでも、外が暑いからでもなく、体内のサーカディアン・ペースメーカーの指示に従っているからなのだ」そうだ。
サーカディアン・リズム(概日リズム)は、体内の生物時計によって生じる約24時間(だから、「概」日なのだ)のリズムで、体温が約24時間周期で上下することが知られている。
体温が最低となる時刻の約9~10時間後に注意力が最低になり、眠くなる。
この時刻(午後2時から3時)は会社でディスプレイに向かっていても、会議でも辛い時間帯だが、やはりこの時間帯に登山中の事故が多いのだ。

ちなみに、宿泊登山の場合には、「魔の午後2時」がはっきり現れないという。
これも、サーカディアン・リズムで説明できる。
宿泊登山の場合、普通は午後8時か9時に寝てしまう。日常では考えられないくらい早い時間だが、登山で疲れているからぐっすり眠れる。
そして、午前5時ごろ、ご来光を期待して早起きする。
これで、体内時計が狂ってしまうのだ。
体内時計が狂ってしまう結果、「魔の午後2時」が消滅するのだろう。

さて、登山中に「魔の午後2時」を避けるにはどうするか?
やはり、昼寝をしてしまうのがよいだろう。
ただ、ワシは若いころ、よく山で昼寝をしては下山が遅れたり、山小屋への到着が遅くなって怒られた。
怒られようが何だろうが、山での昼寝(登山用語で「トカゲ」という)が大好きだったワシは、無意識のうちに事故を回避していたのだろうか。

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2005/07/10

ゴマダラカミキリ登場

ゴマダラカミキリ梅雨前線が低気圧に流れ込む風で押し下げられたことによる「梅雨の中休み」。
午後、伸びた芝や草花を刈った。
午後5時にチャイムがなり(田舎だなぁ)、そろそろ作業を終えようとしたとき、「ブォン」という音とともに庭に飛んできたヤツが居た。
ゴマダラカミキリである。

下のムスメ(中1)が、その大きなアゴを見て、
「うわぁ、アリとか食べるかなぁ」
と言った(近くにアリがたくさん居たのである)。

カミキリムシは肉食ではない。
幼虫の時には、樹木の材を食う(だから、果樹農家や造園家にとっては害虫だ)。
樹木の幹の中で成虫となったカミキリムシは、その強力なアゴで材と樹皮を食い破って外界へと出てくるのだ。
そして食べるものは、またぞろ木の皮である。
ゴマダラカミキリの場合は、ミカンやイチジクの樹皮をかじる。

雑木林では、クヌギなどの樹皮をシロスジカミキリがかじる。
カミキリムシがかじった傷から甘い樹液がしたたり、その樹液を目当てに、甲虫やチョウが来る。
たくさんの虫が来ては舐めたりかじったりするため、大きく変形したクヌギのコブ状の傷に、カブトムシやらクワガタムシやらオオムラサキやらスズメバチやらが来ているのを見たことがある。
迷惑なカミキリムシも、甲虫やチョウや、そして子供たちにとっては歓迎すべき存在なのだ。

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2005/07/04

『もやしもん』を読んだ

石川雅之『もやしもん』(講談社イブニングKC)を読んだ。
作中の「東京にある某農大」って、ワシの母校である東京農大くさい。
獣医・畜産学部があるから、日大や麻布獣医の可能性もあるし、農場がキャンパスに隣接しているのは農大でも厚木キャンパスかも知れん。

しかし、出てくるエピソードや学内の雰囲気は、ワシが青春時代(の一時期)を過ごしたキャンパスでも見慣れたものだ。
もちろん、ワシには菌は見えんが、植物病理学や土壌学、食品加工学で勉強したほか、醸造学科の学生が実習で作った乳酸菌飲料を飲まされそうになったり、堆肥の研究の手伝いをさせられたり、その他モロモロで菌類(カビ・キノコ)や細菌類(バクテリア)、ウイルスなどには馴染みがある。
腹の中に優良な微生物群集(腸内フロラ)を育てようと心がけているし……(人間ドックのたびに壊滅的打撃をこうむるのだけどね)。

この腸内フロラの話は、第1巻の「おまけ」に出てくる。
腸内フロラに限らず、どぶろく作り(第9話「かもすぞ」)でも描かれるが、菌類のせめぎあいは、生態系の遷移そのものだ。
狭義の(というか、正しい)エコロジー、つまり生態学だ。
面白いぞー。かもすぞー。

『もやしもん』には、生物学系研究者(学生を含む)のズレ具合がうまく描けていると思う。
というか、ワシ自身もズレていた(いる?)のだから、読んでいてカミさんほど笑えないのだ。
『動物のお医者さん』や『不機嫌なジーン』でも描かれていた通り、生物学系の研究室は、一種独特の泥臭さがあるのだ。
ワシは作物学研究室に居たから、泥臭さなんてものではなく、作物と一緒に泥そのものを持ち込んだりしていたけどね。
ま、そのへんの回顧的な話はまたの機会に。

「かもすぞー」は我が家での合言葉っちゅうか掛け声になりそうだ。

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